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ベトナムは、技術の"ネクストチャイナ"になれるか ―― VinFastが組んだ"世界のAI連合"

ベトナムは、技術の"ネクストチャイナ"になれるか ―― VinFastが組んだ"世界のAI連合"




少し前に、「ベトナムは『EVネイティブ』の国かもしれない」という記事を書きました。守るものが少ない新興国は、既存の段階を飛び越えて、いきなり最新へ跳ぶ(リープフロッグする)――そんな話でした。

その続きが、もう一段、来ています。ベトナムのVinFast(ビンファスト)が、EVの、さらに先へ踏み出した。今日は、その動きと、「ベトナムは、技術の"ネクストチャイナ"になれるのか」という問いを、考えてみます。

VinFastは、もう"EVの会社"じゃない

まず、事実から。VinFastは、2026年1月に、イスラエルのAI企業Autobrains(オートブレインズ)と自動運転の共同開発を始めていました。そして2026年6月、それをさらに一段――レベル4(高度な自動運転)へと進めます。計算基盤を担うのは、アメリカのNVIDIA。3社の連合です。

狙いは、「東南アジアの、複雑で変化の激しい道」に合わせた、手頃なレベル4。NVIDIAの計算基盤(DRIVE Hyperion 10)に、Autobrainsの"エージェント型AI"を載せる。ちなみに、Autobrainsは、VinFastを投資家・パートナーの一社として掲げています。

VinFast自身の言葉が、象徴的です。「Beyond EVs(EVの、その先へ)」。つまり――ベトナムの一企業が、アメリカ(NVIDIA)と、イスラエル(AI)と手を組み、"世界のAI連合"を作り始めているのです。もう、EVを作る会社、という枠では捉えきれません。

面白いのは、これが「西洋のマネ」じゃないこと

私がいちばん唸ったのは、ここです。彼らが作ろうとしているAIは、"きれいに整った環境"を前提にしていない

自動運転の実用化では、複雑なシステムや高い計算コスト、そして整えられた環境を外れたときの対応が、長く課題になってきました。組んだ相手のAutobrainsのAIは、まさに、その難しい現実世界にこそ強いとされる。VinFastは、それを、東南アジアの道に合わせて作ろうとしています。

VinFast自身、狙いは「高密度な交通、多様な道路上のふるまい、変化の激しい都市環境」への対応だと説明しています。私の実感で言えば――バイクが洪水のように行き交う、あのホーチミンの道です。先進国の自動運転を、そのまま輸入するのではない。自分たちの、いちばん難しい現実に合わせて、最新を作る。これこそ、リープフロッグの真骨頂です。


ちなみに、同じイスラエルの頭脳は、ミュンヘンにもいる

補足を一つ。このAutobrainsというイスラエル企業、実はドイツのミュンヘンでも、ロボタクシーの計画が進んでいます(こちらはUber、NVIDIAと組んだ別プロジェクトで、規制当局の承認を前提に、2026年後半の展開が予定されています)。

つまり、同じイスラエル発の"頭脳"が、東南アジアではVinFastと、欧州ではUberと組み、レベル4に向けたプロジェクトを同時に動かし始めている。VinFastは、「新興国だから周回遅れ」なのではない。むしろ、世界の自動運転開発のネットワークの中に、もう入り始めているのです。

だから、「技術のネクストチャイナ」になれるか

ここで、冒頭の問いに戻ります。かつて中国は、EV・電池・AIで、あっという間に世界の主役級に駆け上がりました。ベトナムは、その"次"になれるのか

もちろん、VinFast一社だけで、ベトナム全体を語ることはできません。VinFastはまだ黒字化の途上で、課題も多い。過度に持ち上げるのは、フェアじゃない。

それでも、私が注目しているのは、技術の完成度そのものより、"世界の技術を組み合わせる、その速さと姿勢"のほうです。守るものがない身軽さで、アメリカとイスラエルの最先端と組み、自分の混沌に合わせて作りにいく。この"組み方"そのものに、次の大国の芽のようなものを、私は感じます。

そして、私たちも、その可能性に賭けている

最後に、自分たちの話を。実は、ここに、静かな共通点があります。

Autobrainsが挑むのは、"予測不能な道"のためのAI。そして、私たちが作っているのは、"図面のない、ぐちゃぐちゃな現場"のためのAI(現場をスキャンしてBIMに変える、Scan to BIM)。技術そのものが同等だ、という話ではありません。ただ、複雑な現実世界を、データとAIで扱おうとする"発想"が、同じ方向を向いているんです。


私たちONETECHは、日本とベトナムをつないで、AIと建設DXをやっています。ベトナムの、この"一足飛びで最先端へ行く"エネルギーに、私は賭けている。世界のAI連合が組まれていく、まさにその只中で、建設という"物理世界の入口"を、ベトナムと一緒に作っていきたい。ネクストチャイナになるかどうかは、まだ誰にも分かりません。でも、その問いのど真ん中にいられることが、面白い。今日も、目の前の混沌を、面白がってデータに変えていきましょう。

WHAT A WONDERFUL DAY TODAY!

※参考(出所):VinFastとAutobrainsが2026年1月に自動運転(L2++等)の共同開発で戦略提携したこと、2026年6月にNVIDIAを加えて東南アジア向けのレベル4プログラム(NVIDIA DRIVE Hyperion 10+AutobrainsのエージェントAI)を発表したこと、VinFastが「Beyond EVs(技術エコシステムの構築)」を掲げていること、AutobrainsがVinFastを投資家・パートナーとして掲載していることは、VinFast/Autobrains等の公表資料および各種報道にもとづきます。ドイツ・ミュンヘンでのロボタクシーは、Uber、NVIDIA、Autobrainsによる別プロジェクトで、規制当局の承認を前提に2026年後半の展開が予定されています。「ネクストチャイナ」やベトナムの可能性に関する見立ては、私自身の考察であり、断定ではありません。

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▶ ベトナムは「EVネイティブ」の国かもしれない
https://note.com/nkawam/n/na65fc40d69fb

▶ はじめての方へ|なぜ「熱と余白」なのか(自己紹介)
https://note.com/nkawam/n/n8c00e8f6d2bd

▶ ほぼ毎日更新|3分でわかる ベトナム建設ニュース(マガジン)
https://note.com/nkawam/m/ma83f297fd0d1

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