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【🎨展覧会レポ】東京都写真美術館「出光真子 おんなのさくひんーある映像作家の自伝」「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2026」

【#349、約4,900文字、写真約50枚】
東京都写真美術館で「出光真子 おんなのさくひんーある映像作家の自伝」「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2026」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

▶︎ 結論

両展覧会ともに、行って損がない展覧会でした。ビデオ・アートの先駆者である「出光真子展」では、映像作品に対する自分のスタンスを再確認できました。空間演出はおしゃれで楽しかったです。「ソニーアワード」は、入場料が無料!200カ国、43万点から選ばれた優秀作品からは、社会勉強、写真勉強にもなって、大変お得でした!

おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:①出光真子 おんなのさくひんーある映像作家の自伝、②ソニーワールドフォトグラフィーアワード2026
場所:東京都写真美術館
会期:①2026.6.18 (木) — 9.21 (月・祝)、②2026.6.20 (土) — 7.20 (月・祝)
休館日:月曜日
開館時間:10:00~18:00
住所:東京都目黒区三田1-13-3
アクセス:恵比寿駅から徒歩約5分
入場料(一般):①700円、②無料
事前予約:ー
所要時間:①約1時間、②約30分
撮影:①2作品以外可能、②すべて可能
巡回:①なし、②ロンドン(Somerset House )→ミラノ(Museo Diocesano Carlo Maria Martini)→東京(東京都写真美術館、Sony Imaging Gallery Ginza)
URL:①こちら、②こちら


えびすどろんこ山プレーパーク

▶︎ 「出光真子 おんなのさくひんーある映像作家の自伝写美」感想

出光真子(1940–)は、日本における実験映画およびビデオ・アートの先駆的な作家です。1960年代にアメリカ滞在を経て制作を始め、女性の生き方や家族、メディアと社会の関係を主題に、フィルムや当時のビデオを用いた作品を発表しました。(略)本展は、出光の創作活動の全貌を振り返る大規模な回顧展です。当館で収蔵する全作品を、展覧会と上映により網羅的に紹介します。

公式サイトより
写真撮影は2つを除いて可能

ビデオ・アートの先駆者らしい出光いでみつ真子まこ。私は彼女の名前を知りませんでした。

《おんなのさくひん》
展覧会のメインであり、彼女の初映像作品
《女たち》
テレビも含めて保存するのは大変そう

会場に展示されている作品は、動画28点、資料1点。写美では珍しく、ほぼすべてが動画作品。全体的にシュールな作品、ジェンダーを扱った作品が多かったです。どの作品も約10分。すべてを見ようと思ったら、約280分(約5時間)かかります😨

《シャドウ パート1》
モジモジくんが合成されたシュールな作品

さまざまな展覧会でも、映像作品の数は意図的に絞っていると思います。展覧会に動画作品があっても、私は鑑賞に気後れしてしまいます。その理由は主に3つ。

《Woman's House》

理由1)コストがかかる

展覧会では、限られた時間の中で、たくさんの作品を見ます。絵なら、すぐに「この作品は好み/好みでないか」がわかります。その判断に時間がかかる映像作品は、絵画作品などに比べてコストがかかります。

理由2)最初から見たい

動画は絵画と違って、最初から最後までにストーリーがあります。そのため、途中から見ても、作者の意図が伝わりづらいです。できれば最初から見たいですが、巻き戻しできないため、途中から鑑賞するのに気持ち悪さがあります。

《清子の場合》/《加恵、女の子でしょ!》
でかいブラウン管の作品

理由3)しんどい&ペースが乱れる

作品の前に「よいしょ」と座って、ヘッドホンをして、じっくり向き合うのは、身体的に面倒です。絵画なら、歩きながらスンスン鑑賞できるものの、動画作品を一つひとつ鑑賞するのは、鑑賞ペースが乱れます

上記の理由から、この展覧会を通して「私はビデオ・アートが苦手やなぁ」と改めて感じました。動画作品を見るなら、私は映画館のように作品に100%向き合って鑑賞したいです。なお、出光真子の作品自体から、具体的な学びはあまり得られませんでした

《たわむれときまぐれと》/《ざわめきの下で》
立ちながら見る人も多い

この展覧会で、ほとんどの作品にヤマハやBOSEのペンダントスピーカを使用しているのは、ありがたかったです。ヘッドホンを「よいしょ」とかける必要がないだけでも、鑑賞のハードルがグッと下がりました。私は、ヘッドホンを見ただけでも、鑑賞する優先順位はかなり下がります

《At Any Place:ヨネヤマ・ママコ作「主婦のタンゴ」より》
特殊な展示構成(画像引用

会場構成は四角四面ではなく、丸みを帯びた不規則な形状で、カーテンで仕切られていたのは興味深かったです。

《Real?Motherhood》

作品の性質上、カーテンで完全に覆っている部屋があります。しかし、その入り口がわかりづらいため、作品が設置されていることに気づかれないのは、もったいないと思いました。

《Still Life》
男性器がはっきり映っている作品もあり〼
「精神的に負担を感じる可能性」=鳥の首を包丁で切るシーン?
この作品はアーティスティックで良かった

会場を出たところに出光真子の略歴がありました。出光真子はサムフランシスの奥さんだったとは!変なバイアスが入らないように、会場の冒頭ではなく、最後に書いてあって良かったです。

謝辞に、息子のフランシス真悟もいる
ニァイズ 176号

また『ニァイズ』を読んで知りましたが、出光真子は、出光興産創業者・出光佐三の四女だったとは!

