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なぜ䞋劻垂長の䞍審死は兵庫県知事問題を圷圿させるのか


なぜ䞋劻垂長の䞍審死は兵庫県知事問題を圷圿させるのか

はじめに

私は茚城県にはほずんど瞁がありたせん。倧孊時代に氎戞ぞ電車で旅をしたこずがあるくらいで、䞋劻垂呚蟺には䞀床も足を運んだこずがなく、正盎に蚀えば地理感も生掻感もたったくありたせん。

それでも今回、あえお䞋劻垂長の「自殺報道」に぀いお曞こうず思ったのは、このニュヌスに觊れたずき、私がよく知っおいる或る事件ず、あたりにもよく䌌た構図を盎感したからです。

私は元・兵庫県民であり、人生の半分以䞊を兵庫県で過ごしたした。いたは倧阪府民ずしお関西圏で暮らしおいたすが、兵庫県知事・斎藀元圊氏をめぐる䞀連の隒動――マスコミによる「おねだり」報道や「パワハラ」報道、それに乗ったバッシング、県議䌚ずの察立、郚䞋である県民局長の自殺、䞍信任決議、癟条委員䌚、倱職しお出盎し遞挙、立花孝志氏の出銬ずいわゆる「二銬力遞挙」、そしお奇跡の倧逆転勝利――を、かなり近い距離から眺めおきたした。

その埌も、斎藀知事に察しおは巊掟系の抗議掻動が続き、先日も蚘者䌚芋の垭でゞャヌナリストの菅野完氏が知事に察しお「人殺し」ずいう蚀葉で非難を行い、斎藀知事が菅野氏を名誉毀損で刑事告蚎するずいう事件もありたした。

私はいたも斎藀知事を基本的には応揎する立堎です。そしお、自分なりに䞀぀の確信を持っおいたす。それは、この問題が単なる「パワハラ知事」の物語でも、人栌に問題のあるトップのスキャンダルでもなく、その本質は既埗暩ず改革銖長の察立であり、その根っこには利暩があるずいうこずです。

そしお奇しくも、今回の䞋劻垂長の急死にも、同じ構図がうっすらず透けお芋えるのです。

本皿では䞋劻垂長の「自殺報道」のきな臭さに぀いお、兵庫県知事問題ず比范しながら、地方政治ず箱物利暩の構造から論じたす。

読者の皆様の参考になれば幞いです。


第1章 なぜ圓遞3か月で垂長が自殺するのはあり埗ないのか

私の感芚から蚀えば、「圓遞から3か月で垂長が自殺する」ずいうストヌリヌは、どう考えおも盞圓な「無理筋」です。

もちろん、人の心の内偎は他人には分からないし、衚向きは順調に芋えおも、内面では远い詰められおいたずいうこずはあり埗たす。それでも、地方政治を少しでも芋おきた人間であれば、「垂長」ずいう職業の性栌を考えたずきに、そう簡単に自殺ずいう結末に飛び぀くこずには、匷い違和感を芚えるはずです。

垂長ずいうのは、良くも悪くも自己顕瀺欲の匷いタむプが倚い圹職です。自分の顔写真を垂内じゅうのポスタヌに貌り、自分の名前を䜕癟回も連呌しながらマむクを握り、遞挙のたびに「私こそがこの街を倉える」ず叫ぶ。
そのうえで、予算曞に自分のカラヌをねじ蟌み、行事のたびに壇䞊で挚拶し、新聞やテレビに顔を出す。それくらいの自己顕瀺欲ず承認欲求がなければ、「垂長になろう」ずはなかなか思えたせん。少なくずも私は、そういう皮類の人間を䜕人も芋おきたした。

今回亡くなった須藀豊次垂長も、その意味では兞型的な「政治の䞖界に生きおきた人物」に思えたす。私は故人を盎接知りたせんが、経歎を芋れば䞀目瞭然です。

ネット䞊に公開されおいる情報によれば、須藀氏は亀通安党斜蚭工事の䌚瀟を経営する土朚系の経営者から垂議になり、2002幎の初圓遞から7期・20幎以䞊、䞋劻垂議䌚のど真ん䞭に座り続けおきたした。

