芋出し画像

癜銀の谷に舞う花笠ず、倜灯の枩もり

あなたの次の旅が、
玠晎らしい思い出に
満ちたものになりたすように...。


思いがけない出䌚いず、
ふずした瞬間に心が解き攟たれた、
忘れられない旅の蚘憶を蟿っおみたした。



  ねえ 、本圓にこの道で合っおるの  


楜しみにしおいた、
久しぶりの小旅行。


  快晎の予報だったはずなのに   。


意気揚々ず家を出た途端に、
 ポツリ ポツリ ず、
冷たい雚粒。


芋䞊げた雲の鉛色は、
どんどん濃くなっお、
フロントガラスは埐々に
倧粒の雚に芆われおいきたす。



  どうしお今日に限っお     


そんなため息を぀くそばで、


  なぜか  、


カヌナビのルヌトは、
どんどん现い山道ぞず
私たちを誘い蟌んでいたした。




 舗装すらされおいない 薄暗い山道  。




タヌンしお戻ろうず、
ハンドルを切った
その瞬間     、




ゎツン




鈍い音ずずもに、
車のタむダが、
倪い朚の枝に
乗り䞊げおしたいたす。


車は倧きく揺れ、
埌ろの方からバサっず、
荷物の厩れ萜ちる音が。



  嫌な予感   



車を停めお、
埌郚座垭のカバンを開けるず、
そこには、目を芆いたくなるような
惚状が広がっおいたした   。


フタをしっかりず閉めたはずの
シャンプヌや化粧氎が、
信じられないほど芋事に
䞭身をぶちたけおいたんです。


お気に入りのポヌチは、
化粧氎でぐっしょり濡れ、
車内には、堎違いなほど、
フロヌラルな銙りが  。


これから向かう目的地の話で
盛り䞊がるはずだったのに   


 旅の始たりの高揚感は、
 すっかりず   、
冷たい雚音のなかに、
埋もれおしたったようでした  。



⑮ 柄みきったスヌプず、䞞いお腹



重苊しい空気のたた、
途䞭の山圢垂で、
お昌ご飯をずるこずに  。


立ち寄ったのは、
地元の人たちで
賑わうお蕎麊屋さん。


名物ずいう郷土料理の、
「冷たい肉そば」を泚文しお、
向かい合っお座っおも、
 蚀葉数は少ないたた 。



  するずそこに   、



暖簟をくぐっお、
運ばれおきた噚。


のぞき蟌むず、
噚の奥たで透き通った、
きれいな琥珀色の出汁  。


レンゲでひずくち、
冷たいスヌプをすするず、
鶏のたろやかな旚みず、
角のないやさしい甘みが、
じんわりず口のなかに
広がっおいきたす  。


 冷たいお蕎麊なのに、
なぜか胃の奥が枩たるような、
䞍思議な感芚  。


淡麗ですっきりずした
その味わいに、
無蚀のたた䜕床も
スヌプをすくっおしたいたす。


そしおふず  、
テヌブルの隅を芋るず、
「そば菓子」ずいう、
芋慣れないお菓子が。


お蕎麊をカリカリに揚げた、
かりん糖のようなお菓子 


その玠朎で食り気のない甘さを 、
 ひずくち たたひずくち ず、
味わっおいるうちに、
少しず぀ 自然な䌚話ぞず
包み蟌たれおいくのを感じおいたした 。


垰り際に、お店の前に立぀
タヌキの「ぜん吉」くんが、
愛嬌たっぷりの䞞いお腹で
私たちを芋送っおくれたす。



  たあ、そんなに急がなくおも、
    いいんじゃないかな       。



  なんだか  、
そう蚀われおいるような気がしお、
もずの笑顔に戻っおいたんです。


⑵ 倧正の面圱ず、赀いポストの隠れ家


山圢を埌にしお、
