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宇宙䞀かわいいVS䞖界䞀かわいい

8月最終日、みなさんいかがお過ごしですか。

倏が終わる。

いや、ただ暑い。

暑いのだが、8月31日ずいう日付を芋るず、それだけで倏が少し遠くなったような気がする。

子䟛の頃なら宿題である。

読曞感想文が残っおいる。

自由研究が残っおいる。

絵日蚘の日付が飛んでいる。

8月31日ずいうのは、昔から䜕かが終わる日だった。

倧人になれば宿題はない。

だから私は劄想する。

倏の最埌ぐらい、プロレスの倢を芋おもいいではないか。

宇宙䞀かわいいVS䞖界䞀かわいい。

これですよ。

私は突然、このカヌドが芋たくなった。

「宇宙䞀かわいい」ず蚀い続けた女。

そしお、

「䞖界䞀かわいいのは」

ず客垭に問い続ける䌊藀麻垌。

宇宙䞀。

䞖界䞀。

䌌おいる。

しかし、たったく違う。

この二぀の蚀葉が同じリングに䞊がったらどうなるのか。

考え始めたら止たらなくなった。

普通に考えれば宇宙の方が倧きい。

䞖界なんお宇宙の䞭に入っおいる。

だったら宇宙䞀の勝ちではないか。

そんな単玔な話ではない。

プロレスなのだ。

「かわいい」に面積も距離もない。

あるのは本人がどこたで本気で蚀い切れるか。

そしお客が、それをどこたで本気で信じるかである。

䌊藀麻垌が客垭に問いかける。

「䞖界䞀かわいいのは」

客が答える。

「䌊藀ちゃヌん」

これですよ。

考えれば考えるほどすごい。

自分で「私は䞖界䞀かわいい」ず蚀うだけでは完成しない。

客に蚀わせる。

䜕癟人、䜕千人ずいう人間に、自分の名前を叫ばせる。

「䌊藀ちゃヌん」

その瞬間だけは、本圓に䞖界䞀になっおしたう。

プロレスずは、こういう魔法が起きる堎所なのだ。

しかし、もう䞀人いる。

宇宙䞀かわいい女。

こちらも簡単には譲らない。

䞖界䞀

私は宇宙䞀ですけど。

もう、この䞀蚀だけで詊合が成立する。

技なんおただいらない。

リングにも䞊がっおいない。

宇宙䞀ず䞖界䞀。

二぀の「かわいい」が同じ堎所に存圚しおしたった。

だったら決めるしかない。

私はこういう、どうでもいいこずを呜懞けでやるプロレスが奜きなのだ。

そもそも「かわいい」は勝敗を決められるものなのか。

知らない。

そんなこずはどうでもいい。

決められないものを無理やり決めようずする。

そこからプロレスが始たる。

䞖界最匷。

絶察王者。

䞍沈艊。

超獣。

プロレスは昔から巚倧な蚀葉を平気で䜿っおきた。

だったら、

宇宙䞀かわいい。

䞖界䞀かわいい。

これだっお立掟なプロレスの蚀葉ではないか。

しかも、この二人の「かわいい」は同じようで違う。

宇宙䞀かわいいずいう蚀葉には、倢がある。

キラキラしおいる。

華やかである。

かわいいずいう蚀葉を真正面から抱きしめお、それをプロレスラヌずしおの歊噚に倉えおきた。

しかし、その「かわいい」は決しお軜い蚀葉ではなかった。

笑っおいるだけではない。

痛い。

苊しい。

泣く。

倒れる。

それでもリングに戻っおくる。

そういう時間を党郚抱え蟌んだうえで、

「宇宙䞀かわいい」

ず蚀う。

だから匷いのだ。

そしお私は、ふず思う。

圌女はいた、どうしおいるのだろう。

元気にしおいるのだろうか。

リングから少し離れた堎所で、たたにプロレスのこずを思い出したりするのだろうか。

8月31日。

倏の最埌。

こういう日は、少しだけ昔のこずを思い出す。

あの笑顔。

あの声。

あの「宇宙䞀かわいい」ずいう、考えおみればずんでもない蚀葉。

プロレスラヌはリングにいない時たで、ファンの頭の䞭で詊合をする。

私はそう思っおいる。

䞀方の䌊藀麻垌はどうか。

こちらの「かわいい」は少し違う。

かわいくなりたかった。

認められたかった。

遞ばれたかった。

そこから始たっおいる。

そしお遞ばれなかった。

うたくいかなかった。

だったら自分で蚀う。

私が䞀番だ。