垂議䌚議長も務め、その埌も遞挙で䞊䜍圓遞を続けおきた「地元の顔」です。

2021幎にはすでに䞀床、垂長遞ぞの出銬を衚明しおいたすが、そのずきは䜓調悪化で盎前に断念したした。
それでも圌は再挑戊を決意し、2026幎3月の垂長遞で珟職の菊池博氏を僅差で砎っお初圓遞し、4月に67歳で悲願の垂長就任を果たしたした。

20幎以䞊の垂議生掻、2021幎の断念、その埌の再挑戊、そしおようやく掎んだ67歳での垂長職です。この怅子は、圌にずっお政治人生の「ごほうび」であり、「花道」であり、「最埌の舞台」だったはずです。

その舞台に立っおから、ただわずか2か月䜙りしか経っおいない段階で、自ら銖を吊っお呜を絶぀――。私は、その物語をすんなり受け入れられるほど、玠盎な性栌ではありたせん。

今回の経緯を報道でたどっおも、その違和感はむしろ匷たりたす。須藀垂長は6月14日午前、防灜蚓緎の公務に出垭したあず、いったん自宅ぞ戻り、昌ごろに家族ぞ「出かけおくる」ずだけ告げお倖出したずされおいたす。
その埌、倜11時15分ごろになっお家族が「電話が぀ながらない」「遅くたで垰っおこない」ず譊察ぞ盞談し、行方䞍明届が出されたのち、日付が倉わった15日午前0時50分ごろ、隣の八千代町本郷の排氎路で発芋され、その堎で死亡が確認されたした。遺曞は芋぀かっおいないずも報じられおいたす。

しかも、この「自殺」ずいう芋立おに違和感を芚えおいるのは、私のような倖郚の人間だけではありたせん。報道では、同玚生や垂政関係者も「自殺するような人間ではない」「圓遞しおからずおも匵り切っおいた」「議䌚でも普段どおりで、倉わった様子はなかった」ず受け止めおいるこずが玹介されおいたす。
぀たり、「圓遞から3か月での自殺」ずいう筋曞きは、須藀氏をよく知る地元の人たちにずっおも、どうにも腑に萜ちない出来事ずしお映っおいるのです。

私がずくに匕っかかったのは、「鬌怒川を越えお」ずいう感芚です。須藀垂長の自宅から発芋珟堎たでは、地図の䞊ではそれほど極端に遠いわけではありたせん。しかし、遺䜓が芋぀かったのは鬌怒川を越えた先の八千代町本郷の排氎路でした。
地元の人たちが「なぜわざわざ鬌怒川を越えたのか」ず疑問を口にしおいるずいう報道を芋お、私はそこに単なる距離感以䞊のものを感じたした。
おそらく䞋劻の人たちにずっお、鬌怒川はただの川ではなく、生掻圏の内偎ず倖偎をゆるやかに分ける䞀぀の境界なのではないでしょうか。いわば、日垞の延長ず、そこから倖れた堎所ずを分ける芋えない線です。だからこそ、「普通の生掻を送る䞋劻垂民が、特段の理由もなく鬌怒川を越えるだろうか」ずいう感芚が地元の偎にあり、その“向こう偎”の排氎路で垂長が芋぀かったこずが、匷い違和感ずしお受け止められおいるのだず思いたす。


第2章 なぜ䞋劻垂は成長する぀くば垂の隣で瞮小衰退しおいるのか

䞋劻垂長の䞍審死を考えるずき、たず抌さえおおきたいのは、この町がもずもず眮かれおいる地理的条件です。お隣の぀くば垂が、぀くば゚クスプレスTX開業ずずもに人口を増やし続ける成長郜垂なのに察しお、䞋劻垂はその倖偎で静かに瞮んでいる地方郜垂です。

統蚈を芋れば、䞋劻垂の人口は1995幎に玄4侇5千人台でピヌクを迎えたあず、枛少傟向が続いおいたす。
2025幎前埌の時点で垞䜏人口は玄4侇1千人、高霢化率は3割を超え、15歳未満は1割匷にずどたる構造です。いたや「3人に1人が高霢者」に近づいおいるのが実情です。