▼ 出光美術館の感想(現在、閉館中)

出光真子は、1960年代に渡米、サムフランシスと結婚。二児の母となるも、家事と育児に煩労し、自分を見失いそうになった彼女は、自信を解放するために創作活動を始めたそうです。そのようなエネルギーを作品制作に捧げるのは、ルイーズ・ブルジョワと共通していると思いました。

▶︎ 「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2026」感想

国際的な写真賞である「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2026」の受賞作品を紹介する展覧会です。(略)世界各国の写真家による多様な視点と、現代写真の国際的な潮流を紹介いたします。

公式サイトより
すべて撮影可能

「ソニーワールドフォトグラフィーアワード」は、写真文化の継続的な発展への貢献を目的に、2007年よりソニーが支援する世界最大規模の写真コンテストです。

2026年度のアワードには、200以上の国と地域から43万点を超える作品が寄せられたそうです。応募は無料、資格も不要。撮影する機材はソニー製である必要もありません。

この展覧会は入場も無料!しかし、会場が地下であることに加え、アピールが足りないため、観覧者の姿はまばらで、ひっそりしていました。

1階エントランスのポスターに、ドンキホーテで貼ってあるようなPOPで「無料!」と貼ったり、エントランスのスタッフが「地下1階の展覧会は無料ですぅ」と、アパレルスタッフのように声出しで伝えると、展覧会の成果を最大化できると思いました。

無料の展覧会をアピールするイメージ

世界中の43万点から絞り込まれた作品は、クオリティが高く、ジャンルもバラバラだったため、楽しかったです。また、それぞれの作品には社会問題も含まれていたため、勉強になりました。まるで、写美で開催された「プリピクテ」のような内容だと感じました。

以下、気になった作品を紹介します。

Joy Saha《Homes of Haor》
モンスーンで水没寸前の村。
すごいところに住んでるなぁ…
来栖はやて《Living Photographs》
右に寝ているのは、妊娠18週で死産した子ども…
Benjamin Pawlica《Fairy Mushroom Sporulations》
フランス人の作品。
外国人ってこういうパキッとした写真好きそう
María Fernanda García Freire《Study on Flying》
メインビジュアルに選ばれた、エクアドル人の作品
Seungho Kim《Sunny Side Up: A Portrait of the Most Average K-Parenting Today》

私は、この梅佳代的な作品が最も印象に残りました。日本人の写真家かな?と思ったら、韓国人の作品でした。子ども、ポメラニアン、目玉焼き…「日常系でほんわかするなぁ」と思ってキャプションを見てみると…

韓国は岐路に立っている。2023年、同国の出生率は女性一人あたり 0.72人という過去最低を記録した一方、600万世帯以上が犬を家族として迎えている。子どもを持つか、ペットと暮らすかという選択は、皮肉な現実となっている。しかし本シリーズの写真家は、その両極を「人生という熱いフライパンの上に」並べることを選んだ。 これらの写真は彼の「目玉焼き」である。すなわち、これから始まる K-子育ての世界の、繊細で、繊細で、生き生きとして、混沌としながらも美しい記録である。

作品のキャプションより

ほんわか写真の裏側には、韓国の社会的な少子化問題が含まれているとは、思いもよりませんでした。私は去年、初めて韓国に行った際、以下の感想を残しています。

不思議だったのは、街に子どもがいなかったこと。地下鉄でも子どもやベビーカーが皆無でした。韓国では子どもの数が少ないため、子どもに優しいという側面もあるのかもしれません。

私のnote投稿より

2025年、韓国の出生率は女性一人あたり0.80人という世界最低水準です(日本は1.14)。

韓国の出生率が低い理由は、1)住宅価格が高い、2)教育費用が高い、3)仕事と育児が両立しづらい、4)結婚する人が減少している、5)家父長制への反発といった価値観の変化などが指摘されています。

子どもが産めないから犬を飼うことには、コスト面など一定の因果関係があると思います。現在、K-Cultureは世界で高く評価されています。しかし、人口が圧倒的に減少するのであれば、文化を残せない危機だと思いました。

Brian Mena Laureano 《Between Clouds and Mountain》
メキシコ人の作品。
角を使う展示方法は作者の指示なのかな…
Irina Werning《Roda Polo》
アルゼンチンでは、電動一輪車に乗るポロが人気らしい。
写真を通して、世界中の文化を知って勉強になる
Seamus Murphy《Strange Love》
アイルランド人の作品
ユーモアがきいていて好きな作品群
Todd Anthony《Buzkashi》
英国人によるタジキスタンで撮影した、大きく雄雄しい作品。
写真の内容は、ボール代わりに内臓を抜かれ、首を切り落とされたヤギの死骸を使うポロのような競技(ブズカシ)とシュール
Robby Ogilvie《Colour Divides》
サンフランシスコのカラフルな街並みだと思ったら、南アフリカでした(英国人の作品)
Persia Campbell《Liminal Spaces》
こっちのカラフルな世界はメキシコ
高級ホテルに、こういうパキッとした写真ありがち
Santiago Mesa《Under the Shadow of Coca》
コカの実を栽培する農村(コロンビア)

▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?2つの展覧会とも、行って損はない展覧会でした。「出光真子展」は、すべてが動画作品。作品自体から気づきは少なかったものの、動画作品への向き合い方を改めて考えるきっかけになりました。「ソニーアワード」は、たくさんの高いクオリティをもつ作品を無料で見ることができ、社会勉強にも写真勉強にもなりました。

▶︎ 次回予告

次回は、岐阜県にある「子ども陶器博物館」の感想を投稿する予定です。

▶︎ 今日の美術館飯

★3.2/東京ボンベイ 恵比寿本店 (東京都/恵比寿駅) ー チキンカレー (¥900)

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