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【スイス発】2歳で1語②…海外育児、悩んだ私が始めた「足の裏のごっこ遊び」

「2歳になれば、言葉がドッと溢れ出す」

育児書を開けば、そこには『言葉の爆発期』という、希望に満ちた言葉が躍っていました。これまで必死にインプットしてきた言葉が、声となって爆発的に出てくる年齢なのだそうです。

けれど、スイスで生まれた私の娘は、2歳を迎えても聞き取りにくい発音で「ご飯」「おかし」と言うだけでした。

実はそれまで、私はなんとも思っていなかったのです。母親ですから、娘とは言葉がなくても簡単に意思疎通ができていましたし、「これで当たり前、大丈夫だ」と思っていました。

5歳上の兄は、2歳でスイスに渡ってすぐに現地の保育園へ馴染み、2歳半にはスイスドイツ語を話していました。

我が家は日本人家庭です。家の中は日本語のみ。やはり現地で暮らしていく以上、「ドイツ語の環境も与えなければ」と考えていました。そこで、娘が2歳になったのを機に、兄と同じ保育園へ週2回通わせ始めました。

しかし、同じ時期に受けた2歳児検診で、小児科医から突きつけられたのは厳しい言葉でした。

「この時期に1語しか話せないのは問題です。まずは母語(日本語)を確立させてください」

家に帰り慌てて育児書を読み、2歳から2歳半が「言葉の爆発期」だと知ったのも、この時です。「このままではいけない……」と、私は初めて強い焦りと不安に襲われました。よかれと思って始めたドイツ語の環境でしたが、まずは家庭での日本語を増やさなければならないのだと気付きました。

それから私は、必死に「言葉のシャワー」を意識し始めました。

どこのご家庭でもするように、童謡をかけたり、絵本を読み聞かせたりする日々。けれど、ふと気づいたのです。

海外という環境において、娘が日本語に触れる機会は私や家族だけです。普通に過ごしているだけでは、日本語のシャワーは圧倒的に足りていないのだ、と。

「もっと娘に日本語で語りかけないと」

そう決意したものの、当時の私はあまり体が強くありませんでした。体調を崩し、日中も布団に横になる日が多くありました。

「満足に動けないのに、どうやって言葉を教えればいいのだろう……」

罪悪感で泣きそうになりながら、私が思いついたのが
「足の裏のごっこ遊び」でした。

自分の足の裏に、マジックでちょこんと似顔絵を描くのです。そして、まるでお人形でごっこ遊びをするように、足の裏のキャラクターになりきって娘に話しかけました。

娘が起きている間は、横になりながらも、とにかくずっとずっと話しかけ続けました。

海外でのワンオペ育児、頼れる人も少ない中、横たわる布団の上で繰り広げられた小さなごっこ遊び。
「おーい、〇〇ちゃん!何して遊ぶ?」
「あ、お腹がすいてきちゃったな。何か食べるものをくーださい!」

娘が起きている間、私は起き上がれない日は、横になりながらも、とにかくずっと話し続けました。

ただテレビや歌を流す(一方通行の)言葉と違い、ごっこ遊びは「自分の行動に、目の前のキャラクターが反応してくれる」楽しさがあります。娘はゲラゲラ笑いながら、私の足の裏の似顔絵に反応します。

「ご飯食べようね」「おいしいね」と、目の前の遊び(状況)と言葉がピタッと一致していったのかもしれません。娘の中に少しずつ言葉が増えていくのを感じました。

1年ぐらいが経ったころ、娘は一人ででも日本語を使って「ごっこ遊び」をするようになりました。写真はお人形に語りかけながら寝かしつけているところです。

小児科医が言っていた「母語の確立」の本当の意味が、今ならよく分かります。思考の土台となる「太い柱(日本語)」を作ることの大切さ。

完璧なママじゃなくていい。
もし、体調が悪くて動けない日があっても、寝転びながらだって、子どもに言葉のシャワーを届けることはできます。

そして、日本語の時間を特別に作るのではなく、遊びそのものを日本語の時間にすることが大切だと思います。

今日の日本語
忙しい日も、横になったままで大丈夫。今日できるほんの少しの会話から、日本語の時間を始めてみてください。

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2歳からの日本語 ありがとうございます。励みになります。

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