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『TOKYOタクシー』人生の終わりに、未来へ手渡したもの イラスト似顔絵 木村拓哉 倍賞千恵子



木村拓哉さんを描いてみました。



『TOKYOタクシー』を観ました。

もし、自分のかわいい息子が、留守中に継父から暴力を受けていると知ったら、皆さんならどうするでしょうか。

この映画の主人公・すみれは、息子を守るため、夫に睡眠薬を飲ませ、眠っている間に沸騰した油を下半身に浴びせます。その罪によって懲役9年の刑を受け、刑務所へ入りました。

ところが、その服役中に、何よりも大切だった息子が事故で亡くなってしまいます。

息子を守るために罪を犯したのに、その息子の最期に立ち会うことさえできなかった。その悲しみは、どれほど深かったことでしょう。

それでも、すみれは人生を諦めませんでした。

出所後、アメリカへ渡ってネイルアートを学び、日本に戻って店を成功させます。何度つまずいても、そのたびに自分の力で立ち上がってきた女性です。

けれど、どれほど強く生きても、悲しみが消えるわけではありません。

85歳になったすみれは、高齢者施設へ入居するため、一台のタクシーに乗ります。その運転手が、木村拓哉さん演じる浩二です。

これから人生を終えようとしているすみれと、まだまだ人生の続く浩二。

二人は、施設へ向かう途中、すみれの思い出の場所へ立ち寄ります。現在の時間では、何か大きな事件が起こるわけではありません。ただ、タクシーの中で言葉を交わし、ときどき道草をする。それだけの一日です。

しかし、その何げない会話の中から、すみれの85年の人生が少しずつ見えてきます。

戦争、愛した人との別れ、息子を守るために犯した罪、そして服役中に息子を失った悲しみ――。

あまりにも重く、つらい人生です。

それでもすみれは、目の前の運転手に静かに語り続けます。浩二もまた、最初はただの乗客だったすみれの話に耳を傾けるうちに、少しずつ心を通わせていきます。

そして、この一日は、すみれにとって、人生の最後に訪れた、かけがえのない幸せな一日となりました。

すみれは最後に、自分の財産を浩二に残します。

去っていく人が、これからを生きていく人へ、人生の続きを手渡すように。

浩二は娘の進学を控えながら、経済的に余裕がなく、妻からも不満をぶつけられ、将来に頭を抱えていました。そんな浩二に、すみれを高齢者施設へ送り届けたその日、まるで小説のような奇跡が起こったのです。

けれど、すみれが浩二に残したものは、お金だけではなかったのだと思います。

「どんなにつらいことがあっても、人はもう一度立ち上がれる」

そんな、自分の人生そのものを手渡したのではないでしょうか。

そして浩二もまた、すみれに大切なものを与えました。彼女の話を聞き、一人の人間として向き合い、人生の最後に温かな一日を贈ったのです。

94歳の山田洋次監督が、なぜこの作品をわざわざ日本でリメイクしたのか。

見終わったとき、少し理解できたような気がしました。

一台のタクシーの中で交わされた、二人の会話。
ただそれだけの物語なのに、見終わったあとも、すみれの人生と、あの一日のぬくもりが、いつまでも心に残る映画でした。




若いころの倍賞千恵子さんも描いてみました。



映画を見てから、私の倍賞さんのイメージは、フーテンの寅次郎の妹、さくらさんから、TOKYOタクシーのすみれさんに変わりました。


気持ちの良い映画の感想の後に、4コマ漫画をアップする気がしなくなったので、マンガはお休み。私ごとの事情ですみません。(*- -)(*_ _)ペコリ



ご訪問いただき、ありがとうございます。
今日も素敵に一日をお過ごしください。




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