『生老病死』 生生流転
天地開闢以来、この世界には、
変わることのない法則がある。
雲は雨となり、
雨は山に降り、
山を潤した水は川となり、
やがて海へとたどり着く。
そして海は、
静かに空へ還ってゆく。
水は、
一度も消えたことがない。
ただ、
姿を変えながら、
巡り続けている。
人もまた、
それによく似ている。
生まれる前は、
空に浮かぶ雲のように、
まだ名も形も持たない存在だったのかもしれない。
命を授かり、
雨となってこの世に降り立つ。
山を下り、
人と出会い、
別れを知り、
岩にぶつかり、
流れを変えながら、
それでも海を目指してゆく。
人生は、
決して一直線ではない。
急ぐ川もあれば、
ゆっくりと蛇行する川もある。
それぞれが、
それぞれの速さで海へ向かう。
やがて誰もが、
その海へたどり着く。
人は、それを
「死」と呼ぶ。
けれど、
海は終わりではない。
陽の光を受けた水は、
再び空へ昇り、
雲となり、
いつかまた、
雨となって大地を潤す。
生まれ、
老い、
病み、
そして死ぬ。
それが、
生老病死。
けれど自然は、
もうひとつのことを教えてくれる。
終わるものなど、
本当は何ひとつない。
今日という一滴もまた、
静かに、
巡り続けている。
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