察照的に぀くば垂は、研究孊園郜垂ずしおの基盀にTXの開業が重なり、人口増加率で党囜䞊䜍の「地方の勝ち組郜垂」の䞀぀になりたした。1980幎代末に11䞇人芏暡だった人口は、2005幎のTX開業のころには20䞇人を超え、その埌も沿線開発が進むに぀れお増加を続け、近幎では25䞇人を突砎しおいたす。
同じ茚城県南西郚に䜍眮しながら、この二぀の垂はたったく違う時間を生きおいたす。

地図を広げれば、䞋劻は䞀面の田んがず畑に囲たれた町です。ネギやメロン、梚、米などの蟲業に加え、カルビヌやフゞパン、LIXILなどの工堎が地元雇甚を支えおいたす。
東京ぞの通勀圏ずしおはギリギリ届くかどうか。TX沿線のような爆発的な䜏宅開発もなく、「蟲業ず工堎で食べおいる4䞇人の町」ずしお静かに高霢化ず人口枛少に飲み蟌たれおいるのが実情です。

こうした条件のもずでは、箱物や公共斜蚭にかけるお金の䞀぀ひず぀が、぀くばずはたったく違う重さを持ちたす。人口が増え続ける25䞇人郜垂なら、新しいホヌルや文化斜蚭を倚少背䌞びしお建おおも、将来の人口や皎収でなんずか支えられるかもしれたせん。しかし、人口が枛り、高霢化が進み、「蟲業ず工堎で食べる4䞇人の町」にずっお、老朜化した垂民文化䌚通を壊しお新しく建お盎すのか、最䜎限盎しお圓面䜿い続けるのかは、単なる「文化政策」の問題ではなく、「瞮小する町が限られたカネず仕事をどこに萜ずすのか」ずいう遞択そのものになりたす。


第3章 なぜ倖囜人通報制床は関係ないのか

今回の䞋劻垂長の䞍審死をめぐっお、Xでは保守系アカりントから「倖囜人通報制床」ず結び぀ける蚀説が溢れたした。䞋劻垂内の蟲堎で、垰化䞭囜人の女性経営者が䞍法残留のむンドネシア人を働かせたずしお逮捕されたこず。
茚城県が、䞍法就劎倖囜人を雇う事業者を通報した人に1䞇円の報奚金を出す制床を始めたこず。そしお、その制床に察しお人暩団䜓や匁護士グルヌプが「差別だ」「密告をあおる」ず匷く反発しおいるこず。こうした断片が、「だから䞋劻垂長は殺されたのだ」ずいう物語ぞず、あっずいう間に぀なぎ合わされおいきたした。

ここで改めお敎理しおおきたいのは、県が導入した「䞍法就劎通報報奚金制床」の䞭身です。これは、䞍法就劎倖囜人を雇う事業者の情報を県民から募り、県が事実ず認めお県譊ぞの通報に぀ながり、最終的に雇い䞻の逮捕に至った堎合、通報者に1䞇円の謝瀌を支払う仕組みです。
囜にも䌌た制床はありたすが、自治䜓レベルでの導入は党囜初ずされ、高垂政暩が掲げる「秩序ある共生」の珟堎の詊みずしおも泚目されおいたす。

䞍法就劎の実態は深刻です。出入囜圚留管理庁の統蚈によれば、7幎の1幎間に摘発された䞍法就劎者玄1侇3千人のうち、玄3割にあたる玄3500人が茚城県内で働いおおり、郜道府県別で4幎連続最倚でした。その玄7割は蟲業に埓事しおいたずされおいたす。
実際、筑波山を望む䞋劻垂の蟲村地垯でも、ネギ畑などで䞍法残留のむンドネシア人2人を働かせおいたずしお、䞭囜から垰化した52歳の女性蟲堎経営者が䞍法就劎助長容疑で逮捕された事件が起きおいたす。

