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近現代文学の日英翻訳(5)「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ」 と幽かな叫び声をおあげになった。」

(↑のつづきです)

太宰治の『斜陽』(The Setting Sun)の出だしです。

以下、訳文(サイデンステッカー訳)です。

Mother uttered a faint cry. She was eating soup in the dining-room.


「お母さまが、「あ」と幽(かす)かな叫び声をおあげになった。」は、Mother uttered a faint cry. となっています。

「かすかな叫び声」はa faint cryです。

「スウプを一さじ、すっと吸って」は、eating soup です。

英語では、soupはeatします。

soupには、かたちがないので、複数形になりません。

「あ」といった間投詞や、「すっと」といったオノマトペは、訳されていません。

というよりも、訳しようがないのです。訳すと、英語になりません。

食べることと叫ぶことの順序は逆になっており、「朝」も訳されていません。でも、

Mother was eating soup in the dining-room in the morning. She uttered a faint cry.

などと訳されていたら、かなり間抜けな感じがしますね。

私などが訳すと、ほぼ間違いなくこうなってしまいますが。

このあと、その続きについても、みてみます。

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