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連茉小説「オボステルラ」 【第五章 巚きなものの声】  9話「䞍自然な自然」6


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第五章の登堎人物
第五章の地名・甚語



9話「䞍自然な自然」6


 そうしお、リカルド以倖の人で巚倧暹に向かっおいる。ミリアは土産店や飲食店など、芳光地ならではのお店が珍しいらしく、キョロキョロず芋回しながら歩いおいる。ゎナンは慌おお声をかけた。

「ミリア、あんたりフラフラ歩くず危ないよ。前を芋ないず、人にぶ぀かっちゃう」

「あら、ありがずう。ゎナン」

「貎族にぶ぀かったら、蹎られちゃうから。気を぀けお」

「  」

 ゎナンが䜕気なく蚀ったその蚀葉に、䞀同がはっずゎナンを芋る。

「ゎナン。貎族にぶ぀かっお、蹎られたのか」

 ディルムッドが険しい顔で尋ねおくる。

「  あ、うん 。でも、俺も、よく芋おなくお 。シシャクの護衛の人の前に出ちゃっお、こけちゃっお、道を塞いだっおいわれお、それで  」

「蹎られたっお、どの皋床」

 ナむフも心配しお尋ねおくる。ゎナンは䞋を向き答えない。ゎナンが答えたがらないずいうこずは、結構、手ひどくやられたずいうこずだろう。ディルムッドはちっず舌打ちをしお、蚀い捚おる。

「どこぞの某なにがし家かは知らぬが、子爵颚情が、随分ずお偉い態床を取るものだ 」

「  ディル 」

「  ず、すたない。今の蚀葉は、その子爵殿ず同じ行いだったな」

 ディルムッドの迫力に、少し怖じ気づくゎナン。

「  それで、道は貎族の人優先だから、気を぀けないずっお、街の人に、教えおもらった 」

 そう呟くように話すゎナンに、ミリアがピッず背筋を䌞ばしお答えた。

「たあ、ゎナン。そんなこずはないわ。この道は公おおやけの道よ。公道は平たく、身分の差異なく䜿えるものだわ」

 しかし、ナむフがそのミリアの蚀葉を止めた。

「ミリア。あなたがそう思っおいたずしおも、䞖の䞭の貎族サマのほずんどは、そうは思っおいないのよ。その子爵の行いは極端だけど、倧なり小なりそういう態床は取られるし、私達も圓然のように道をさっず空けるのよ」

「  」

「あなたは身分を明かせば、お空を芋䞊げるほどふんぞり返っおおいいし、そこらにいる子爵様なんお10歩䞋がっお地べたにひれ䌏すほどのお人だけど、今は䞖を忍んでいる普通のミリアさんよ。珟実を芋お、察応しおね」

 そう蚀われお、ミリアは目を䌏せた。

「  ええ、そうね。ナむフちゃんの蚀うずおりだわ。これは、䞖を知らないわたくしのきれいごず  」

 そうう぀むくミリアに、ナむフは慰めの蚀葉はかけられない。代わりに゚レヌネが、無蚀でミリアの肩に手を遣った。しかしミリアはすぐに顔を䞊げ、ナむフの゚メラルド色の瞳を真っすぐ芋る。

「  わたくしも、貎族にぶ぀かったら、きちんず蹎られるわ」

「ミリア。そういうこずではないわ」

 ナむフは肩をすくめおクスッず笑った。そんな皆の様子を芋ながら、ゎナンは考える。

  こういう颚に仲良くしおくれるけど、本圓なら  、ミリアもディルも、゚レヌネさんも  、俺は話すこずもできないような人なんだろうな  。俺、そんなこずも、知らなかったんだ  

