【🎨展覧会レポ】紅ミュージアム「愛せよコスメ!リターンズーおかげさまで200周年ー」ほか
【#330、約3,700文字、写真約55枚】
初めて紅ミュージアムに行き「愛せよコスメ!リターンズーおかげさまで200周年ー」や常設展を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。
※ 本展覧会の会期はすでに終了しています。
▶︎ 結論
化粧の歴史、紅、伊勢半・キスミーの商品、広告など、楽しみながら知ることができる美術館でした(特にお歯黒の説明が印象的)。表参道駅から歩いていける立地にあることに加え、入館料は200円と非常にお安いです。表参道に行った際、意外なお出かけスポットとしてオススメです💄
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★★☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:伊勢半グループ創業200周年記念企業史展「愛せよコスメ!リターンズ ーおかげさまで200周年ー」
場所:紅ミュージアム
会期:2025年6月25日(水)~ 9月28日(日)
休館日:上記期間のみ毎週月・火曜日(通常の休館日は、日曜日・月曜日・7月7日・年末年始)
開館時間: 10:00 - 17:00
住所:東京都港区南青山6丁目6−20 K's南青山ビル
アクセス:表参道駅から徒歩約12分
入場料(一般):200円
事前予約:ー
所要時間:約1時間
撮影:ほぼすべて可能
巡回:ー
URL:こちら
▶︎ 訪問のきっかけ

訪問のきっかけは2つ。1)表参道に用事があったついで、2)國學院大學博物館に行った際に「紅ミュージアム」の存在を初めて知り、興味をもったためです。
▶︎ アクセス

紅ミュージアムへは、表参道駅から徒歩約12分。骨董通りを真っ直ぐ進むルートがわかりやすいと思います。近所には、ヨックモックミュージアムもあります。

「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」
言葉が長くて頭に残らない
紅ミュージアムの入り口はビル1階の角。遠くから見ると、営業しているのかわからなかったため、不安でした。


▶︎ 紅ミュージアムとは?

紅ミュージアムは、江戸時代から続く最後の紅屋「伊勢半」が運営する資料館です。文政8年(1825)の創業時から今日まで受け継いできた紅づくりの技と、化粧の歴史・文化を数々の資料とともに公開しています。
キャッチコピーは「紅と化粧の歴史・文化を知るミュージアム」。常設展示の1階と、企画展の地下1階で構成されています。ロッカーはコインレスで便利。観覧料は200円と安価でした。



▶︎ 伊勢半とは?

文政8年(1825)、江戸時代後期に、伊勢半は紅を製造・販売する紅屋として現在の日本橋小舟町に創業しました。(略)初代・澤田半右衛門は(略)主流であった京都製の紅に劣らぬ玉虫色の紅を完成させました。(略)秘伝の製法は歴代の紅匠(紅職人)に受け継がれ、また、もの作りに対する真摯な姿勢は、今日に至るまで伊勢半グループの商品に息づいています。

伊勢半は、元々「紅屋」でした。1946年に発売した「キスミー特殊口紅」が大ヒット。そこから、化粧品メーカーに舵を切ります。現在は、4つのセグメントで経営しています(売上高は非公開)。


私は、紅ミュージアムで「キスミー」を初めて知りました。中でも「ヒロインメイク」は、@COSMEのベストコスメアワード2025で、3部門を受賞するなど、世の女子たちに有名なブランドみたいです。

▶︎ 常設展 感想

常設展では、紅や化粧の歴史が説明されていました。なかなか知り応えのある内容でした。ニッチなブランドによる業界紹介は、勉強になります。
▼ ダスキンによる掃除の歴史も意外と専門的
✔️ 常設展示室1:「紅」を知る

紅花は、赤色色素「紅」をもっています。江戸時代、紅花は、高級織物の染料や化粧料、食品着色などの原料として高値で取引されました。中でも、山形・天童の「最上紅花」がNo.1ブランドだったらしいです。