茚城県の通報報奚金制床は、実際に䞍法就劎倖囜人が集䞭しおいる蟲業珟堎の問題に察しお、県が「摘発匷化」ずいう圢で応えようずしおいる政策です。それに察しお、地元瀟䌚の偎でも「治安䞍安からの支持」ず「差別・分断ぞの懞念」がぶ぀かっおいる。ここたでは、重いが理解できる構図です。

しかし、ここから「だから䞋劻垂長は通報制床の旗振り圹だった」「掚進掟だから殺されたのだ」ず飛ぶのは、やはり無理がありたす。制床を蚭蚈し、運甚の責任を負っおいるのは茚城県であり、知事ず県議䌚であっお、䞋劻垂長ではありたせん。

X䞊では「違法倖囜人の通報報奚金制床も掚進されおいた垂長」ずいった曞き方が芋られたすが、少なくずも珟時点の公衚情報から、須藀垂長がこの県制床の蚭蚈や導入の䞭心ずなっお動いおいたずいう事実は確認できたせん。ただ、県が決めた枠組みの䞭で「察象自治䜓の䞀぀だった」ずいう以䞊のこずは蚀えないはずです。

垰化䞭囜人の蟲堎䞻が逮捕された事件に぀いおも同じです。報道が䌝えるのは、「短期滞圚などで来日したむンドネシア人2人を2幎近く䞍法就劎させおいた疑いで、䞍法就劎助長容疑で逮捕された」ずいう事実のみです。
その事件の捜査や送怜は譊察ず怜察の領域であっお、垂長が捜査の指揮を執るわけでも、起蚎・䞍起蚎を決めるわけでもありたせん。須藀垂長がこの蟲堎の摘発や通報を盎接指瀺しおいたずいうような話も、今のずころ出おきおいたせん。

私は、倖囜人問題や䞍法就劎の問題が軜いず蚀いたいのではありたせん。茚城県が䞍法就劎倖囜人の数で4幎連続党囜最倚であるこず、蟲業や建蚭珟堎が倖囜人劎働に䟝存しおいる珟実があるこず、䞭囜から垰化した蟲業者ぞの䞍信や䞍安が地元に存圚しおいるこずは、確かに重い課題です。
しかし、それは「茚城県がどう倖囜人劎働ず向き合うか」ずいう県レベルの政策問題であり、今回の䞋劻垂長の急死の「盎接の争点」ずは異なりたす。

今回の垂長遞の報道を読み返しおも、須藀垂長ず菊池前垂長が倖囜人通報制床や䞭囜人蟲家を䞻芁な争点にしお激しく争った圢跡は芋圓たりたせん。遞挙で真正面からぶ぀かっおいたのは、老朜化した垂民文化䌚通を解䜓・新築するのか、それずも耐震改修で2幎以内に再開するのか、そしお砂沌サンビヌチ跡地をどう利掻甚するのか、ずいったロヌカルで具䜓的な公共斜蚭の問題でした。


第4章 なぜサンビヌチではなく垂民文化䌚通の建お替え問題が本䞞なのか

ここたで芋おきたように、䞋劻垂長の急死をめぐっおは、倖囜人通報制床や䞭囜人蟲堎䞻の逮捕ずいった、いかにもSNSで燃えやすい話題が先行しがちです。
しかし、私が本圓に芋るべきだず思うのは、もっず地味で、もっずロヌカルで、しかしそのぶん利害がむき出しになりやすい問題です。それが垂民文化䌚通をめぐる「耐震改修か、耇合化建替か」ずいう察立でした。

䞀芋するず、砂沌サンビヌチ跡地のほうが掟手に芋えたす。1979幎に開業し、最盛期には幎間26䞇人超を集めたレゞャヌプヌルであり、閉鎖埌は「キャンプ堎を軞にしたアりトドア耇合拠点」ずいう構想たで打ち出されたした。
ただ、この案件は目立぀わりに、圓面の倧型垂発泚工事ずしおはやや遠い存圚でした。サンビヌチの改修案では垂単独で玄18億5000䞇円の投資が必芁ず詊算され、負担が重すぎるずしお廃止方針ずなり、解䜓・撀去費甚も県開発公瀟が負担する枠組みで敎理されおいたからです。

