大人になるってどういうこと
私の趣味のひとつにフェンシングがある。
私が所属するフェンシングクラブには、小中学生、高校、社会人。車いすで競技をする人達と一緒に練習をしている。
競技人口が少なく、北海道という土地柄、クラブ外の選手と試合ができる機会は少ない。
少しでも試合経験を積みたいので、市外の市民大会にオープン参加させてもらった。
オープン参加なので、我々クラブの選手達は、どんなに頑張っても順位がつかず、表彰もされない。
せっかく出るならと総合順位で3位以内の選手に我々のクラブで、賞状をわたそうという企画が持ち上がった。
当日、出場選手達はオープン参加だろうとかまわずに、熱戦を繰り広げていた。
中でも中学生のA君は、本人が「過去一頑張った」というくらい、粘り強く戦っていた。
その甲斐もあって、上級生ばかりの中、総合3位の成績だった。
いくつかの種目にも参加していて、こちらは参加人数が少ないので、戦わずして入賞確定。
大会終了後に賞状の準備をしていると、「俺、賞状こっちだけでいいです。もうひとつは、満足できる試合じゃなかったし」って。
これを聞いた私は、「A君、大人になったね」と、思わず言ってしまっていた。
小学3年生からフェンシングを始めた彼は、練習中も自由人。
自分が好きなことだけをしたがり、そうでなければ、ずっとおしゃべりをつづけ、集中することができないことも多かった。
過去の試合では、思うようにいかないと、道具を投げつけたり、お母さんに八つ当たりしたりとなかなか手ごわかった。
それがだ。試合内容を自分の中で分析し、表彰されることよりも、納得のいく試合をしたいと思えるまでになっていた。
少しずつ成長している過程は目に見えないけれど、何かをきっかけに変化、成長を感じるものなのだと思った。
大人とは何歳からなのではなく、自分の物差しで自分を見つめられる人のことなのかもしれない。
あの日から私の中には、「大人になるって、どういうことなんだろう」という問いが残っている。
子どもたちの成長を見ながら、その答えを私も探し続けている。
おはぎさんとけいこさんの#哲学対話書簡に参加しています。
テーマ「大人になるってどういうこと」で書きました。
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