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kaigo777os46
すごい
本を読んだり、コンサートに行ったり、映画を見たあとに、「すごい」という感想しか浮かばないことが多くなった。
細部まで緻密で一部の隙のないような描写。
流麗な技巧で、流れていく音楽。
CGによって圧倒的な体験をできるシアター。
何も読んでも、聴いても、見ても、すごい。すごい。すごい。
驚異的で、とてつもない。
「すごい」という感想しか出ないなんて、感受性がなくなったのか。
老化によって扱える語彙が減ったのか。
そうではないような気がする。
全てをつまびらかに、時には心象風景までも詳細に描写し、私はただ物語を「知る」だけ。
技巧的な曲が完璧に、一部の狂いもなく演奏され、「現場」という音量に圧倒されているのだけど、心には引っかからない。
「すごい」の中身がわからない。
というか、ない。
人間離れした、凡人には到達しえないところにあるものを、畏敬の念をもって享受したい。
でも、ただ感心して、称賛して、消費して、それで終わり、というものが多くなったように感じる。
「すごい」という言葉でまとめられるような体験をしたいわけではない。
曖昧で不確かな感じ。
迸って、逆にグラグラと揺れる感じ。
説明されないものの中に勝手に踏み込んでいけるような、もっと言うと、踏み荒らしても許されるような、そういうものに出会いたい。
