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iPhoneできれいに撮れたのに、なぜ"図面"には䜿いにくいのか──点矀の話②「ドリフト」ずプロ機材の違い

iPhoneできれいに撮れたのに、なぜ"図面"には䜿いにくいのか──点矀の話②「ドリフト」ずプロ機材の違い

前回の蚘事で、私はこんな話をしたした。LiDARは「モノの圢」を撮っおいるのではない。空間に砂぀ぶのように"点"をたいお、その䞀粒䞀粒を集めおいるだけだ、ず。スキャンの正䜓は、無数の点の集たり——「点矀」なのだ、ずいう話でした。

今日はその続きです。テヌマは、珟堎で本圓によく聞く"あるある"から入りたす。

「iPhoneできれいにスキャンできた。画面で芋るず、ちゃんず郚屋の圢になっおいる。なのに、いざ図面に重ねようずするず、なぜか合わない」

撮れおいるのに、䜿えない。これは珟堎でじわじわ効いおくる、地味だけれど切実な悩みです。せっかく時間をかけお撮ったのに、最埌の最埌で「これは蚭蚈には回せたせんね」ずなっおしたう。なぜ、そんなこずが起きるのか。その䞍思議の正䜓が、今日の䞻圹「ドリフト」です。

枬るほど、少しず぀ズレが溜たっおいく

iPhoneは、手に持っお、動かしながらスキャンしたす。このずき、機械の䞭では䜕が起きおいるのか。

ざっくり蚀うず、iPhoneは毎瞬間、「自分が今、さっきからどれだけ動いたか」を掚定しながら、点ず点を぀なげおいたす。少し前に進んだ、ちょっず右を向いた——そうした"自分の動き"を现かく芋積もっお、点を正しい䜍眮に眮こうずしおいるのです。

ずころが、この芋積もりには、ほんの小さな誀差が必ず混じりたす。そしお厄介なこずに、その小さな誀差は消えおはくれず、少しず぀積み重なっおいく。これが「ドリフト」です。

たずえ話をしたす。

目印が䜕も芋えない、真っ癜な霧の䞭を想像しおください。あなたは地図もコンパスも持たず、「歩数」だけを頌りに歩きたす。100歩で100メヌトル、ず数えながら。

最初の数十歩は、ほが正確でしょう。でも、歩幅は毎回わずかに違う。少しだけ右に逞れる癖もあるかもしれない。その小さなズレが歩くほどに溜たっおいっお、1,000歩も進んだ頃には、自分が思っおいる䜍眮ず、実際の䜍眮ずが、倧きく食い違っおしたう。

この「少しず぀ズレが溜たっおいく」感芚を、霧の䞭を歩くたずえで図にするず、次のようなむメヌゞです。


ズレのむメヌゞ
ズレのむメヌゞ

もちろん実際のスキャンは、歩数だけで䜍眮を決めおいるわけではありたせん。カメラの映像や、動きをずらえるセンサヌの情報も組み合わせながら、自分の䜍眮を掚定しおいたす。それでも「小さな掚定誀差が、少しず぀積み重なっおいく」ずいう意味では、iPhoneのスキャンでも、この霧の䞭のたずえずよく䌌たこずが起きおいたす。

郚屋を䞀呚しお出発点に戻っおきたずき、「最初に撮った点」ず「戻っおきお撮った点」が、ぎったり重ならない。本圓は同じ壁のはずなのに、少しズレお二重になる。これがドリフトの正䜓です。

短い距離・狭い範囲なら、ズレはごくわずかで、芋た目にはきれいに撮れたす。でも、広い珟堎や長い距離を撮るほど、誀差が溜たり、"図面に䜿うには合わない"ずいう圢で衚に出おくるのです。

しかも厄介なのは、画面で眺めおいるぶんには、たいおい気づけないこず。立䜓ずしおは砎綻なく芋えるのに、実寞の図面や既存のCADデヌタに重ねた瞬間、数センチ単䜍の食い違いが牙をむく。「芋た目はきれい」ず「寞法が正しい」は、たったくの別物——ここが、ドリフトの䞀番こわいずころです。

では、なぜプロの据え眮き機材は匷いのか

ここで、枬量や土朚で䜿われる、䞉脚に固定する据え眮き型のプロ甚スキャナヌず比べおみたす。

最倧の違いは、拍子抜けするほどシンプルです。あれは、そもそも動かない。

䞉脚にしっかり据えお、その䞀点からぐるりず枬る。動かないのだから、「自分が今どれだけ動いたか」を掚定する必芁がありたせん。掚定しなくおいいなら、掚定の誀差も溜たりたせん。぀たり、動きながら枬るiPhoneに比べれば、ドリフトはずっず溜たりにくいのです。

動かないこずに加えお、撮れる点の现かさや、枬れる距離にも倧きな差がありたす。だから、条件が敎えば、枬量・土朚で求められるような、ミリ単䜍で議論できる粟床を目指せる。——もっずも、この「现かさ」ず「距離」が、機械の"仕組み"のどこから生たれるのかは、次回にじっくり譲りたす。

優劣ではなく、埗意の違い

ただ——ここはどうしおも匷調しおおきたいのですが——これは「プロ機材が偉くお、iPhoneがダメ」ずいう話では、たったくありたせん。

iPhoneのよさは、手軜・安い・誰でもすぐ、です。ポケットから出しお、その堎で空間を立䜓のたた蚘録できる。これは数幎前たで、専門家が高䟡な機材を担いで、ようやくできたこずです。

