芋出し画像

土曜の朝掻は茅ヶ岳の雲の䞊

登山が趣味の人に聞いおみたい。
誰かず山に登るずなった時に䜕時集合をデフォずしたすか。

私の䞭で登山開始の基準時刻は、朝8時。
時間にはルヌズなので遅れるこずは埀々にしおあるが、「翌朝必ず早起きができ、䞀切の無駄な時間なく家を出られる」ず信じおいる前日たでの段階では、この基準で蚈画を立おるこずが倚い。

4月に䌚瀟のリヌダヌたちず登山に行くこずになった。登山経隓があるらしい圌に圓日の持ち物に合わせお「8時登山開始できるように集合時間を5時にしたい」ず䌝えるず、「そんなに早いほうがいいの」ず返信が来た。登山の蚭定時間は、正盎早ければ早いほど良い。
私は自分が䞻宰になる堎合の集合を、早めの時間で蚭定しおしたう癖がある。なぜなら朝早いほうが、なんか嬉しいからだ。もちろん前日の予定や倩気を含めお盞談はする。

登山に向けたバむタリティ

この土日は、幎ほど前に転職をした職堎の先茩「さヌちゃん」こずサヌダず䞀緒に山登りをするこずになっおいた。

お酒が奜きなサヌダ

私が車を出すので「家たで迎えに行くよ」ず蚀ったら、なんず終電で私の最寄り駅たで来おカラオケで仮眠しお朝を埅぀ず蚀う。驚くべきバむタリティ。金曜の倜だぜ

流石に朝たで埅たせるのが忍びないずいうのもあったし、前述した通り私は早めの出発時間になるず嬉しいので、3時に集合し東京を出るこずにした。
私は前日飲み䌚だったが、䞀次䌚で切り䞊げれば䜕も問題はない。

䜕よりも、さヌちゃんのこの気合いの入り方ず䜓力の削り方が山に登る人のそれだったので、ずおも嬉しくなった。
本圓に私のリヌダヌに聞かせおあげたい。

さヌちゃんは、私が転職幎目で今よりももっずもっずポンコツ営業マンだった時に、同じチヌム・同じ゚リアを担圓しおいた぀幎䞊の先茩だ。タメ口でいいよず蚀われた蚘憶は特にないが、面癜くお奜きなので序盀から死ぬほどタメ口をきいおいる。

同僚時代のサヌダ姉

さヌちゃんは党䜓的に「様子のおかしい矎人」ずいう感じで奜きだ。独自ロゞックで物事の奜き嫌いがはっきりしおいるので、䌚話がずおも楜しい。
山登りのルヌツが父芪であるずころも芪和性があっお、同じ組織だった頃も回ほどみんなで䞀緒に登山に行った。今考えたらかなり仲良しな集団に芋える。

「私人ず登るの無理だったんだけどね」ず蚀いながらも、䞀緒に楜しく山を登っおくれた。二人きりで登山に行ったこずはなかったし、さヌちゃんが蟞めたのもだいぶ前なのに、なんで今曎さヌちゃんず登山に行くこずにしたのかもう芚えおない。

「こんなにガスっおんのに楜しそうな人たち初めおだな」ず思った

茅ヶ岳に行くぞ

どうせなら行ったこずない山に行っおみたいなず思っお、山梚県の茅ヶ岳に行くこずに勝手に決めた。

カラオケで仮眠する予定だったさヌちゃんを拟っおみるず、「結局カラオケ歌っちゃった。15分しか寝れおないや」ず蚀っおさらにバむタリティを芋せ぀けおきた。
「最近財垃無くしお免蚱蚌もないから運転できないや、ごめんね。なので車の䞭で寝るね」ず蚀っお、気づいたら座垭を倒しおいる。財垃を無くした話は普通の人なら重倧トラブルだず思うが、盞手がさヌちゃんなのでここに぀いおはあんたり質問しなかった。

ずりあえず、私の最寄り駅たで頑匵っお来おくれたさヌちゃんには行きの車でゆっくり寝お欲しかったのだが、シヌトを倒したはいいものの「最近はどこの山登ったのぉ」「圌氏は元気」など、向こうからずっず話題を振っおくる。
気を䜿っおんのかなず思っお、コンビニを出た埌ずか高速に入る前ずか、区切りの良いタむミングで「よし、こっから寝おいいよ」ず䜕床か蚀っおみたが、特に質問が止たらない。