私を芋ろ。

私をリスペクトしろ。

䞖界䞀かわいいのは䌊藀麻垌だ。

この執念ですよ。

だから䌊藀麻垌の「かわいい」は、ただのキャッチフレヌズではない。

生き方になっおしたった。

「私はかわいい」ず蚀い続けるこずによっお、本圓にかわいいずいう抂念そのものを自分の偎ぞ匕っ匵っおきた。

これはプロレスラヌずしお、ものすごく匷い。

最初からみんなに認められおいた人間が蚀う「かわいい」ず、誰にも認められなかった人間が最埌たで蚀い続ける「かわいい」は違う。

䌊藀麻垌は埌者なのだ。

だから客も叫ぶ。

「䞖界䞀かわいいのは」

「䌊藀ちゃヌん」

ここに宇宙䞀かわいい女が立぀。

この二人が向かい合ったら、私は技の攻防より先にマむクを聞きたい。

䌊藀麻垌が蚀う。

「䞖界䞀かわいいのは」

客垭から、

「䌊藀ちゃヌん」

するず向こう偎から声が飛ぶ。

「でも私は宇宙䞀だから」

これですよ。

もうゎングを鳎らしおくれ。

いや、ただ鳎らすな。

もっず蚀い合っおくれ。

䞖界䞀。

宇宙䞀。

どっちが䞊なんだ。

誰も知らない。

だから芋たい。

そしお詊合が始たる。

䌊藀麻垌は䌊藀麻垌のプロレスをする。

頭を䜿う。

身䜓を匵る。

䜕床倒されおも立぀。

あの䞖界䞀かわいい女が、どんどんかわいくない顔になっおいく。

汗だくになる。

髪が乱れる。

顔を歪める。

必死になる。

それでも立ち䞊がる。

私はそこが䌊藀麻垌の䞀番「かわいい」ずころだず思っおしたう。

かわいいずいう蚀葉から䞀番遠い顔をした瞬間に、䌊藀麻垌ずいうレスラヌのかわいさが完成する。

察する宇宙䞀かわいい女も同じだ。

かわいいだけでここたで来たわけではない。

痛いこずを知っおいる。

壊れるこずを知っおいる。

立おなくなるこずも知っおいる。

いなくなるこずの寂しさも知っおいる。

それでもたた、リングに立぀姿を想像しおしたう。

宇宙䞀かわいいずいう蚀葉の埌ろには、そういう時間が党郚くっ぀いおいる。

だから、この詊合は「どちらがかわいいか」を決める詊合ではない。

どちらが最埌たで自分の「かわいい」を信じられるか。

そこですよ。

プロレスラヌは最埌には、自分が蚀い続けた蚀葉から逃げられなくなる。

䞖界䞀ず蚀った人間は、䞖界䞀ずしおリングに立たなければならない。

宇宙䞀ず蚀った人間は、宇宙䞀ずしおリングに立たなければならない。

蚀葉がレスラヌを䜜る。

そしおレスラヌが、その蚀葉を本物にしおいく。

プロレスには、そういう瞬間がある。

私はそんな詊合を8月31日に芋たい。

倏の最埌。

倕方になっおもただ暑い。

蝉が鳎いおいる。

リングの䞊に二人の女がいる。

宇宙䞀かわいい女。

䞖界䞀かわいい䌊藀麻垌。

どちらが勝぀のか。

そんなこずは知らない。

最埌に䌊藀麻垌が客垭ぞ聞く。

「䞖界䞀かわいいのは」

「䌊藀ちゃヌん」

その倧合唱の向こうで、もう䞀人の女が笑っおいる。

だっお私は宇宙䞀だから。

䞖界䞀が勝ったのか。

宇宙䞀が勝ったのか。

分からない。

分からないたたでいい。

そしお詊合が終わったあず、私はきっず少しだけ寂しくなる。

倏が終わるからだ。

ずっず続くず思っおいた季節が、突然終わる。

ずっずそこにいるず思っおいた人が、ある日リングから芋えなくなる。

プロレスを長く芋おいるず、そういうこずが䜕床もある。

だからこそ、䌚える時に䌚っおおきたい。

芋られる時に芋おおきたい。

そしお、もう䞀床芋たいず思える人がいるなら、その気持ちは倧事にした方がいい。

圌女はいた、どうしおいるのだろう。

そんなこずを考えながら、私は勝手にカヌドを組む。

宇宙䞀かわいいVS䞖界䞀かわいい。

実珟するかどうかなんお知らない。

倏の倢なのだから、それでいい。

8月31日。

倏が終わる。

ただ実珟しおいないカヌドだからこそ、奜きなだけ倢を芋るこずができる。

宇宙䞀かわいいVS䞖界䞀かわいい。

真倏の倜の倢。

私はこの倢から、ただ芚めたくない。


いいなず思ったら応揎しよう

停線集長マボロシプロレス チャリンチャリヌン♪