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【IVRy入社エントリ】そこにくす玉が吊るされていたから入社した

僕は汗ばむ手でクラッカーを握りしめていた。

IVRyのオフィスを取り巻く巨大な窓ガラスの先には東京タワーが輝いていた。その手前には講堂じみたステージがあり、壇上でCEOが直近のビジネス指標の状況についてしゃべっていた。僕は一日中ひどく緊張していたし、その三十分前にオファー面談を受けたばかりで彼が話していることの二割かそれ以下しかわからなかった。そもそも入社前の人間を全体会議の端っこに呼ぶというのがよくわからない。ステージの横にはくす玉まで吊るされていた。なんかくす玉まであるし。僕はぶつぶつ呟いた。
「こういうことってけっこうあるんですか?」
僕は色々な意味を込めて傍らにいた人に聞いた。かつて十年くらいまえに僕と同僚だった彼は「よくあると思いますよ」と曖昧な返事をして、手元のAndroidをするする操作した。ステージの中央にある巨大なスクリーンの右側三分の一はSlackの画面になっていて、そこに彼の見慣れたアイコンがまたたく間にあらわれた。途端にリアクションがついていく。十、二十、三十……これまでの人生で見たことのないスピードだった。やばい、と僕は口の中で呟いた。
「それでは、皆さん! クラッカーをお持ちになってください」
CEOが言うと、みんながクラッカーを手に取って宙にかざした。ぼんやりと僕も壇上に向かってそれを構える。「おめでとう!」CEOが叫ぶのと同時に、その場にいる全員の手の中にあったのがそれぞれ致命的な手榴弾だったかのように激しい爆発が起こった。そうしてCEOは手に持っていた紐を引いた。天井から吊るされていたくす玉が真っ二つに割れ、色とりどりのリボンといっしょに目標達成的な意味の言葉が信じられないくらいでかい字で書かれた垂れ幕が落ちてきた。くす玉は永遠に錆びることのない金属でできているかのようにキラキラしていた。凄まじい音量の拍手が鳴りはじめていつまでも終わらなかった。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』と『華麗なるギャッツビー』と『バビロン』を順番に思い出して、ぜんぶがぜんぶ人間が破滅する映画だと僕は気づいた。
「やばい」と僕は声に出して呻いた。


2025年2月にソフトウェアエンジニアとして株式会社IVRyに入社した根岸(@negipo)と申します。今回は入社エントリということで、自己紹介とIVRyになぜ入社したのかを書いていこうと思います。

自己紹介

2007年に修士課程を修了し、プロダクトエンジニアとしてB2Cの自社サービスを運営している会社でウェブエンジニアとして働いていました。新規事業をバカスカ作っていくチームに入り、一人目のエンジニアとして立ち上げに携わったB2B2Cのサービスが2016年に分社化、その後も今年に至るまで継続してそのサービスの改善を行っていました。
ここ数年は主にDevOpsエンジニアとして開発生産性の向上に努めていましたが、IVRyでは久しぶりにプロダクトエンジニアとして頑張っています☺️
技術が好きで、サービス開発が好きです。何かを理解することが好きです。

なぜ入社したのか

いっぱいある気がするんですがIVRyに入った理由をとりあえず三つご紹介します。

いい感じのサービスを作っている

自己紹介でうっすらわかっていただけたと思うんですが、今回の入社は僕にとってはじめての転職でした。正直なところまじでどういう会社に行けばいいかよくわからなかったので、グループ社員数千人規模の企業からスタートアップのベンチャーまでいろいろな会社にお話を伺いました。そこでいちばん重視していたのが、やっぱり「いい感じのサービスを作っている」ということだったと思います。
いい感じのサービス、どういうことでしょうか。
いい感じって言っちゃったらもうそれは感覚なので人によってぜんぜん違うじゃん、と思われるかもしれないんですが、僕はこれを「社会的にいいことができている」ということだと感じています。いやでもそんなこと言ったら会社というものの存在価値そのものが社会的にいいことができているということに近しいし、世の中の会社なんて大体みんないい感じなんじゃない? なんか薄っぺらいよ、と思うかもしれません。その通りです。実際のところ大体の会社は中の人に話しを聞くとどこもいい感じなので、うれしいな〜こうして世の中が良くなっていって〜、と思いながら面接を受けたりしていました。なのでここからあとは僕の薄っぺらい感想だと思ってください。