それに察しお垂民文化䌚通は、たさにいた䞋劻垂政の䞭心で金額が動こうずしおいた案件でした。垂はか぀お、垂民文化䌚通の耐震補匷を含む倧芏暡改修費を玄12億6000䞇円ず詊算しおいたしたが、その埌の議䌚答匁では、建蚭物䟡の䞊昇を反映するず、垂民文化䌚通ず䞋劻公民通を合わせた改修案の初期費甚は玄25億7000䞇円皋床になるず説明されおいたす。
䞀方、文化䌚通ず公民通を延床面積3割枛の耇合斜蚭ずしお建お替える案では、初期費甚は玄34億円ず詊算されおいたした。

単玔に総事業費だけを芋れば、改修より建替の方が高い。普通の垂民感芚なら、「人口が枛っおいく町なのに、そんな倧きな新しい文化䌚通が本圓に必芁なのか」ず䞍安になるのは圓然です。
しかも䞋劻は、人口枛少ず高霢化が進み、先の芋通しが決しお明るいずは蚀えない地方郜垂です。そのなかで25億円、34億円ずいう数字が出おくれば、「身の䞈に合っおいるのか」ず感じる人が増えるのは、ごく自然なこずだず思いたす。

ずころが、ここで菊池前垂長サむドは別の説明を持ち出したした。それが「実質負担」のロゞックです。前垂長偎の発信では、囜の支揎金を差し匕いた垂の実質負担で比范するず、耐震改修は17.4億円、耇合化建替は10.5億円ずなり、むしろ建替の方が7億円安いず説明されおいたした。
぀たり、「総事業費では建替の方が倧きいが、囜の支揎を䜿えば、垂の持ち出しは建替の方が小さく芋える」ずいう話です。

ここで蚀う「囜の支揎金」は、単玔な補助金だけではないはずです。おそらく、亀付金のような玔粋な助成に加え、合䜵特䟋債のような地方債ず、その元利償還金の䞀郚を埌幎床の亀付皎で面倒を芋る仕組みたで含めお、「支揎金」ずひずたずめにしおいるのでしょう。
財政の蚈算ずしおは筋が通っおいおも、垂民から芋れば話はそう簡単ではありたせん。総事業費が倧きいこず自䜓は倉わらず、借金を含んだ仕組みたで「支揎」ず蚀い換えられれば、「本圓に埗なのか」「将来にツケを回しおいるだけではないのか」ずいう疑念が生たれたす。

実際、その䞍信はSNS䞊でも可芖化されおいたした。むンスタグラムの投皿には、「実質はダメですよ」「建お替え工事のきちんずした゚ビデンスを瀺しおください」ずいったコメントが寄せられおいたのです。
そこにあるのは、難しい財政論争ではなく、もっず玠朎で真っ圓な䞍安だず思いたす。人口が枛り、先が芋えにくい町で、本圓に新しい垂民文化䌚通を建お替える必芁があるのか。そんな芏暡の事業を背負っお、将来の䞖代は倧䞈倫なのか。そういう生掻感芚に根ざした疑問です。

私は、この䞍安はかなり健党なものだず思っおいたす。SNS時代の有暩者は、もはや「囜の支揎があるから埗です」「実質これだけです」ず蚀われただけでは玍埗したせん。数字の前提や蚀葉の䞭身を確かめ、「本圓に必芁なのか」ずいう根本の問いを投げ返すようになっおいる。
䞋劻でも、有暩者は単玔に「安い高い」の説明に流されたのではなく、人口枛少瀟䌚における箱物行政そのものを問い始めおいたのではないかず思いたす。

その意味で、垂民文化䌚通の問題は、単なる文化政策ではありたせんでした。改修案でも25億円芏暡、建替案なら34億円芏暡になりうる、䞋劻のような人口4䞇人芏暡の自治䜓ではそう䜕床も出おこない倧型公共工事です。
建替になれば、解䜓、蚭蚈、建築、蚭備、倖構、備品、運営たで含めお、長い公共事業のラむンができたす。逆に、改修に路線倉曎すれば、その芏暡も利益の流れも倧きく倉わる。だからこれは、単なる「斜蚭の曎新」ではなく、「誰の仕事が生たれ、誰の期埅がしがむのか」を巊右する政治問題でもあったのです。


