【🎨展覧会レポ】李禹煥美術館+直島の屋外アートたち
【#304 、約3,800文字、写真約40枚】
香川県・直島にある李禹煥美術館に初めて行きました。その感想・レビューを書きます。また、私が出会った、直島の屋外アート11個も紹介します。
▶︎ 結論
地中美術館などとセットで訪問しておきたい美術館でした。それは主に、1)李禹煥の作品をまとめて鑑賞できる貴重な機会が得られる、2)安藤忠雄x自然x作品が美しく調和していたためです。また、直島の屋外アート巡りも楽しかったです!その際は、電動自転車のレンタルがオススメ!
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★☆☆☆
場所:李禹煥美術館
休館日:月曜日
開館時間: 10:00 ~ 17:00
住所:香川県香川郡直島町 字倉浦1390
アクセス:宮ノ浦港から自転車で約30分
入場料(一般):1,200円
事前予約:予約がベター
所要時間:約1時間
撮影:館内はすべて不可
URL:こちら、こちら
▶︎ 訪問のきっかけ

訪問の主なきっかけは2つ。1)地中美術館から地理的に近かったため、2)李禹煥の作品は至る所で見たことがあったものの、個展に行ったことがなかったためです。
▼ 同日に訪問した地中美術館、直島新美術館
▶︎ アクセス

李禹煥美術館へは、宮ノ浦港から自転車で約30分。地中美術館からは、自転車で約5分です。非常にアップダウンが激しい山道にあるため、港から歩いていくのは体力的にオススメしません。李禹煥美術館のすぐ向かいには「ヴァレーギャラリー」(設計:安藤忠雄)もあります。

▶︎ 李禹煥美術館とは

現在ヨーロッパを中心に活動している国際的評価の高いアーティスト・李禹煥と建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館です。半地下構造となる安藤忠雄設計の建物のなかには、李禹煥の70年代から現在に到るまでの絵画・彫刻が展示されており、安藤忠雄の建築と響きあい、空間に静謐さとダイナミズムを感じさせます。
屋外、屋内を含めて、作品数は20以下と比較的小規模な美術館でした。
✔️ 李禹煥とは?

1960年代後半から「もの派」と評される現代アートの動向の中で中心的な役割を担ってきた李禹煥。李禹煥美術館の作品は、静かに繰り返される呼吸のリズムにのせて描かれた筆のストロークの平面作品や、自然石と鉄板を組み合わせ、極力つくることを抑制した彫刻作品など、空間と融合した余白の広がりを感じさせる代表作です。
様々な美術館で目にする李禹煥の作品。戦後の「もの派」をけん引したことで、アート界隈では重要なポジションにいる人物だと思います。
出身は韓国。ひょんなことから日本に密航。韓国に帰る予定だったものの、帰れなくなります。新宿のギャラリーでアルバイトをした時にピンときて、アートの道へ。人間万事塞翁が馬的な人生を歩んでいるようです。
▼ 李禹煥の出自がよくわかる記事
2022年、「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」が開催されました。私は当初、興味がありませんでした。しかし、訪問した人の感想や写真を見る度に、何となく興味が出始めました。そして「行ってみようかなぁ」と思った頃には終わってしまいました😨
李禹煥作品は、単体で見ても掴みどころがありません。この手のアーティストは、個展を通して、背景を理解しながら体系的に作品群を鑑賞することで、気づきがやっと得られることが多いです。今後、李禹煥の個展があれば、行ってみたいです。
「日本も韓国もアニミスティックというか、生物も無生物もいろんなものが共にある、そういう発想が旅行や仕事で走り回っているうちに少しずつ身について、特定の民族だの国家だの、そういう小さなことに縛られず、しかし、そういうものを引き入れながら周りと共にあるという考えが身についていった。」
✔️ 屋外作品

屋外に設置されている作品は、無料で楽しめます。特に《無限門》は圧巻。ここの原っぱでお弁当を食べたり、のんびりする外国人が多くいました。


2019年に新設










✔️ 屋内作品

受付を抜けた先にも、屋外作品が若干展示されています。地中美術館と同様、安藤忠雄による圧倒的なスケールの壁により、独特の世界観がつくり出されていました。
李禹煥の作品は、コンクリート空間と相性がいいと思いました。ホワイトキューブ的な空間(グレーキューブ?)の無機質なコンクリートの壁自体が「もの派」による作品にも見えてきました。