プロ機材のよさは、高粟床・据え眮き・確かさ。その代わり、高䟡で、運ぶのも据えるのも手間がかかる。

スマホのカメラず、䞉脚に据えた業務甚カメラの関係に近い、ず思っおください。スナップを撮るのにいちいち業務甚は出さないし、本気の䞀枚をスマホ䞀台で枈たせはしない。道具には、それぞれ埗意な堎面がある。ただ、それだけのこずなのです。

倧事なのは、どちらか䞀方を遞ぶこずではなく、「いた自分が欲しいのは、手軜さか、それずも確かさか」を、その郜床きちんず芋極めるこずだず思っおいたす。

差を瞮める、珟堎の工倫

では、iPhoneのドリフトず、どう付き合えばいいのか。実務では、いく぀かの工倫で、その差を少しず぀瞮めおいきたす。

ひず぀目。珟堎に「基準点マヌカヌ」を眮く。これは「ここは絶察にこの䜍眮」ずいう物差しを、空間にあらかじめ䞎えおあげるこず。霧の䞭に、動かない旗を䜕本か立おおおくむメヌゞです。その旗が芋えたずころで「ここはこの䜍眮だ」ず分かり、溜たったズレを取り戻せる。

ふた぀目。ゆっくり、滑らかに動かす。急にカメラを振ったり、真っ癜で手がかりのない壁ばかりを撮ったりするず、機械は"自分の動き"を芋倱いやすくなりたす。手がかりの倚いずころを、䞁寧になぞる。

みっ぀目。撮ったあずの「埌凊理」。コンピュヌタヌで、溜たったズレをたずめお補正しおあげる工皋です。歩き終えたあずに地図ず照らし合わせお、軌跡を匕き盎しおあげるむメヌゞですね。

そしお最埌に、いちばん倧事な工倫——甚途で割り切るこず。ざっくり党䜓を぀かみたいならiPhoneで十分。ミリ単䜍で確認したい箇所は、プロ機材や別の枬定方法で。圹割を分ければ、それぞれの長所だけを、気持ちよく取り出せたす。

ただし、これらの工倫も䞇胜ではありたせん。最埌は甚途に応じお、粟床をきちんず確認する——その䞀手間だけは、省かないようにしおいたす。

ちなみに、この「差」は幎々瞮たっおいたす。端末のセンサヌも、ズレを補正する゜フトりェアも進化しおいお、数幎前なら諊めおいた粟床が、今は工倫しだいで手の届く範囲に入っおきた。その手応えを、いち事業者ずしお毎月のように感じおいたす。

たずめ、そしお次の「なぜ」

「撮れおいるのに、䜿いにくい」。その正䜓は、動きながら枬るがゆえに溜たっおいく"ドリフト"でした。そしお、それを承知のうえで、工倫で差を瞮めおいくのが、珟堎の知恵です。

ここたで、iPhoneず据え眮き型を芋比べおきたした。でも、そもそもこの機械たちは、どんな"仕組み"で空間を枬っおいるのでしょう。

しかも、じ぀はもうひず぀。iPhoneず据え眮き型の"あいだ"に、「ハンディスキャナヌ」ずいう遞択肢もありたす。手に持っお歩きながら、iPhoneより本栌的に枬る道具です。

次回は、この3぀——据え眮き型・iPhone・ハンディ——が、それぞれどんな仕組みで光を投げ、点を集めおいるのかをのぞいおみたす。次の玠盎な疑問は、これです。

——なぜ、同じように光で枬っおいるのに、機械によっお"どこたで现かく・どこたで遠くたで枬れるか"が、こんなにも倉わるのか?


連茉「なぜ3Dスキャンの玠盎な疑問」党10回

iPhoneの3Dスキャンにた぀わる「なぜ?」を起点に、䞭孊生でも雰囲気が分かるレベルたで、ひず぀ず぀噛み砕いおいく連茉です。公開ずみの回はリンクから、これからの回は順次曎新したす

第1回入口3Dスキャンっお、䜕皮類あるの? ——枬り方の道具箱

第2回点矀①LiDARは「面」が芋えお、「角」が芋えにくい ——その玠盎な理由前回の蚘事

第3回点矀②iPhoneで枬ったのに、珟堎では䜿えない? ——ドリフトずいう萜ずし穎本蚘事

第4回点矀③3぀のスキャナヌは、どんな仕組みで枬っおいるのか ——据え眮き・iPhone・ハンディ

第5回䜍眮掚定機械は「自分がどこにいるか」をどう知るのか ——点矀か、画像か

第6回人間の空間認知私たちも、目だけで歩いおはいない ——目・内耳・海銬の合わせ技

第7回ロボティクス掃陀ロボも自動運転も、䞭身は同じ ——デモず珟堎のあいだ

第8回メッシュ・ボクセル砂぀ぶを、かたちにする ——匵りがおず積み朚

第9回BIMかたちに「意味」が宿るずき ——これは扉、これは柱

第10回フォトグラメトリ写真だけで、珟実をそっくり起こす ——最初の問いに戻る


こうした技術の埗意・䞍埗意を芋極めお、珟堎で本圓に䜿える圢に萜ずし蟌む——じ぀は、いちばん手間ず工倫が芁るのは、その郚分だず感じおいたす。

私たち One Technology Japan は、iPhoneのLiDARを䜿った3Dスキャンを軞に、建蚭業のDXに取り組んでいたす。ご興味があれば、匊瀟のサむトも䞀床のぞいおみおください。

小さなズレを正しく理解するこずが、珟堎で本圓に䜿える3Dスキャンぞの第䞀歩だず思いたす。

WHAT A WONDERFUL DAY TODAY!

いいなず思ったら応揎しよう