車を走らせるこず数時間。


銀山川の柄んだせせらぎず、
遠くから響く氎しぶきの音が、
少しず぀近づいおきたす。


車を降りお歩き出すず、
そこには、息を呑む
光景が広がっおいたした。


川の䞡岞に䞊ぶのは、
矎しく時を重ねた
朚造の旅通たち。


朚肌の深い色合いず、
栌子戞から挏れる
柔らかな光を济びた姿は、
倧正時代の面圱そのもの。




  旅の目的地、銀山枩泉です  。




挆喰の壁に描かれた、
色鮮やかなこお絵を
がんやり眺めながら、
タむルに刻たれた
雪の結晶をたどっお、
ゆっくりず枩泉街を歩きたす。


そんなお散歩の途䞭で、
ふず目にずたったのは、
昔ながらの赀い郵䟿ポスト。


その隣に静かに䜇む喫茶店。
「酒茶房クリ゚」さんです。


扉を開けるず、
倖の空気から䞀転、
朚のやさしい匂いず
あたたかな照明が
党身を包み蟌んでくれたす。


梚の朚のカりンタヌ  

手䜜りのテヌブル  

アンティヌクの怅子  


窓際の垭から眺める
銀山枩泉の景色は、
たるで枚の絵画のよう  。


ここは枩泉街で
唯䞀のバヌでもあり、
掋酒の品揃えも
随䞀ずのこず。


冷えた䞡手で
マグカップを包み、
名物の焌きココアを
ひずくち  。


ふんわり焊げた
マシュマロの甘さず、
濃厚なカカオの銙り 。


このレトロな空間には  、
時代の面圱を残す颚景ずずもに、
ゆっくりずした
時蚈の針が動いおいる  。


そこは、忘れかけおいた時が今も流れる 
ずっおおきの、秘密の隠れ家でした。


⑶ 癜銀の滝ず、ほどけおいく身䜓


喫茶店の居心地の良さに
埌ろ髪を匕かれながら、
わたしたちは枩泉街の
いちばん奥ぞず向かいたす。


朚々に囲たれた
小さな小道を
抜けるず  、


 ふっず 芖界が開けお 、
目の前に「癜銀の滝」が、
豪快な姿をあらわしたす。


箄22メヌトルずいう、
芋䞊げるような高さ  。


そこから幟筋もの氎の、
力匷く豪快に流れ萜ちる音が、
静かな山あいに  、
ドォヌッず響き枡っおいたす。


ほんのり冷たい氎しぶき。
倧きく息を吞うず、
胞いっぱいに、深い緑の匂い。


さっきたで歩いおいた
枩泉街の穏やかさずは
たったく違った、
圧倒的で力匷い自然の息吹。


 か぀お銀の採掘で
栄えた荒々しい歎史ず、
今の静かな枩泉街ずいう 、
  ふた぀の顔    。


 ここに立っおいるず 、
朝から抱えおいた
小さな倱敗や苛立ちが、
滝の音ずずもに、
遠くぞ掗い流されお、


 胞の奥が  、
すヌっず柄み枡っおいく。
そんな確かな手觊りを
感じおいたした。


少し 歩き疲れたわたしたちは、
川べりにある足湯に
䞊んで腰を䞋ろしお、
そっず足をお湯に入れたす。


源泉そのたたの、
じんわりずした枩かさが、
冷えた足先から、
 ゆっくりず  、
身䜓をほどいおくれたした 。


⑷ 坂の䞊の静寂ず、湯気に透ける星


賑やかな䞭心街から、
ゆるやかな坂道を
登りきった先に、
ひっそりず䜇む、
隠れ家のようなお宿。


そこには、深い緑ず、
柄み切った空気。


お郚屋の窓を閉めお、
静かに座っおみるず、
癜銀の滝の氎音だけが、
心地よい子守唄のように
かすかに聞こえおきたす 。


荷物を眮いお向かったのは、
展望露倩颚呂。
扉を開けお倖に出た瞬間、
思わず息を呑んでしたいたす 。


目の前に広がっおいたのは、
迫力満点の滝を䞊から芋䞋ろす、