IVRyのミッションを見に行くと「最高の技術をすべての企業に届ける」と書いてあります。2Bの会社っぽい、めっちゃいいミッションだと思います。ただ、僕がIVRyの選考を受ける前に面談で色々お聞きして強く感じたのは、主にB2B2Cの2C側において、「この会社はデジタル・ディバイドの向こう側に手を伸ばそうとしてるんだな」ということです。
IVRyは自動電話応答の会社です。電話というデバイスはたとえば僕のお母さんとかが使っています。つまり、インターネットで提供されているサービスにおいそれとはたどり着けない人たちも使っています。電話は同期的メッセージングを行うサービスで、電話をかけたらかけられた側はロックされます。お母さんがレストランの予約をしようと電話をかけると、ホールかキッチンの人が今この瞬間に一人受話器を取らなければならないということです。これは今の労働人口が減りつつある日本社会では厳しい特性です。そういうわけで、自動電話応答の出番があります。
僕たちが技術を振るわなければ、僕のお母さんがかける予約の電話はどこにも繋がらなくなってしまうかもしれません。IVRyは頑張ってそういう事態を防ごうとしています。めっちゃ大事ですね。
IVRy、いい感じのサービスを作っています。

知ってる人がいっぱいいた

次にいいなと思ったのが、知ってる人がいっぱいいたということです。IVRyには僕が新卒で入った会社でいっしょに働いた人が何人もいました。何回も言いますが今回の転職が僕のはじめての転職なので、会社の中の様子を正直な言葉で語ってくれる人がいるのは不安を解消する上でめっちゃ大事です。入社前には旧知の数人とお寿司を食べながら、こういうところが困っててねとか、僕はこういうところを不安に思っててねとか、いやそれは根岸さんなら絶対できるよ、みたいな話をしました。こういうことが前からできると安心ですよね。
実際にIVRyに入ったあと、入ってよかったなと思ったことのトップの方にもやっぱり知ってる人がいっぱいいたということが入ってきます。知ってる人なのでお互い遠慮なくものが言えますし、力強くサポートしてくれるのでめちゃめちゃ嬉しいです。たとえば、僕にアサインされたメンターの方も前からインターネットで知っている人で、2010年代のサンクラはねみたいな話にお互いちょっと詳しかったり、なんやかんやで楽しくお仕事ができています。

で、なんかそういう、君にしか該当しないようないいことばっかり書いてて大丈夫なの? これは入社エントリに共感してもらって会社に興味を持ってもらう目的で書かれた文章じゃないの? と思ったかもしれません。その通りです。なので最後は共感を得られるかもしれないし、全然そうでもないかもしれないことを書こうと思います。

はちゃめちゃな勢いがある

やっと冒頭の小話に戻ってきました。
僕が入社前にまじで一番やばいなと思ったのが、IVRyという会社の勢いでした。CEOに勢いがある、チャットに勢いがある、グルーヴ感に満ちた凄まじい勢いがある。僕がこれまでいた会社に勢いがなかったとは全然思いませんが、それでもやってきた仕事の中で一番楽しかった時期は、やっぱり新卒としてちいさなベンチャー企業に入った直後に開発環境をめちゃデカスクリーンに写しながらみんなでワイワイ機能実装をしていたときや、新規事業担当として数人のチームでBMLをブン回していたあの瞬間たちだったと思います。IVRyは、社員数が200人近くになった今でもその瞬間瞬間を維持していると思います。僕はそのエネルギーすべてが僕の目の前で真っ二つに割れたくす玉に凝縮されていると思いました。
あのくす玉を誰がどういうプロセスでそこに吊るしたのかを僕は知りません。ひょっとしたら社員の誰かがちょっとした賑やかしとして一人で買ってきて吊るしたのかもしれません。でもとにかく、そこにくす玉が吊るされて、割られて、僕はIVRyに入りました。IVRyは強く文化に投資する会社だと感じたからです。強く文化に投資しているから、爆発するような勢いを社員全員がまったく失っていないし、強く文化に投資しているから、そこにくす玉が吊るされたんだと、僕がそういうふうに感じたからです。

おわりに

僕がなんでIVRyに入社したのかを書きました。
入社してもう一ヶ月くらい経ってるので割といろいろなリリースができてきました。最近リリースされた通話後の要約SMS送信のバックエンドはおおむね一人で書きました。むちゃくちゃいい機能です。検証と称して同僚に電話をかけてもらって、仕事の話をしたあとに送られてきた要約が完璧だった瞬間は忘れられません。最高です。
IVRyで仕事をしているとやばいくらい忙しいです。ミーティングしながらDevinに指示しながら自分でも実装を追加しながらSlackに何か書いてます。何もかもがまじで限界で脳みその使ったことのない領域を使いまくってるんですが、それでも信じられないくらい楽しいです。そういうのがいい感じだなと思える人はぜひ同僚になってください。いっしょにくす玉を割りたいなって思います。

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