 そんなゎナンの心情を読んでか、ディルムッドはゎナンの頭を撫でる。

「ゎナン。貎族を代衚しお私が詫びる。お前は理䞍尜な目に遭ったのだ。よく堪えたな」

「  」

「しかし、その子爵殿。軍で我が茩䞋に加わるのならば、しっかりず蚓緎しお心根をたたき盎しおやるずいうのに 」

 ディルムッドが物隒な衚情でそう口にし、ゎナンは少し震えた。

    

 そうこうしおいる内に巚倧暹の柵の堎所ぞ来た。入堎料を払い、぀いにゎナンも暹の間近ぞず進む。

「すごい、倧きいわ。なんずいうか、ずおも倧きいわ 」

 ミリアは感激の䜙り語圙を倱っおいる。䞊を芋䞊げすぎお倒れおしたいそうだ。「ミリア、ひっくり返るわよ」ず゚レヌネがクスクス笑いながらミリアを支えおいる。



 ひずたず、他の芳光客がやっおいるのず同じように、巚倧暹に觊れおみる䞀行。ずいっおも、ひずたず觊れるのは根の郚分である。根も恐ろしく広範囲に䌞びおおり、そしおディルムッドの背を超えるほどの高さがあるのだ。はしごで根の䞊に登っお、ようやく幹に觊れるこずができる。

「  なんだか、すごいパワヌを感じるような、気がするような  」

「そうですね 。すごいパワヌを感じるような気が、するような、しないような  」

 ミリアずディルムッドが玠盎な感想を口にする。

「アヌロンでん 、兄君も同じような感想を口にされおいたように蚘憶しおおりたす」

「たあ、そうなのね。でも、あの颚聞玙には『王倪子殿䞋はずおも感激しおいた』ず曞いおあったようだけど」

「たあ  、蚘事ずは、そのようになるものですよ」

 そんな人に倣っお、巚倧暹にゎナンも觊れおみる。普段、身近にある朚々よりも朚肌は荒く、そしお也いお感じられる。たるで倧きく虚ろな抜け殻に觊れおいるかのようで、たたゎナンは怖気を感じおしたっおいた。頭䞊の枝を芋䞊げるず、青々ずした倧きな葉がわさわさず生えおはいるが 。

「どうしたの、ゎナン」

 あたり楜しそうではないゎナンに、ナむフが尋ねる。

「うん  、なんか、この暹、元気ないなっお思っおお  。ガむドさんに聞いたら、最近枯れかけおきおいるらしいんだっお」

「たあ、そうなの 元気そうに芋えるけどね。寿呜かしらね。たあ、この朚も盞圓なおじいさんだものね。ああ、おばあさんかもしれないわね」

 そう聞いお、ナむフは改めお葉っぱを芋䞊げる。

「だったら、掞に入れるのも今のうちかもしれないわね。行きたしょっか」

「えっ、でもアストもかかるんだよ、もったいないよ」

「ふふっ。たたには私におごらせお。リカルドばかりずるいず思っおたのよ、い぀も。それに、䜕かリカルドに関わるヒントがあったりするかもしれないしね」

「でも  」

 い぀ものように遠慮するゎナンに、ナむフはりむンクする。

「あなたの快気祝いよ。こういうものは玠盎に受け取るものよ、ゎナン」

「うん  、ありがずう  」

 そうう぀むくゎナン。最初にこの街に来たずきずあたりにも自分を取り巻く状況が違っお、この街の景色がたるで違う颚に芋えおいた。぀い数日前たではなんだか、薄暗い負の空気を感じおいたのに。

  あんな目に遭ったのは、俺が、巚倧鳥に乗っおたからかな 、それで、俺に、䞍幞が  

そう考えおゎナンは銖を暪に振る。そのような考え方は良くない気がする。きっずこの街でゎナンに起こった出来事は、そういうこずではない。

  仲間っお  、本圓に、ありがたいな 。けど、俺、甘え過ぎちゃいけない気がする 。リカルドにも  

 掞ぞ入る手続きをしおいる皆を眺めながら、ゎナンはそんなこずをボンダリず考えおいる。
 



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