50代主婦、北アルプスへ③|アルプスが教えてくれた「余力50%」という登り方
アルプスは想像以上に厳しい山でした。
ガレ場。
ザレ場。
滑る足元。
寝不足。
そして、
サブリーダーさんから言われた
「余力50%で歩く。」
この言葉は、
登山だけじゃなく、
これからの人生にも当てはまる気がしました。

いよいよ乗鞍岳山頂を目指します
小屋から山頂までの標高差は約300m
「いつも登っている交野山と同じくらいやん。」
そう思っていました
……
完全に甘かった(笑)
登り始めてすぐ、
アルプスの洗礼を受けます。
まず現れたのは、
乾いた砂や細かい小石が積もった斜面
足を置くたびにズルッ
思わず体が持っていかれそうになります…
こういう場所を
ザレ場と言うそうです

特に下りは神経を使いましたね💦
「ストック買っておいて本当に良かった。」
心からそう思いました
その次は…
岩、岩、岩。
ゴロゴロと大きな岩が積み重なった
ガレ場です

動画で見て覚悟はしていました
でも
想像以上
だって…
足を置くとグラグラ動くのよ?
「え?遊園地のアトラクションなんですか?」
思わず心の中でツッコミ(笑)
足を置く場所が分からず、
一瞬立ち止まりそうになる場面もありました
でも後ろにはたくさんの登山者
止まるわけにもいかず、
一歩一歩慎重に登りました

はあ、はあ…
標高3000m
やはりちょっと空気の薄さを感じます
「はい、深呼吸。」
「お水飲んでね。」
後ろからサブリーダーさんが声を掛けてくださいます
私は登ることに夢中で、
呼吸も浅くなっていたかもしれません
高山病にならないためには
ゆっくり呼吸して、水分補給も忘れないこと
「登ることだけが登山じゃない。」
そんなことも学びました

ふと振り返ると、
さっきまでいた山小屋が遠く下に見えます
「こんなに登ってきたんや。」
その景色が嬉しくて、
少し疲れが吹き飛びました
そして北アルプスの足元は、
まさにガレガレ・ザレザレ
近所の山とはまるで別物でした
標高差は同じ300mでも、
体感では何倍もしんどく感じましたね

途中で休憩
下には、美しい火口湖権現池
疲れていても、
この景色を見ると元気が出ます
今から頂上の乗鞍本宮を目指します

ねえ、この稜線カッコ良すぎない?

山頂までもう少し
あの急登を見た時は、
「えっ、まだ登るん?」
と正直思いました(笑)

その時、サブリーダーさんから質問
「今、何%くらい力残ってる?」
「うーん……20%くらいです。」
すると、
「それはアカン。」
その時は意味がよく分かりませんでした
でも今なら分かります
今回は山頂まで300m登れば終わり
だから余力20%でも歩けました
でも立山は違います
山頂はゴールではありません
そこから縦走が始まります
だから、
50%くらい余力を残すペース配分
これが本当に大切なんですね
そう考えると、
以前比良山で足がつってリタイアした原因も、
ペース配分だったのかもしれません
今回一番大きな学びでした
だいぶ上がってきました…

そして…
無事に登頂!
リーダーさんとハイタッチ🙌

神様にもお礼を伝え、記念撮影
ここまで来られたことに感謝です

下山も岩場なので油断はできません
7月の乗鞍岳は登山者がたくさん
すれ違いも多く、
慣れない私は右によるのか左によるのか迷ってしまいます
景色はいいけど滑落もしやすい
つまずいてヒヤッとした場面もありました
焦ったら危ない。
自分に何度も言い聞かせながら、
一歩ずつ慎重に下山しました

そして無事に山小屋へ到着
ホッと一安心😊
アルプスは決して楽ではありませんでした
でも、
だからこそ得られる景色と達成感がありました

登山を終え、
最後に畳平のお花畑を眺めながら
今回の山行は終了
朝4時から活動しているのでこの時点でまだ11時
というのが信じられません
バスは下界へと向かって走り出しました…
「あぁ、どんどん雲が遠ざかっていく…」
楽しい仲間ともアルプスともお別れ
窓の外を眺めながら、少し寂しくなりました

途中、飛騨高山の温泉施設
ひらゆの森 に寄りました
湯の花が浮かぶ泉質の良い温泉で
露天風呂は、だんだん畑のようになってました↓

ざぶ〜んとお湯に浸かった瞬間
「生き返ったぁ〜!」
疲れた身体にじわ〜っと幸せが広がっていきました
登山をすると、ご飯も、お風呂も、今回は水洗トイレまで(笑)
普段の当たり前が、どれもありがたく感じられるんですよね

乗鞍岳で買ったお土産↑
帰りのバスでは
この2日間の写真を何度も見返していました
「もう十分。これだけで今年の夏は幸せ。」
1年前、近所の低山を歩き始めた私が、
北アルプスまで来られた
それだけで胸いっぱいでした
もう思い残すことはない。と満たされていました
…でもやっぱり、
またアルプスに絶対来たい。
私たちは来月、もう一段レベルアップした
山行が控えています

同じ北アルプスですが、次は立山三山縦走です。
今度は電車移動で一泊の荷物を背負いながら
ガレガレ・ザレザレの登山道を長距離歩きます
悪天候であればさらに難易度は上がるでしょう
温泉のあと、仲間と食事をしながらそんな話をしていました
みんなの表情を見ると、不安なのは私だけじゃありませんでした

帰りのバスで、リーダーさんに率直に聞いてみました
「今の私で、立山は歩き切れますか?」
返ってきた答えは
「歩けるでしょう。ただし、初心者が無傷では帰れない場所であることはたしかです。だから、何よりも登り切りたいという強い気持ちが大事。」
比良山縦走での途中離脱の経験が
ずっと頭から離れない私です
だから正直、不安の方が大きい
でも今はその不安よりも、
「またあの感動に出会いたい。」
そんな気持ちの方が少し大きくなっています

「もっと若い頃から始めていれば良かった。」
そう思ったか?
答えは、いいえ。
私はそうは思いません
20代の頃、夫やその仲間に連れられて山へ行ったことがあります
大台ヶ原
白山
赤岳
今回帰宅してから夫に聞いて、自分でもびっくりしました
「そんな素敵な山に連れて行ってもらってたんや!」
でも当時の私は、有り余る体力はあっても山の魅力がわかりませんでした
「しんどかった」
その記憶しか残っていません(笑)
でも、今は違います
花を見て立ち止まり、
空を見上げ、
水の音に耳を澄ませる
山小屋で食べるカレーに感動し、
満天の星に涙が出そうになり、
ご来光に手を合わせる
50代の今だからこそ見える景色がある
そんな気がしています





帰宅すると、蒸し暑い大阪…
そして夫の顔を見て、一気に現実へ戻ってきました(笑)
「どうやった?」
「うん、怖かったけど、めちゃくちゃ楽しかった!」
そんな会話をしながら、久しぶりに夫婦で山の思い出話
子どもや犬の話以外で、
こんなにゆっくり話したのは久しぶりだった気がします
今回、安心して旅に送り出してくれた夫にも感謝です

50代になって思います。
若い頃のように、
勢いだけでは歩けません。
でも、
立ち止まることができる。
景色を味わえる。
誰かに「助けて」と言える。
それもまた、
50代だから持てた力なのかもしれません。
来月はいよいよ立山。
怖いです。
でも、
またあの景色に会いたい。
だから私は、
自分のペースで歩いてきます。
