50代|職場で人間観察。“しゃしゃり出ない人”が、いちばん強い理由。
先回りしすぎな私から見る、歳下だけど先輩の存在。
こんにちは。
今回は職場にいる腕のたつ剣士のような
人物の話をしてみたいと思う。
誰かが少し困っていそうな顔をしている。
まだ何も疑問符を投げかけてはいない。
だが私は、すでに立ち上がっている。
「どうしました?」
「それ、こうしたらいいんじゃないですか?」
私は、わりとすぐに
自分から前に出てしまう人間である。
頼まれてもいないのに
先走って勝手に察する能力だ。
悪癖である。
まだ問題になっていない問題を
解決しようとする。
そして気づく。
またやってしまった!
余計なお世話である。
本人はそこまで困っていなかったりする。
あるいは、ただ考えていただけだったりする。
私はどうも、
「頼まれる前に動く病」
にかかっているようである。
そんな私の職場に、一人、
対照的な人物がいるのだ。
職場にいる平時は「動かない人」
その人は、普段ほとんど前に出ない。
会議でも多くを語らない。
自分から仕事を取りにいくこともない。
かといって、
決して怠けているわけでもない。
ただ、静かに黙々と仕事をこなしている姿。
しかし不思議なことに、
本当に困った場面になると、
その人は存在感を放つ。
誰かが明確に助けを求めたとき。
あるいは状況が行き詰まったとき。
その人は、すっと前に出て
光輝いて見える。
そして短い言葉で状況を整理し、
静かに問題を片付けてしまう。
その姿を見るたびに思う。
うん。かっこいいな、この人。
観察メモ:静かな人の特徴
私は密かに、この人を観察している。
いわば個人的研究である。
観察メモはこうだ。
・普段はほとんどしゃべらない
・しかし発言すると的確
・先回りして動くことはしない
・頼まれたことは必ず丁寧にやる
・そして誰も、その人の判断に反論しない
おそらくこの人は、
無駄に動かないのである。
エネルギーを無駄撃ちしないのだ。
必要なときだけ動く。
だからこそ、その一手が重いと
私は感じている。
私との決定的な違い
ここで私は、自分を振り返る。
私はどうか。
・誰も頼んでいないのに説明する
・まだ問題になっていない問題を解決しようとする
・つい先回りする
その結果どうなるか。
問題だけ増えることがある。
そして少し反省する。
「いや、そこまでしなくても…」
面と向かってそう言われたことは
一度もないが、
相手の表情に何となく出ている。
つまり私は、
エネルギーを無駄に細かく
ばらまいているタイプなのである。
対してあの御仁は
必要なときまで刀を抜かないのだ。
その御仁は職場の「静かなる剣士」である
私は最近、その御仁を心の中で
こう呼んでいる。
隠忍自重の剣士
耐え忍び、時機をうかがう剣士のこと。
ちなみに私より社歴の長い
同じ派遣社員の歳下の女性である。
普段は静かにしている。
余計な争いには関わらない。
自分の存在を誇示することもない。
だが、ここぞの場面でスッと動く。
そして一太刀で物事を片付ける。
あれはきっと、
動かないのではない。
動くタイミングを選んでいるのである。
その違いは大きい。
結論|しゃしゃり出ない勇気
私は最近、耐えている。
人より早く動いてしまう。
つい口を出してしまう。
この悪癖が出ないように
歯を食いしばって耐えているのだ。
しかし長年の癖というのは、
そう簡単には直らない。
だが、あの人を見るたびに思う。
本当に頼れる人というのは、
普段から前に出ている人ではない。
必要とされる時に、前に出れる人である。
しゃしゃり出ないというのは、
ただの消極性ではない。
それはきっと、
「ここぞ」という場面まで
「待てる力」なのだと思う。
私もいつか、あんなふうに
静かに刀をしまっていられる人になりたい。
職場の片隅にいる、
あの静かなる剣士のように。
どこまで我慢できるか。
自分の忍耐力を試している。
ちなみにこの御仁とは
定期的に外でのランチをご一緒する。
もちろん誘うのは私からだ。
人間観察と胆力をつける修行。
今後も続けていきたい。
