ムラたびのススメ?
ムラ足袋、ムラ旅、ムラ他火…
「たび」の語源は「他火」または「他べ」だとか。諸説はあるが、昔の「たび」は、まさしく他人様の施しを受けながらも、ご利益・功徳をうけるための難行苦行の「たび」であった。
異国のトラベルの語源がトラブルであるのと同じように。その後豊かな時代の中で「たび」は「観光」に凌駕され、やがて大衆化した観光は物見遊山なツアーと化し、観光地は閑古鳥が鳴き始める。今まさに「たび」の時代である。
「たび」の語源である他人様・ムラ人との交流から始めよう。囲炉裏ならぬ食卓を共に囲みともに食べ、そこでとれる大地の恵みを給わる。さあマチからムラへ「ムラたび」に出かけよう。



「ムラたび」とは
ムラ人との心の交流がある旅である。出来ればゆっくりと酒を酌み交わし、美味しいムラの馳走に舌鼓を打ちながら、ムラ人が営む農家民宿や漁師民宿に泊まるのもお奨めである。


ムラとの物語に触れる旅である。その地域固有の歴史、偉人、先人、文学、地名、芸能、祭には必ずその地域固有の物語がある。ムラ人と語らい、ムラび字堺図を調べ、ムラの手引書となる書籍を読むこともまた愉しからずや。
ムラ固有の風を感じる旅である。
風土
風景
風味
風習
風俗
風格
風評
など、ムラにはその地域固有の風が拭いている。自然の中に身を置き、その風を五感で感じとる感性を磨きたい。
ムラの暮らしに触れる旅である。ムラにとっては日常の「食」「生業」「慣習」など、本物に触れる。ムラの暮らしのおすそわけ。
そのムラが第二の故郷になる旅である。何度も交流を重ね、そのムラの酸いも甘いも分かったうえでムラに入る。笑顔で迎え入れるムラ人がいる場が故郷である。
(2007年4月発行「九州のムラ」20号より抜粋)
