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ナプキン交換するときの話を丁寧に書いてみた

※生理とかナプキンとか出てきます、苦手な方はお控えください。

 こんな機会はないので生理用ナプキンを交換するときの話をしたい。

 外出時のパターンを話そう。私は、まずトイレに入るとリュックサックからナプキンが入っているポーチを探し出す。トイレの中は狭い。リュックをどこかに置けるのならばいいが、基本的にはリュックを置くことはできない。私は片足を少し上げながら、その片足にリュックのお尻部分を預けつつ、リュックのチャックを開ける。リュックサックの重みが右膝にダイレクトに伝わる。そしてその体勢のままポーチを探し出す。
 ちなみに、女はポーチを複数持っている。化粧ポーチ、お薬ポーチ、お菓子ポーチ、色んな形のいろんなポーチを持っている。
 先ほども申し上げた通り、トイレの中は狭い。そして大勢は片足立ち。トイレの中でリュックの中身を目視で確認しながらポーチを探すことはできない。私はいつも斜め上を見ながら視界から入ってくる情報をシャットダウンしながら指先の神経を研ぎ澄ます。リュックの中を一切見ずにナプキン入りポーチを探し出す。だが、私たちはいとも簡単に探し当てられるのである。それは何故か。ナプキンが入っているポーチは「枕」だからだ。

 男性陣はここで「え?寝るの?」と疑問が湧いただろう。しかしこれ以上の説明が難しい。ナプキンが入っているポーチはほぼ枕なのだ。40cm夜用なんかが入っていたらより深い眠りを提供できるような高級品に成り上がる。
 ポーチというのはいろんなものを入れられるから便利なのである。なのに、女性は何故か、ナプキンを入れるポーチにナプキン以外を入れない。ナプキン以外を入れさせない。入れるとしたらタンポンである。お行儀の良い方はゴミ袋も入れているかもしれない。ナプキン以外の不純物が入っていないポーチは枕として機能する。

 そして、触覚だけで枕を取り出した私たちは、チャックを開けナプキンを取り出す。それをトイレットペーパーのホルダーの上にバランスよく置く。ズボンをずらし、パンツをずらす。

 そして、経血を限界まで吸い役目を終えた大往生のナプキンに敬意を払う。ギャザーの部分でギリギリ耐えたナプキン、予想外の動きに耐えられず上の方から息絶えて漏れてしまったナプキン、サニタリーショーツに羽を引っ掛けたせいで峰不二子の体のようにウエストが絞れてしまったナプキン。真ん中の「血を吸うエース」の丘が機能してないとき、私は落胆する。

 そして、拝みながら汚い方のナプキンを取り、一旦、左太ももに貼り付ける。左太ももに貼られた亡骸を横目に、次の私の相棒を平然と広げる。こんにちは、よろしくね。真っ白でふっくらとしている相棒は自信満々で血以外も吸わせてもらいます、という顔で誇らしい。

 そして相棒をパンツにセットする。スッキリとした気持ちになる。白がレフ版のように私を照らす。そして契りを交わす。私は正しい位置に丁寧にパンツにつけた。文句はないね、と。相棒は言う、あんたが動きすぎたらそんときはそんときだ。私とナプキンはいつも平行線だ。それでも私たちはタッグを組まなければならないのだ。

 新しいナプキンの外袋を広げる。左太ももで待機していただいていた亡骸をそれに乗せる。そして巻いていく。その時私は、職人になる。できるだけ綺麗に細く巻き切るか。陶芸家のような、指先の繊細さを存分に浸かって。一種のマインドフルネスである。できるだけ細く、美しく巻く。休憩室のお菓子のカゴにあれば間違ってしまうひとが出てきてしまうくらい、綺麗に巻くのだ。
 私はそれをしげしげと見つめる。また美しくできた。年々美しくできている。歳を取るのも悪くはないなと思う。

 そして、その細い亡骸をゴミ箱に差し込んで外に出る。立ち上がった瞬間、新しいナプキンに特大の経血が垂れる。待ってましたと言わんばかりの特大の。
 「おいおい、別にええけど」と、まるで公園の砂場で膝も袖もぐちゃぐちゃに汚している我が子を見るような、包容力のある笑みをこぼす。こうして私たちはまた日常に戻るのである。


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