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天ぷらは伝統ではない。遺伝子が拒絶する『酸化油』の真実

私は日頃から和食中心の食生活を心がけていますが、友人や彼女と会席料理や懐石料理をいただく際には、必ず一つだけお願いをします。――「天ぷらや唐揚げは、別の料理に変えてください」と。

これらの揚げ物は一見上品で和食らしく見えますが、実は油を使う料理は本来の伝統的な和食ではありません。和食の神髄は、千年以上の歴史の中で磨き上げられた「水と素材の調和」にあります。江戸時代以前の日本食には、揚げるという調理法そのものがほとんど存在せず、蒸す・煮る・焼く・和えるが中心でした。かつて油は灯明(明かり)のための貴重品であり、日常の食卓に上るものではなかったのです。日本の豊かな水源と肥沃な大地がもたらす旬の素材を、出汁の旨味で引き立てる。これこそが、私たちの先祖が守り続けてきた身体にストレスを与えない食事の形でした。油料理は、明治以降に西洋文化とともに入ってきた“新しい食”に過ぎません。

現代の安価な植物油は熱や光、空気に非常に弱く、極めて酸化しやすいという致命的な弱点を持っています。効率を最優先した工場の高温処理で絞り出され、調理場でさらに加熱された植物油は、体内で「過酸化脂質」や「ヒドロキシノネナール」という有害物質に姿を変えます。この酸化した植物油は長期的に体を蝕み、血管や細胞に慢性的な炎症を引き起こします。

この炎症こそが、現代人を脅かす万病の引き金です。酸化した油は血管の内壁を傷つけて動脈硬化を進行させ、突然命を奪う脳梗塞や心筋梗塞のリスクを跳ね上げます。さらに、発生した神経毒が脳の細胞を直接破壊してアルツハイマー型認知症の発症を加速させ、大量の活性酸素が細胞のDNAを傷つけることで「がん」の発生リスクをも高めてしまうのです。それだけにとどまらず、植物油に偏った食生活は体内の免疫バランスを狂わせ、現代病とも言える花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息といった激しいアレルギー症状を引き起こす直接的な原因にもなります。

わずかここ100年ほどで急激に導入された「酸化した油を摂る」という不自然な習慣に、私たちの遺伝子や内臓の処理能力は追いついていません。食は一瞬の喜びでありながら、身体には確実に蓄積され、10年、20年と経てば必ず恐ろしい結果となって現れます。その時に「食を変えておけばよかった」と悔やんでも遅いのです。

一瞬の口当たりの良さに惑わされず、千年の歴史が証明している「油に頼らない本来の和食」を選択すること。この徹底した自己管理こそが、現代の歪んだ食環境から自分の身体を守り、10年後、20年後の未来の自分へ贈る最大の投資なのです。

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