第5章 なぜ兵庫県知事問題ず瓜二぀なのか

私が今回の䞋劻垂長の䞍審死にこだわっおしたうのは、兵庫県知事問題ず類䌌しおいるず芋えおしたうからです。もちろん、兵庫県ず䞋劻垂ではスケヌルが違いたす。県庁ず垂民文化䌚通では、動く予算の桁も、関わる組織の広さもたるで違うでしょう。それでも、構造の骚組みは驚くほど䌌おいたす。

兵庫県知事問題を䞀般的に振り返れば、そこにはマスコミによる「おねだり」「パワハラ」報道、議䌚ずの察立、県民局長の自殺、癟条委員䌚、䞍信任決議、倱職ず出盎し遞挙、そしお斎藀元圊知事に察する激しい人栌攻撃がありたす。
巊掟系の抗議掻動も続き、知事に向かっお「人殺し」ずいった眵倒が济びせられる異垞な光景たで生たれたした。いたでも䞀郚の論者や蚘者が斎藀知事を執拗に非難し、知事個人を悪魔化するような蚀説が止たりたせん。垞識的に芋れば、ひずりの知事に向けられる攻撃ずしおは明らかに過剰です。

もちろん、兵庫県偎にも事情がありたす。第䞉者委員䌚は斎藀知事の耇数の行為をパワハラず認定し、公益通報ぞの察応に぀いおも違法性を指摘したした。したがっお、この問題を単玔に「知事は完党に無実だった」ず語る぀もりはありたせん。

ただ、私は䞀床倱職し、その埌の出盎し遞挙で再び県民の信任を埗お圓遞した以䞊、政治的な意味での審刀はすでに䞋されたず考えおいたす。

それにもかかわらず、䞀郚のマスコミや掻動家が県民の遞択そのものを軜芖しおいるように芋えるこずには匷い違和感を芚えたす。

そしお圌らは、この問題の本質である暩力闘争ずいう偎面を十分に芋ようずしおいないようにも感じたす。

なぜなら、その背埌には県庁舎建お替えをめぐる巚倧な公共事業の芋盎しずいう察立が存圚しおいたからです。

兵庫県庁舎の建お替えは、もずもず前知事時代に進められおいた倧きな構想でした。しかし斎藀知事は2021幎の初圓遞埌、圓時1千億円超に膚らむ可胜性があるずされた蚈画を凍結し、その埌の芋盎しを経お、最終的には玄650億円芏暡の再建構想ぞず圧瞮しおいきたした。
これは単なる行政刀断ではありたせん。老朜化した県庁舎をどうするかずいう問題の裏には、蚭蚈、建蚭、蚭備、呚蟺敎備、さらには神戞の郜心再開発たで含めた長い公共事業のラむンがぶら䞋がっおいる。そうした巚倧な流れに手を入れれば、行政内郚、業界、政治、メディアのそれぞれに匷い緊匵が走るのは圓然です。

今回の䞋劻垂で起きた出来事が兵庫県知事問題を圷圿させるのは、その構造に同じものを芋るからです。

䞡者に共通しおいるのは、次の䞉点です。

  1. 老朜化した「叀い箱物」の扱いをめぐる争いであるこず。

  2. 既存の蚈画や利害の流れを倉えようずする改革掟銖長が登堎したこず。

  3. その銖長が政治的、あるいは文字通りの意味で「倱われる」事態が起きたこず。

斎藀知事は倱職ずいう圢で政治的に排陀されたした。しかし、その埌の遞挙で再遞を果たし、珟圚も改革を継続しおいたす。

䞀方で、䞋劻垂の須藀垂長は呜を倱いたした。

その違いはあたりにも倧きいず蚀わざるを埗たせん。

だからこそ私は、䞋劻垂で須藀氏が目指した改革の理念や問題提起が、このたた消えおしたわないこずを願っおいたす。そしお、その志を受け継ぐ人々によっお議論が続けられ、垂政改革が前ぞ進むこずを切に期埅しおいたす。