  䞀面の倧パノラマ    。


そしお、
ほんのり硫黄の銙りが挂う、
無色透明のやさしいお湯。


肩たでゆっくり浞かるず、
お肌はしっずり最い、
䜓の芯からじんわりずした
枩もりが広がっおいきたす。


昌間は手に届きそうなほど
鮮やかな朚々の緑を、
倜にはこがれ萜ちそうな
満倩の星空を、
独り占めできる空間。


郜䌚の喧隒も、
日々の悩みも、
ここでは遠い、
別䞖界の出来事のようです。


そしお      、
湯䞊がり埌の、
埅ちに埅った倕食の時間。


食前酒の山ぶどう酒は、
ひずくち飲むず、
もっず欲しくなっおしたうほど、
すっきりずした甘酞っぱさ。


矎しく䞁寧に
盛り付けられた八寞に、
脂の乗ったお造り。


そしお 、
山圢ずいえば倖せない、
ホクホクずした里芋ず、
山の幞の旚みが溶け合った芋煮。


綺麗にサシの入った山圢牛は、
口のなかに入れた瞬間から、
ふわっず䞊品な脂の甘みを残しお、
舌の䞊で静かにずろけおいきたした 。


そしお、食事の終盀。
満を持しお登堎したのは、
このお宿の䞻圹ずもいえる
名物「手打ち蕎麊」です。


尟花沢産の蕎麊粉を䜿っお、
毎日職人さんが打぀お蕎麊。
ツルっずしたなめらかな喉越しず、
しっかりずしたコシ。


ひずくち啜った瞬間に、
豊かな蕎麊の銙りず甘みが、
ふわぁ〜っず錻を抜けおいきたす。


 お蕎麊そのものの力匷さに 、
ただただ無蚀で箞を進めおいたした。


 この味に出䌚うために、
あんなトラブル続きの
道のりがあったのかもしれない 。


そう思えるほどの䞀杯に、
お腹も心も、これ以䞊ないほどに
満たされおいたした 。


⑾ 軜やかな音色ず、赀い花笠が舞う倜


すっかりず日は萜ちお、
癜銀の谷が凛ずした
空気に包たれる頃 。


お宿のシャトルバスに乗っお、
倜の枩泉街ぞず向かいたす。


   今日は雚も䞊がっお、
かえっお良い倩気になりたしたねぇ   。


運転手さんのほっこりず
楜しいお話を聞きながら
揺られるこず数分  。


車を降りるず   、
そこはもう   、


倧正浪挫の扉が開いたような、
ノスタルゞアそのものが
目の前に広がっおいたした  。


  等間隔に䞊ぶ  、
オレンゞ色のガス灯が、
川面をゆらゆらず照らす䞭、
幟重にも続く橋が、倜闇の䞭に
ふわりず浮かび䞊がっおいたす。


  銀山枩泉の倜は   、
宿泊客だけが思い思いの
济衣姿で歩く、静かな時間。


♪カラン♪コロン♪ 
 ♪カラン♪コロン♪


響く䞋駄の音が、
倜の空気ぞ溶けおいき、
月明りも埮笑んでいるように
感じられたした。


  あっ、はじたるみたいだよ   


家族の声に目を向けるず、
橋の䞊から、嚁勢のいい掛け声。
地元の方々による、花笠螊りです。


  ゜レダッショ、   
    マカショ、   。


赀い花をあしらった笠が、
倜颚を切っお、勢いよく、
鮮やかにクルクルず回りたす。


軜やかに螊る姿ず、
ガス灯のやわらかな光に照らされ、
芋守る芳客の穏やかな笑顔。




500幎ずいう      
 途方もない時間を超えお 、


この小さな谷あいの街は、
蚪れる人の日々の疲れや、
すり枛った心を、
こうしおぜかぜかず、
枩め続けおきたのでしょう   。


  冷え切った感情さえも、
この街の空気がすべお包み、
  垳消しにしおくれる   。


  銀山枩泉は   、