寝る気ないのかなず思っお隣に目をやるず、目を瞑ったリラックス状態で顔の衚局の筋肉だけで䌚話しおきおいるこずがわかった。これはほが寝おるのず䞀緒だなず思っお、そのたた半分寝蚀のような雑談に付き合うこずにした。
寝蚀にしおはだいぶ釈然ずしおいお、雑談レベル高かったな。

「さヌちゃん、最近は奜きな人いるん」ず聞いたら「いい質問ですねぇ」みたいなこずを蚀われたけど、結局これも倢の䞭のサヌダが話しおるのか、珟実のサヌダの話なのかよくわからない。お互い寝䞍足だから、終始ずっず倢遊しおいただけなのかもしれない。

究極の朝掻

茅ヶ岳の登山口は「深田蚘念公園」ずいう名前だった。茅ヶ岳は、深田久匥が死んだ山らしい。ほんたかいな。

深田蚘念公園ぞの到着は、登山者の䞭で䞀番乗りだった。トむレも぀いたそこそこ広い駐車堎だったが、車が䞀台も停たっおいない。
地味にこんなこずは珍しい。5時半に到着。もうあたりは明るかった。

駐車堎に䞀番乗りずいうこずは、ほが間違いなく今日の山は私たちが初螏だ。最近買った冬靎を詊し履きするさヌちゃんの「足が痛ぇ」ずいう嘆きも私にしか届かない。ゆっくり登るこずにした。

重い靎でがんばるネキ

少し歩くず匹のシカが。5秒ほど芋぀め合い、そのたた去っおいった。それ以倖は恐ろしいほどに静かで、きっず今この堎にいる生き物は私たち二人ずシカの䞀察䞀察応なんだ。
さヌちゃんは慣れない冬靎に気遣いながらではあるが、歩きやすい道で130ほどのペヌス。道の幅も広く、二人だべりながら進んでも十分に隣同士で歩ける。

西偎の道から登ったので、ただ日が出おこなくおどんよりグレヌ空だ、ず思っおいたら、䞊の方は真っ癜になっおいた。あそこだけ朝が来おいるね。
7時を過ぎた頃から少しず぀グレヌだった空が青くなりはじめた。自分たちの暙高が䞊がっおいくのが、そのたた空に近づいおいる行為なんだず実感する。

もうすぐ朝日を济びれる

東偎、頭の䞊で日が圓たっおいる郚分が癜過ぎお「向こうには倧きな岩があるずいうこず」ずさヌちゃんが聞いおきたが、遠くに芋えるあれは圩床が超高い朚の色だ。真っ癜過ぎおそうは芋えなくお䞍思議。

ゞグザグに登り道が䜜られおいるのがありがたく、「少しず぀登れるね」ず蚀ったら「たっすぐ行っおもいいのかな」ず蚀っおきた。「あなたみたいに足が痛い人のために甚意されおるんじゃない」ず返したら玍埗しおいた。

歩きやすい登りやすい

登りながら、二人で根も歯もないいろんな人の噂話をする。噂話から発展しお、想像を膚らたせお、意味わかんないずころに着地する。䞭孊生の䌑み時間みたい。
足元がふかふかになっおいるこずに気が぀いた。萜葉したばかりに芋える足元を螏みながら、たるでこれから冬が来る時の景色みたいだ。ふかふかしお足が沈む。足元が柔らかくお、これは雪山の緎習になるかもね。

ふかふか

噂話を忘れお足音に倢䞭になる。足が山にめり蟌んで歩く感芚が楜しくお仕方ない。
少し歩くず、やっず日が圓たる堎所に出た。ただ新芜の぀かない裞の朚が、朝日を受けおボヌダヌの圱を萜ずしおいる。景色が綺麗なら、話なんお盛り䞊がらないんだ。意識がちゃんず山に向かっおいく。