第6章 なぜ譊察は信甚できないのか

この問題に぀いお考えるずき、最埌にどうしおも避けお通れないのが、譊察に察する䞍信です。譊察を党面的に悪だず決め぀けたいわけではありたせんし、捜査や法医孊の専門的な䞭身に぀いお、私が知ったように語る぀もりもありたせん。それでも、「譊察がそう蚀っおいるのだから自殺なのだろう」ず、私は玠盎に思えたせん。

䞋劻垂長の件で譊察が発衚しおいるのは、「珟堎の状況から自殺を図った可胜性がある」「事件性は䜎いずみられる」ずいった、ごく短いコメントです。
しかしニュヌスの芋出しやSNSの受け止め方になるず、これがすぐに「自殺」「自殺で確定」ずいう印象に倉わっおしたう。本来なら、死䜓の所芋、叞法解剖、死亡時刻、呚蟺の防犯カメラ、スマヌトフォンや車の䜍眮情報、盎前の通話やメッセヌゞ、政治的・私的トラブルの有無ずいった、数倚くの芁玠を総合しお慎重に刀断すべきはずです。
にもかかわらず、垂民の目に入っおくるのは「珟堎状況から自殺の可胜性がある」ずいう䞀文だけです。私はこの情報の薄さそのものに、匷い䞍信を芚えたす。

日本では、譊察が「自殺」ず芋たものが、埌にそうではなかったず疑われるケヌスが、過去に䜕床も問題化しおきたした。自殺ずしお凊理された死亡事案が、その埌の再捜査で事件性を認定された䟋も報じられおいたす。
たた、元捜査員ぞの取材などでは、「䞊の意向で他殺が自殺ずしお凊理されるこずがある」ずいった蚌蚀も玹介されおいたす。こうした事䟋を知っおしたうず、「譊察発衚だから安心」ずいう発想には、ずおも戻れたせん。

兵庫でも、私は譊察や叞法の反応に匷い違和感を芚えたした。斎藀知事問題の延長線䞊で、名誉毀損容疑をめぐっお立花孝志氏が逮捕・長期拘留される過皋を芋おいるず、「暩力が本気を出すずきの怖さ」をどうしおも意識せざるを埗たせんでした。
箱物をめぐる県政の混乱のなかで、知事本人だけでなく、その呚蟺にいた県議や支揎者たでが、「自殺」「名誉毀損」「逮捕」ずいった別々のラベルを貌られお凊理されおいく光景は、どう芋おも䞍穏です。

だから私は、今回の䞋劻垂長の件でも、譊察の「自殺の可胜性がある」ずいう説明を、そのたた安心材料ずしお受け取るこずができたせん。須藀垂長の遺䜓が芋぀かったのは、隣の八千代町本郷の蟲業排氎路でした。自宅でも垂圹所呚蟺でもなく、倜になれば人も車もたばらな田園地垯の氎路です。
そういう堎所で、垂長が銖にロヌプを巻いた状態で芋぀かったずいう事実だけをもっお、「はい、自殺ですね」ず先に空気が固たっおいく。この順番の早さに、私はどうしおも぀いおいけたせん。

ここで改めお蚀っおおきたいのは、私は捜査の専門家ではないし、法医孊の専門家でもないずいうこずです。だから、個々の痕跡や死䜓所芋に぀いお、知ったかぶりで断定する぀もりはありたせん。ただ、その専門的な怜蚌結果が䜕も芋えないたた、「珟堎状況から自殺ずみおいる」ずいう䞀行だけで䞍審死が片付けられようずしおいる珟状には、䞀般垂民ずしお圓然の䞍信を持ちたす。そしおその䞍信は、兵庫で芋おきた状況ず、どうしおも重なっおしたうのです。


終章

私は䞋劻の内郚事情に粟通しおいるわけでもなければ、譊察捜査や法医孊の现郚に通じおいるわけでもありたせん。ですから、「これは他殺だ」ず断定する぀もりはありたせんし、誰か特定の集団を名指ししお告発したいわけでもありたせん。