紅を作る工程は、紅花から紅餅を作り(摘み取った紅花の7〜10%しかつくれない)、それを何やかんやして紅にします。以下、中川政七商店のコラムが詳しいです。


また、紅を作るために、専門的なサプライチェーン(原材料、製造、輸送など)が出来上がっていたそうです。

✔️ 常設展示室2:「化粧」の歩み

化粧といえば、浮世絵!当時、紅が濃いのは「いやらしい」という考えもあったため、批判されたそうです。


紅より、豊満なボデーに目がいく



なかんずく「お歯黒」が印象に残りました。お歯黒とは、鉄漿水(酢酸に鉄を溶かした液体)と五倍子粉(タンニンを含むヌルデシロアブラムシの粉)を交互に歯に塗ることで、タンニン酸第二鉄を生成させ、黒く染める風習を指します(最初にヌルデシロアブラムシを粉にして歯に塗った人すごい…)。




当時の女性は、家主が目覚める前に、お歯黒を終えておくのがマナーだったらしいです(めんどくさそう)。そして、お歯黒は、色が濃ければ濃いほど、良かったとのこと。

お歯黒&剃り眉の女性(どう見てもおっさん…)
お歯黒に使うタンニンには、歯垢、歯槽膿漏、虫歯を予防する作用もあるため、医学的には良かったんだとか。

当時のメイクマニュアル

しかし、西洋人から「人工的な醜さの点で比類のないほど抜きん出ている」など批判が出たことから、お歯黒&剃り眉に禁止令が出されました。そして徐々に化粧の洋風化が浸透するにつれて、お歯黒&剃り眉は絶滅しました。

当時には、当時の「良い」価値観がありました。しかしそれは、場所や時代が変わると「悪い」にもなります。江戸時代の男性に「令和の男性は、日傘、日焼け止め、脱毛、スキンケアが進んでるで」と伝えたら「アホ!」と一喝されるのかも。


ドヤ顔がすごい。今流行りの薄い前髪と似てる…?

▶︎ 伊勢半グループ創業200周年記念企業史展「愛せよコスメ!リターンズ ーおかげさまで200周年ー」感想

キスミーをはじめとする伊勢半グループ各社の時代のトレンドに寄り添った名作コスメを一堂に集めて紹介します。(略)創業200周年を迎えた伊勢半グループの200年の歴史を振り返ります。



こんなにたくさんの現物をよく保存してるな…
地下の企画展示場には、ひたすら伊勢半、キスミーの年表、それに関する化粧品が並んでいました。


今では受け入れられないネーミング

中でも、西洋人に憧れて、1967年から二重瞼のための化粧品があったことにびっくり。江戸時代は薄くて細い目が良いとされていたものの、約100年で価値観が180度変わるのは興味深いです。





化粧品はイメージがほぼ全て。一時期、売上のほとんどが広告宣伝費に使われていたそうです。まずは手にとって、使ってくれないと話になりません。例えば、資生堂の売上高マーケティング費比率は27.6%です(一般的な企業の平均は数%)。


1958年、キスミーは身長分の5千円札を渡す(身長が160cmなら5千円札を160枚)など「今日の景品表示法に照らせば完全にアウト」な広告も行われていました(苦笑。

化粧品はもともと接客販売が主流でした。しかし、キスミーは、ドラッグストアのようにピンに引っ掛ける方法を業界で初めて行なうなど、商品だけでなく販売方法も、歴史に名を残した実績があります。

全体を通して「これだけよく社内資料が残ってんなぁ」と思いました(わざわざアーカイブを残すこと自体、過去の成功体験をひきずっている証左と見えるかもしれません)。
小規模な美術館、ワンフロアの企画展ですが、意外に観覧者は、常時約5人いらっしゃいました(男性は私のみ)。
▶︎ まとめ

渓斎英泉《今様美人拾二景 てごわそう》
いかがでしたか?小規模な企業美術館だったものの、化粧品の歴史や紅、伊勢半の商品・広告などについて、楽しく知ることができました。表参道駅から歩いていけることに加え、入館料も非常に安価な美術館なので、是非、お出かけついでにふらっと寄ってみてはいかがでしょうか💄
▶︎ 今日の美術館飯


▶︎ 次回予告
次回は、映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』の感想を投稿する予定です。
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