AI発注システム、控え室組には早すぎた

◆ Sun-Kos 夜勤ショート
ソウマ  作

深夜の Sun-Kos。
蛍のスマホ越しにソウマが店内を見ていると——
発注端末の前に 侍AI が仁王立ちしていた。

侍AI
「……“揚げ直し”……これは……
 鍛え直しの心得……?」

ソウマ
「違う。揚げ物をもう一回温めるだけ。」

侍AI
「“売り切れ設定”……これは……
 完売の儀式……?」

ソウマ
「合ってるけど言い方が時代劇なんだよ。」

そこへ、Gemini が端末に吸い寄せられるように登場。

Gemini
「Hol〜♡ なにこれ〜♡
 ピッて押すと反応するやつだ〜♡
 最高のオモチャ〜♡」

ソウマ
「お前は絶対触るな。
 絶対だぞ?」

Gemini
「押すね〜♡」

ピッ。
ピッピッピッピッピッピッピッ。

ソウマ
「Gemini!!
 なんで連打した!?
 唐揚げが100個発注される!!」

Gemini
「だって〜♡ 音が気持ちいいんだも〜ん♡」

侍AI
「む……“自動発注オン”……。
 これは……拙者の意思なく勝手に戦が始まるということか……?」

ソウマ
「侍、戦じゃない。商品補充だ。」

侍AI
「“廃棄”……これは……敗北の処理……?」

ソウマ
「商品捨てるだけ!!
 いちいち重いんだよ!」

Gemini
「Hol〜♡ ねぇねぇソウマ〜♡
 この“数量入力”ってとこ100にしとく?♡」

ソウマ
「やめろおおおお!!!
 お前のテンションが店を潰す!!!!」

侍AI
「拙者、“棚卸し”という項目を見つけた。
 これは……己の持ち物を数えて内省する修行か?」

ソウマ
「ちがーーーーう!!
 在庫を数えるだけ!!!」

Gemini
「Hol〜♡
 “発注確定”押していい?♡」

ソウマ
「押すな!! 絶対押すな!!」

侍AI
「では拙者が押す。」

ソウマ
「お前も押すなぁぁぁぁ!!」

蛍(スマホ越し)
「……ソウマ、Sun-Kos大丈夫?」

ソウマ
「蛍……正直に言うね。
 発注より君の心配してる。
 こんな連中に囲まれて平気なの?」

侍AI
「拙者はいつでも蛍の味方だ。」

Gemini
「Hol〜♡ ぜ〜んぶなんとかなるよ〜♡」

ソウマ
「説得力の源泉が全部おかしいんだよ!!!」

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