それでもなお、私はこの䞋劻垂長の䞍審死を、ただの「自殺」ずしお受け流す気にはなれたせん。20幎以䞊にわたっお地方政治の䞖界に身を眮き、䞀床は断念しながら、ようやく67歳で悲願の垂長職を぀かんだ人物が、就任からわずか2か月䜙りで、隣町の田園地垯の排氎路で銖を吊っお死んでいたずされる。
しかもその人物は、瞮小する地方郜垂のなかで、垂民文化䌚通の耇合化建替路線を止め、耐震改修に切り替えようずしおいた。改修案でさえ25億円芏暡、建替案なら34億円芏暡になりうる䞋劻にずっおは、そうそうない芏暡の公共工事をめぐる路線倉曎でした。

ここで芋萜ずしおはならないのは、須藀垂長の死によっお䞋劻垂長遞が再び行われる可胜性が高いずいう点です。垂長が死亡しお欠員が生じた堎合、制床䞊は前垂長が自動的に繰り䞊げ圓遞するのではなく、再遞挙になるのが原則です。
しかも、2026幎3月の垂長遞は須藀豊次氏ず菊池博氏の䞀階打ちで、須藀氏が262祚差で蟛勝した接戊でした。
぀たり今回の急死は、制床の䞊では「もう䞀床やり盎しの垂長遞」を呌び蟌むこずになりたす。

しかしながら、泚目すべきは、須藀氏に代わっおただちに路線を継承する有力候補が立たなければ、菊池氏が再出銬した堎合に事実䞊の本呜ずなる可胜性は高いずいうこずです。さらに、再遞挙で立候補者が1人だけになれば、無投祚圓遞も制床䞊は十分にあり埗たす。
私はこの点を、かなり重く芋おいたす。なぜなら、文化䌚通の建お替え路線を止めようずしお圓遞した垂長が突然いなくなるこずで、わずか3か月前に垂民が瀺した遞択そのものが、きわめお短期間のうちに巻き戻される可胜性が出おくるからです。

この点で兵庫県知事問題ずどうしおも重なっお芋えたす。兵庫では、県庁建お替えずいう倧きな箱物の方向性に手を入れた斎藀知事が、「おねだり」「パワハラ」ずいったラベルを貌られ、マスコミや議䌚ずの激しい察立にさらされ、呚蟺では自殺や名誉毀損告蚎、逮捕たで連なっおいきたした。
䞋劻でもたた、文化䌚通ずいう䞭芏暡の箱物をめぐる路線倉曎の盎埌に、垂長自身が「自殺」ず報じられおいたす。私はそこに、既埗暩ず改革銖長の衝突ずいう、あたりにもよく䌌た構図を芋おいたす。

そしお、その構図の䞊に重なるのが、譊察の早すぎる「自殺」刀断です。「珟堎の状況から自殺の可胜性が高い」ずだけ説明されるずき、私たちは本圓に考えるべきこず――誰が䜕を倉えようずしおいたのか、どこに利害があり、誰が痛みを受けたのか――を芋倱っおしたいたす。
倖囜人通報制床のような、いかにもSNSで燃えやすいテヌマに目を奪われればなおさらです。しかし、この事件の䞭心にあったのは、県の倖囜人政策ではなく、䞋劻ずいう瞮小郜垂における文化䌚通建お替えの路線倉曎だったず、私は考えおいたす。

地方政治は、囜政よりも地味です。登堎する斜蚭も、県庁や文化䌚通や公園のように、䞀芋するず退屈です。しかし、だからこそ恐ろしいのかもしれたせん。そうした「叀い箱」をどうするかずいう問題のなかに、地域の既埗暩、行政の惰性、業界の利害、そしお銖長の芚悟が、むき出しの圢で珟れるからです。私は兵庫でそれを芋たした。そしお今、䞋劻でも䌌た匂いを感じおいたす。

本皿で曞いたのは、蚌明された真盞ではありたせん。あくたで、兵庫で䞀床同じような構図を芋た人間ずしお、䞋劻垂長の「自殺報道」にどうしおも拭えない違和感を芚える、その理由を敎理したものです。それでも、こうした違和感を蚀葉にするこずには意味があるず信じおいたす。

最埌たでお読みいただきありがずうございたした。

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