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NISAと課税口座、どう使い分ける? 個別株投資との併用の考え方


第1章|導入:「とりあえずNISA」で終わらせるのはもったいない


これまでの記事では、銘柄の選び方から、リスク管理、メンタル面まで、個別株投資そのものの考え方を中心に扱ってきました。今回は少し視点を変えて、日本の個人投資家にとって身近な制度である「NISA」と、通常の課税口座を、どう役割分担させながら使うかを整理します。

NISAについては、「とりあえず口座を作って、なんとなく枠を埋めている」という人も多いのではないでしょうか。制度自体はシンプルに見えますが、個別株投資と組み合わせて考えると、実は知っておくべき注意点がいくつかあります。特に「売る」という行為が、NISA口座では通常の課税口座とは違う意味を持つ、という点は、意外と見落とされがちです。

なお、税制は改正が行われることがあるテーマです。この記事では、制度の一般的な考え方を中心に説明しますので、実際に投資を行う際は、必ず証券会社の最新の案内や、必要に応じて税理士など専門家にご確認ください。

まずは、NISAの基本的な仕組みを、簡単におさらいします。

第2章|NISAの基本の仕組み


NISAは、一定の範囲内で得た利益や配当が非課税になる制度です。通常、株式投資で得た利益には税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益には、原則として税金がかかりません。制度の基本的な枠組みを整理しておきます。

2つの枠がある

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という、2つの枠があります。つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資を目的とした、限られた投資信託などが対象です。成長投資枠は、個別株を含む、より幅広い商品が対象になります。個別株投資をする場合は、この成長投資枠を使うことになります。

年間で投資できる上限がある

つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円までで、2つの枠は併用できるため、合計で年間360万円までがNISAでの投資上限です。この年間の枠は、その年に使い切らなかった分を翌年に持ち越すことはできません。

生涯で保有できる上限がある

NISA口座全体で、生涯にわたって非課税のまま保有できる金額の上限も定められています。この生涯の上限のうち、成長投資枠として使える金額には、さらに内訳の上限があります。

非課税で保有できる期間に、期限はない

以前の制度とは異なり、現在のNISAでは、一度非課税で保有した資産は、期限を気にせず持ち続けることができます。

これらの数字は、制度改正によって変わる可能性があるため、実際に投資を行う際は、最新の情報を証券会社のサイトなどで確認することをおすすめします。

第3章|NISAと課税口座、そもそも何が違うのか


NISAと課税口座(いわゆる特定口座や一般口座)の違いを、投資判断に関わる部分に絞って整理します。

税金の扱いの違い

課税口座では、値上がり益や配当に対して税金がかかります。NISA口座では、この税金がかからない、というのが最も基本的な違いです。

損益通算・繰越控除ができない、という違い

これはNISAを使ううえで、特に重要な注意点です。課税口座であれば、ある銘柄で損失が出た場合、別の銘柄で得た利益と相殺(損益通算)したり、その年に相殺しきれなかった損失を翌年以降に繰り越して控除したりすることができます。しかし、NISA口座内で発生した損失は、この損益通算や繰越控除の対象にはなりません。つまり、NISA口座で損失が出ても、税金の計算上、その損失を他の利益と相殺することはできない、という性質があります。

この違いが意味すること

NISAは「利益が出たときの税負担を軽くする」という点では強力な制度ですが、「損失が出たときの税務上の救済」という面では、課税口座のような柔軟性がありません。この非対称性を理解しておくことが、NISA枠に何を入れるかを考えるうえで重要になります。

次の章からは、有料エリアとして、この違いを踏まえた実際の使い分けの考え方に入っていきます。

第4章|NISA枠に向いている投資スタイル、向いていないスタイル

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