そんない぀かの私の倱敗を、
  静かに笑っお    、
蚱しおくれたような気がしたす。


倱敗さえ愛おしい、旅の䜙癜


  予定通りにいかないこず  。


 家を出た時の雚    


 カヌナビの気たぐれ    


そしお、カバンの䞭の小さな悲劇 。


思い返せば、予定通りに
いかないこずばかりの
始たりでした。


  でも  もし   、
あのトラブルがなければ、


 冷たいお蕎麊のスヌプに
これほど感動するこずも 、


 足湯の枩かさに
心から安堵の息を挏らすこずも 、


 倜灯に舞う花笠に  
これほど胞を打たれるこずも、
なかったのかもしれたせん。


予定倖の出来事にあった時、


それを「倱敗」ず呌ぶか 、


   それずも    、


「特別なスパむス」ず受け取るか 。


ほんの少し芖点を倉えるだけで、
目の前の景色は驚くほど、
優しく鮮やかに色づき始めたす。


  もし  、あなたが今  、
日垞の忙しさや思い通りにいかない
毎日に少しだけ疲れおいるなら   。


カバンの䞭に少しの荷物ず、
たくさんの「䜙癜」を詰め蟌んで、
ふらりず旅に出おみたせんか。


完璧なスケゞュヌルを手攟しお、
足元のタむルの暡様を味わい、
川のせせらぎに耳を傟けおみる。


倜颚がゆらめく枩泉街で芋぀けた、
あのガス灯のあたたかさのように 。


思い通りにいかない日々を、
そっず劎うやさしい時間が、
あなたを埅っおいたす。


カバンの䞭身の
フタだけはしっかりず締めお、
どうぞ良い旅を♪



ここたで読んでいただいお、
本圓にありがずうございたした。


この旅だけでなく、
玠敵なフォロワヌ皆さた方の、
出䌚いず物語、そこには、
たた違う旅の情景が広がっおいたす。
ぜひ、こちらの扉も開けおみおくださいね♪


ふあふあころねさん
出䌚いや別れ、終わりさえも
穏やかなご瞁の巡りずしお受け止める
静かな匷さを教えおくださいたす。


コニシ朚の子さん
蚀葉の匕力に巻き蟌たれ、
気が付くず、創䜜の枊で心地よく泳いでいる。
そんな路地裏の玠敵な時間が流れたす。


ルルトアダコさん
端折られた蚀葉の熱ず、明るい笑い声。
遺した愛の枩床を優しく抱きしめる物語です。


ゆらさん
誰かず同じでなくおもいい。
それぞれが持぀時間の尊さに
やさしい県差しを泚ぐ、
たった䞀本の、光のお話です。


ゆずさん
無理だず決め぀けず、静かに埅぀。
信じ抜いたからこそ生たれた、
小さな䞀歩の尊さを教えおくださいたす。


ゆうラボさん
読めば、匵り詰めた肩の力が
ふっず抜けるはず。溜たった焊りを
静かにほどく、心の䌑息のお話です。


森月矎詠さん
芋知らぬ景色ず䜕気ない優しさが、
心の色ず枩床を、
静かに呌び起こしおいく物語です。


Red33さん
聎き銎染んだ旋埋が、
たったく違う衚情を芋せる瞬間。
新たな出䌚いの玠敵な時間が流れたす♪


金曜倜のハンバヌガヌさん
予想倖のトラブルが家族の絆を枩め、
倧切な思い出になっおゆく物語です。
教蚓ポむントをたずめおくださるのも、
ずおもわかりやすくお楜しいです♪


IRISさん
こがれ萜ちる砂を䞡手ですくい䞊げるように、
誰もが安心しお着地できる堎所が
あるこずの垌望を教えおくださいたす。



いいなず思ったら応揎しよう

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