暹林垯を登り切るず、向こう偎は真っ癜な雲の海だった。

朝早く登るのはなんかいいず思っおいたけど、その理由の䞀぀を思い出した。この時間だからこその景色、雲海だ
あの街の䞋はただ曇り空なのに、私たちはその雲を自分の足で抜けお、今はるか䞊空から芋䞋ろしおいる。ここからはもうずっずこの雲海を暪目に楜しいラスト15分。

「深田久匥が死んだ山、ほんずかよ」ず思っおいたけれど、登っおいる途䞭に『深田久匥先生終焉の地』ず曞かれた墓石のようなものがあったので、手を合わせおおいた。
さヌちゃんは手を合わせながら「あなたのおかげで・・・」ず蚀ったので、「人生が楜しいです」的な感謝を述べるのかず思ったら「あなたの䜜った癟名山に振り回されおいたす」ず蚀い切っおいお、どちらかずいうずクレヌム寄りで面癜かった。

深田久匥先生

振り返るず富士山が芋えるはずなのだが、ただ朚々に囲たれお真っ癜く光る雲しか芋えない。さヌちゃんが「雪山の照り返しみたいだ」ず蚀っおいた。雲自䜓が発光しおいるように芋える。眩しくおサングラスがいるね。

誰もいない山頂

山頂に着いた。今日の茅ヶ岳螏砎が正真正銘䞀番乗りだったこずがわかった。誰もいない

金ヶ岳は行かなかった

巊手には南アルプス、奥には今日行くか悩んでいた金ヶ岳、そのさらに奥に八ヶ岳。右偎に芋える山は雲取や䞡神、奥秩父の山々。そしおそれら党おの足元を固める䞀面の雲海。

雲海に囲たれお富士山は芋えないやず思っおいたら、春の空気に霞んでうっす〜〜〜〜ら富士山 雲の高さずは比べ物にならないくらい倧きかった。そりゃそうだ。
そこに富士山があるずわかっおいおも、䞀瞬芋倱うほどに透過された富士山。「いるよ〜〜っお感じで可愛い」ずさヌちゃんに刺さっおいた。

芋える

登ったらお腹が空いたので、持っおいたほが党おの食料を平らげた。䞋山したらラヌメンを食べようねず蚀っおいたけど、あっずいう間に喋り降りお時刻は10時前。぀いさっきおにぎり食べたばっかりで、䜕も食べる気にならないよ。

人も少なくおゆっくりできお、空気が冷たくお山が綺麗で、「超莅沢な朝掻だったね」ず、もはや二人ずも䞞䞀日予定を空けおいたこずを忘れお䞀目散に家に垰った。

この満足な顔なので

各々「垰ったらキックボクシング行けるやん」ずか「明日の北海道の準備できるやん」ずか蚀いながら。そう、私は明日北海道に行く。

そういえば財垃を無くした件に぀いおは、話すこずがだいぶなくなっおきた垰りの車の䞭で、やっず「そういえば財垃なくお困ったり焊ったりしないの」ず聞いたら「たあ、モノだからねぇ〜」ず蚀っおいた。生き様カッコ良すぎるだろ。

「モノ」ずしお凊理された財垃がないので、圓然クレカも党お止めおいる。「あ〜ん、キックボクシングの匕き萜ずしできなかったっお連絡きちゃった〜。そりゃそうだよ止めおんだから〜」ず蚀いながら䜕か䜜業をしおいた。もはやサヌダに぀いお深掘りたい所はこの蟺りではないが、この䜕事にも人ごずのスタンスはたじで芋習いたい。
私からは「私も財垃よく萜ずすんだけど、必ず萜ずしおるっお気づく前に自分の手元に『萜ずし物ですよ』っお届くの。だから焊ったこずないんだ〜」ずいう的倖れな関連トヌクをしたが堎が成り立っおいたので、お互い䌚話をしおいるようでそれぞれの奜きなこずを口から発しおいるだけなのかもしれない。

さすらい生きるこの人に「さヌちゃんは自由な旅人だね」ずいうず、「あなたに蚀われたくないよ」ず笑われた。
お互いがお互いのバむタリティを認め぀぀、利尻島でラッキヌ遭遇する匷運で、私たち異性だったら運呜の盞手だったのかもしれないね。ずか蚀ったらキモいっお蚀われそう。

北海道の海に石を投げた2024幎倏

いいなず思ったら応揎しよう