霧を晴らす魔法
あら やはり鋭いですね
ですが気がつくのが少々遅かったようです
ちょうど霧の解析が終わりました
戦いしか知らない者は 戦いのための魔法しか覚えられない
わたくし以外の一族の物であれば
この状況は打開できなかったでしょう
魔法が楽しいものだと彼らは知らないでしょうから
「霧を晴らす魔法」
失礼、突然意味がわからないですよね。これは、アニメ『葬送のフリーレン』のなかの、一級魔法使いメトーデ様のセリフである。
(シーズン2 エピソード8 第36話「立派な最期」)
以下、簡潔に説明。
魔法使いのフェルンとメトーデ様が、魔族のヘモン、ゾリーダと会敵する場面。フェルンは、ヘモンの「霧を操る魔法」により視界を阻まれ強みを生かせず苦戦する。そこでゾリーダと相対するメトーデ様が、「ならば魔法の霧が晴れれば戦局が大きく動きますね すこし暴れますか」と呟く。かっこいい。ゾリーダに対し猛攻を繰り広げながら霧を解析。そして冒頭のセリフがあり、「霧を晴らす魔法」。霧が晴れる。
メトーデ様がとってもつよくて素敵で、お声が美しくて、だいすきな場面、だいすきなセリフなのです。Amazon Prime Videoで、この場面だけ何度も繰り返し観た。
この『葬送のフリーレン』というアニメ(原作者:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画)は、勇者一行が魔王を討伐し、世の中に平和が訪れたところから物語が始まる。そのことにわたしはびっくりした。えっ、勇者一行が魔王を倒すための冒険譚じゃなくて? 戦いものの漫画やアニメなら、仲間を集めて強くなってチームの絆が深まっていく過程が描かれそうなものなのに。
勇者一行のひとりである魔法使いのフリーレン(エルフなので長生き)が、勇者ヒンメル亡き後に、ヒンメルたちとの冒険のあとをなぞりながら続ける旅が描かれてゆく。舞台が北部高原に移ってからは戦いの場面が増えるが、それまではのんびりとした場面が多く描かれる。
フリーレンは千年以上生きている強い魔法使いなのに、「花畑を出す魔法」や「甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法」、「早口言葉を噛まずに言えるようになる魔法」、「パンケーキを上手にひっくり返す魔法」といった戦いには役に立たない魔法を喜んで集めている。魔法を報酬として得られるのなら、どんなに時間と労力がかかっても引き受ける。
――なぜなら
「私の集めた魔法を 褒めてくれた馬鹿がいた それだけだよ」
褒めてくれた馬鹿、それが、ヒンメルたちなのである。
フリーレンにとって、魔王討伐という大偉業よりも、ヒンメルたちとのたった10年間の楽しくてくだらない旅の思い出が、何よりも大切なのだ(ということに気づいていく)。結果よりも、過程が。だから魔法を集める道中を、楽しむ。
メトーデ様にとっても「魔法は楽しいもの」。楽しんでいたことが、状況を打開する決め手になったのだ。かっこいい。「霧を晴らす魔法」をつかうときに微笑んでいるのもかっこいい。
何が役に立つかなんて、何が正解かなんて、そんなのわからない。より道、道草、遠回りを楽しむこと。無駄のような、くだらないような時間を。それが、何年経っても色褪せないきらきらした思い出になるから。思い出すのはきっと、そんなようなことだから。大葉とエゴマを間違えて買っても。息子がほっぺたを膨らませながら電信柱にしがみついて動かなくなっても。
日々にいっぱいいっぱいでも、イライラすることがあっても、ちゃんと味わう。そして楽しいことを見つけにいく。心動くほうへいく。人間のみじかい一生を、自分ですばらしい毎日にしていく。
そんなことを、わたしは『葬送のフリーレン』を観て感じている。

見出し画像は、数年前に霧ヶ峰で撮った写真。霧ヶ峰ではほんとうに名前の通り、早朝に幻想的な霧が立ちこめていた。今のわたしがこんな美しい風景を目にしたら、ここぞとばかりにエリルフラーテ……と決めポーズをとってしまうだろう。
「#エッセイしりとり」に参加させていただきました。
しりとりを繋いでくださったのはfumimamaさん。お陰でこの企画を知りました。ありがとうございました!
「子育て中の山好きさんで、透明感ある写真と自然な明るさのある文が好き」とご紹介くださって嬉しかったです……。
タイトルの最初の一文字指定で書くのは初めてだったので、どうしようかなあと悩みました。ふだん書いていることを書いて、むりくりタイトルを寄せようかな。最初の文字は「き」だから、「きっと」とか「きみ」とかにしてしまえばどうとでもなるかな。と。
しかし「霧が晴れる魔法」が浮かび、推しアニメについて書くことにしました。推しについてはふだん書かないのですが、楽しい。めっちゃ楽しい……。そんなわけで自己満な記事になってしまいましたが、主催者さま、fumimamaさん、面白い機会をいただきありがとうございました!
しりとりのバトンは、エルザスさん、よかったら受け取ってくださいませんか。
・「似合わない着物を選ぶ君が好き」→「霧を晴らす魔法」→「う」で始まるタイトル
・「#エッセイしりとり」のタグをつける
・企画は8月31日まで
・書かなくてもいいし、バトンを止めてもいいみたいです!
エルザスさんは、育児日記を書かれているパパさんです。エルザスさんのnoteを読むと、お子さんのかわいらしさに頬が緩んでしまうのはもちろんのこと、親として考え学び成長してゆこうとする視点があり、考えさせられるしわたしも頑張ろうと励まされます。
ぜひ読んでみてください!
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