自動ドアをくぐった先の館内は、急に一般的な美術館的空間になるため、その落差に若干戸惑いました。
館内には「李禹煥とは誰か?」をはじめ、キャプションは何もありません。さすが「もの派」の中心的人物。私はこの時初めて、李禹煥の作品群とじっくり向き合いました。
設置している作品は、李禹煥の絵画作品や大きな石の作品のみ。中には、キャンバスに「チョン」が1つだけの意欲的な作品もあり、どでかい石の作品とのギャップに少し笑ってしまいました。最後の「瞑想の間」という靴を脱いで入る部屋には、李禹煥が壁に直接描いた作品が並んでいました。
日本の「具体派」に比べると、李禹煥の作品は、スマートでシュッとしている印象を受けます。韓国といえば、儒教と関わりのある青磁・白磁。李禹煥の作品にも、そんなルーツと関連しているのかな、と思いました。
▼ 韓国で見た磁器の展覧会
李禹煥美術館の展示室内は、DIC川村記念美術館の2階と似ている雰囲気を感じました。
館内の通路は細い割に、作品は搬出入が難しそうな大ぶりのものばかり。地中美術館と同様、ほぼすべての作品が恒久展示なのでしょうか。
また、館内はすべてがコンクリートで覆われているのではなく、たまに天井がガラスになっているため、外の様子が小さく見えます。その窓の小ささがかえって、自然の感覚を最大化しているように感じました。

館内にいると、入場者が自動ドアを開けるたびに、蝉の「ミーン、ミーン、ミー…(ドアが閉まる)」という声が聞こえてきます。そんな自然のBGMもどこか心地良かったです。蝉の声によって、李禹煥の作品もまた変わって見えてきました。
作品と建物が見事に融合していたため「李禹煥と安藤忠雄がしっかり話し合いながら美術館を設計したのかな」と思いました。
なお、最後の作品まで見て「え、これで終わり…?」というボリューム感。1,200円の入館料は「うーん、なるほどなぁ」的な価格でした。また、作品が展示しているスペース内に、看視員はほぼいませんでした。
▶︎ 直島の屋外アートたち

直島内にはさまざまな場所に屋外作品が設置され、そのほぼすべてが無料。ただし、島内に点在しているため、すべてを回る場合は、車か自転車がマストです。
✔️ 直島港付近

建設費4,914万円
✔️ 宮ノ浦港付近

フェリー乗り場付近の大人気スポット


大阪万博の大屋根リングも手がけた藤本壮介
✔️ ベネッセハウス付近

ベネッセハウスという宿泊施設内に作品が点在しています。なお、宿泊者以外も見ることができます。







ベネッセハウスから少し離れた場所にある三島喜美代の作品。これが、私の一番見たかった屋外作品でした。この作品だけ僻地に設置されているため、意外と知られていない存在です。

でかい…!
三島喜美代は大阪出身で、いい感じの関西人です。人となりも、作品に込めた思いも、作風も全部が好きです。三島喜美代は2024年に亡くなりました。しかし、作品はひっそりと直島にあり続けます。それも巨大なゴミの形で。このアイロニカルなメッセージが三島喜美代らしいです。
作品の近くに「ゴミ・空きカンを捨てないでください」という看板がありました。「この看板も作品かな?」と思うくらい、三島喜美代の作品とのコラボレーションが強烈にシュールだったため、一人で笑ってしまいました😙

▶︎ まとめ

李禹煥《無限門》
いかがだったでしょうか?地中美術館やベネッセミュージアムに訪れた人はマストで寄っておきたい美術館でした。李禹煥の作品をまとめて見られることが少ないことに加え、その作品群と安藤忠雄の世界観がベストマッチしている点が良かったです。また、直島の屋外アートを巡ること自体が楽しかったです。是非、電動自転車をレンタルして島内を走り回ってください!
▶︎ 今日の美術館飯


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