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国宝5、重文145をもつ意外な名所|相国寺承天閣美術館「後水尾院の京」

【#363、約4,200文字、写真約45枚】
京都府にある相国寺承天閣美術館(以下、相国寺美術館)に初めて行き「後水尾院の京」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

▶︎ 結論

相国寺美術館は、結構オススメだと思いました!それは主に、1)国宝5点、重要文化財145点と、ハイクラスな収蔵品!、2)重要文化財の法堂も必見!、3)紅葉の季節は庭園が美しいためです。是非、京都御所や同志社大学の見学とセットで訪問してみてください☺︎

留意点は、スリッパがないこと😨

おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:後水尾院の京
場所:相国寺承天閣美術館
会期:Ⅰ期 2026年5月31日(日)〜7月26日(日)、Ⅱ期2026年8月2日(日)〜9月27日(日)
休館日:無休
開館時間:10:00~17:00
住所:京都府京都市上京区今出川通烏丸東入
アクセス:今出川駅から徒歩約5分
入場料(一般):1,000円
事前予約:ー
所要時間:約1時間
撮影:すべて不可
URL:こちら


▶︎ 訪問のきっかけ

過去、京都の美術館を調べた際、同志社大学の横に美術館があることを知り「いつか行きたい美術館リスト」に入れていました。そして今回、京都に行く用事ができたため、訪問しました。

▶︎ アクセス

今出川駅と同志社大学は、地下で直結

相国寺美術館へは、今出川駅から徒歩約10分。同志社大学に隣接する相国寺の奥にあります。

同志社大学 今出川キャンパス

同志社大学は私の母校なので、今回は大学も寄りたいと考えていました。酸いも甘いも凝縮された今出川キャンパスです。

訪問当時は、テスト期間が終わっていたため、校内は比較的閑散としていました。

明徳館
クラーク記念館(重文)
弘風館
寒梅館

▼ 寒梅館7階のレストランは、記念日にオススメ!

生協でコップを購入

同志社大学と同志社女子大学の間の道が、相国寺につながっています。私は今出川キャンパスに2年間通いましたが、1回もここを通りませんでした(苦笑。

看板に薄く「相国寺」の文字

大学生の頃、私はアートに1mmも興味がなかったです(況や仏教美術をや)。そんな私が、アートを理由に帰ってくるとは、趣深いです。

「パパジョンズ」近くからも相国寺に行けます

▶︎ 相国寺とは?

✔️ 相国寺派は臨済宗で5位

相国寺は、臨済宗相国寺派の大本山。臨済宗には11の宗派があります。鎌倉時代、中国から禅宗が日本に伝わると、多くの僧が中国へ渡り、それぞれの師匠のもとで修行しました。そして、師匠から学んだ禅宗を日本で実践し、⚫︎⚫︎派として、独立運営するようになったそうです。

一方で、同じ禅宗の曹洞宗は、道元が中国から禅を伝えに来日し、永平寺を開きました。そして、そこから普及していったため、宗派は分かれませんでした。

臨済宗の中で、相国寺派は中規模クラス(5番目)。相国寺派の寺院数は日本に約100。最も規模が大きいのは、妙心寺派です。全国に約3,300の寺院があり、臨済宗寺院の半数以上を占めます。

これからお寺を回る時、「宗派」も要チェック

✔️ 相国寺は金閣・銀閣の親分

相国寺派の強みは、山外塔頭(離れた場所にある塔頭たっちゅう)として、鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)をもつことです(ともに世界遺産!)。塔頭とは、本山の中にある独立した小さなお寺です(それぞれに住職がいる)。

  • 金閣寺(1397年):3代将軍・義満が権力自慢のために建てた山荘

  • 銀閣寺(1482年):8代将軍・義政が東山文化発信のために建てた山荘

また、相国寺は、京都五山では第2位とされています。
別格:南禅寺(亀山天皇が建てた)
1位:天龍寺(室町幕府初代将軍・足利尊氏が建てた)
2位:相国寺(室町幕府3代将軍・足利義満が建てた)
3位:建仁寺
4位:東福寺
5位:万寿寺

相国寺の枕詞として「臨済宗の中で中規模」ではなく「京都五山で第2位!」と言い続けられるのは強いですね。

臨済宗で最大規模の妙心寺は京都五山制度ができた後にスタート(そのため、京都五山に含まれない)。幕府に縛られず、地方へ拡大する方針をとったため、現在のポジションを確立したようです。政府の枠でチマチマやるのではなく、民間なりに志高く継続した結果でしょうか。

✔️ 相国寺=「左大臣」寺

《足利義満像 飛鳥井雅縁和歌賛》(重文)(画像引用

1382年、足利義満が室町幕府の力を国内外に示すために、相国寺を建てました。当時の義満は左大臣。左大臣・右大臣の中国風の呼び名を「相国」と言ったため、お寺の名前は相国寺になりました。

なお、正式名称は、萬年山相国承天禅寺と言います。萬年山が山号、相国承天禅寺が寺号です。

中国では、多くの禅寺が山中に建てられました。中国先輩を真似して、日本で平地に建てられたお寺にも、山号をつけるようになったそうです。「承天」とは、「天命をける」という意味で、禅寺でよく使われる格式高い言葉です。

✔️ 4回焼けた法堂

当日、法堂は拝観できず

相国寺の法堂は、合計4回焼けており(2回は失火、2回は戦)、現存するのは5代目です。櫛風沐雨の末、再建された法堂(1605年)は、日本最古であることに加え、重要文化財に指定されています。

天井には、狩野光信筆の《ばん龍図》

「何回建て直すねん」と思いましたが、最初に建ててから約650年で4回しか再建していないのは、むしろスゴイ!

▶︎ 相国寺承天閣美術館とは?

1984年、相国寺承天閣美術館が創建600年記念事業としてオープン。金閣・銀閣からも美術品を受託し、国宝5点、重文145点を含む、中近世の文化財(墨蹟・絵画・茶道具など)を多数所蔵しています。

▼ 国宝5点

  1. 無学祖元墨蹟《与長楽寺一翁偈語》(禅僧の書)

  2. 《夢窓疎石墨跡》(同上)

  3. 《円通大応国師墨蹟》(同上)

  4. 玳玻散花文天目たいひさんかもんてんもく茶碗》(中国の名碗)

  5. 文正《鳴鶴図》(中国の名画)

相国寺のお坊さんと友達だった伊藤若冲(1716~1800)の作品も、相国寺に多く残されています。2021年に国宝に指定された《動植綵絵》は、もともと相国寺に収蔵されていました(1889年、廃仏毀釈の煽りで困窮した際、皇室へ献上)。

▼ 皇居三の丸尚蔵館の感想

なお、相国寺美術館では、靴を脱いで入館します。それは珍しくない形式ですが、なんとスリッパがない!これは初めての経験でした。絨毯の上をスリッパなしでは、爪先に力を入れないと歩けないため、しんどかったです。コロナの名残かもしれませんが、(観覧者の多くは年齢が高めですし)スリッパは絶対にあった方がいいです!

紅葉はきっとキレイ!

▶︎ 「後水尾院の京」感想

近世になり、復興に尽力する僧侶たちに手を差し伸べたのが、寛永文化の主導者、後水尾院ごみずのおいんでした。(略)当時の公家社会と密接な関係を築いた相国寺とその塔頭には、多くのゆかりの什物が残されています。十七世紀の京を彩った華麗な文化を今に伝える寺宝の数々を展示室でご覧ください。

公式サイトより

後水尾天皇(在位:1611年〜1629年)は、108代目天皇。1596年生まれ、1680年没(享年85歳)と、当時にしては驚くほど長生き

展示室内には常に1、2組いる状態でした。その中で、フレアデニムをはいた女子高生2人組がいました。彼女たちは、私よりも長く滞在し、作品に色々とツッコミながら楽しく鑑賞している様子でした。この種類の展覧会を楽しめる度量の深さにちょっとびっくり。

作品は全102点。ほとんどにキャプションがついていましたが、気になるものだけ読んで、サクッと鑑賞しました。なお、館内はすべて撮影禁止

展示のほとんどが相国寺の収蔵品ですが、第2展示室では、金閣寺の大きな模型をはじめ、金閣・銀閣の収蔵品も多く展示されていました。当日は「なんで金閣・銀閣の作品がここに?」と思いましたが、色々調べた今では納得です。

以下、気になった作品です。

✔️ 第一展示室

中央:狩野探幽《観音図》 、左右:狩野尚信・安信《猿猴図》(画像引用
狩野3兄弟による作品。
猿の顔が、やなせたかしタッチでかわいい
狩野洞春《中維摩居士左右雲龍図》(画像引用
龍がかっこよ!

✔️ 第二展示室

伊藤若冲《三之間床貼付 月夜芭蕉図》(重文)(画像引用
伊藤若冲《一之間床貼付 葡萄小禽図》(重文)(画像引用

それぞれ、金閣寺にあった大きな金屏風50面のうちの1つ。横幅約2畳分もあります(よう運んできましたなぁ…)。

《色紙短冊貼交屏風》(画像引用
冷蔵庫にたくさん貼り付けたチラシみたいに見えました(笑

以下の金屏風2つは、特に印象に残りました。

俵屋宗達《蔦の細道図屏風》(重要文化財)(画像引用
現代アートの趣も感じるシンプルかつインパクトがあり、見飽きないデザイン。
この作品は展示全体の中で一番お気に入り!
長谷川等伯《萩花図屏風》(画像引用
川端龍子が描きそうなモティーフ

▼ 川端龍子の展覧会

野々村仁清《梅花紋大壺》(画像引用
チェック柄がオシャレ!

▼ 野々村仁清の国宝壺があるMOA美術館

本阿弥光悦《赤楽茶碗 加賀》(重要文化財)(画像引用
侘び寂びぃ!

全体を通して、ストーリーは薄かったものの、こんなにたくさんの貴重な収蔵品があるのはすごいです。これを秘蔵するのはもったいない。美術館で公開するのは、大正解だと思いました。

また、疑問に思ったことを調べながら書いていると、頭に若干でも定着します。美術館と同様に、お寺も、このような方法で今後も記録を残すと、自分の世界が広がると思いました。

次の展覧会は人気が出そう

▶︎ まとめ

買ったポストカード
俵屋宗達《蔦の細道図屏風》

いかがだったでしょうか?みんな大好きな伊藤若冲の作品をはじめ、貴重な作品にたくさん出会えたため、意外にオススメな美術館だと思いました。法堂を拝観できたり、紅葉を見られる季節は格別だと思います。訪問するときは、是非、同志社大学とセットで!相国寺のほか、お寺に関連するオススメ美術館があれば教えてください☺︎

▶︎ 次回予告

次回は、今治市伊東豊雄建築ミュージアム(愛媛県)で開催中の「再び、大三島を元気にしよう!」などの感想を投稿する予定です。

▶︎ 今日の美術館飯

★3.3/パパジョンズ 今出川本店 (京都府/今出川駅) ー ニューヨークチーズケーキ (¥680)、カフェラテ (¥700)

▶︎ あなたにオススメ3選

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