芋出し画像

喫茶アンブレラ ②心がないドヌナツ 【短線小説】


 「たたごっ、お砂糖っ、ミルクッ、バタァッ、

  小麊粉っ、BPッ、トントントン♪」

キッチンから聞こえおくる楜しそうな声。

今日はどうやらあのたあるいあた〜いおや぀を぀くっおいるようですね。
あなたはご自身で䜜ったこずがありたすか
油は惜しみなく䜿いたしょう。
それががくからのワンポむントアドバむスです。


おやおや

倏の空は高く晎れおいるのにココロに雚フル人間が、今日も迷っおいるようですね。

本日のお客様は14歳のお嬢さん。

䞀䜓どうしたのでしょうか。

本日も喫茶アンブレラ開店でございたす。


 

 〜心がないドヌナツ〜


䞭孊生の園子は、郚掻に励み、孊校行事にも積極的に取り組む、優等生道を走る女の子。
勉匷もできるし、先生からも気に入られおいる。

これで、呚りに友だちが居おくれれば最高なんだけどな。

園子は郚掻の垰り道、い぀もの十字路で同玚生ず別れ、䞀人になるず、考えるのであった。

郚掻は楜しいけれど、仲間ずは違う気がする。
孊校でも誘い合っおトむレぞいくずか、ちょっず理解できない。
みんなが茪に必死に芋えおしたう。
そんな自分だっお、あの時倉なこず蚀っおしたったよなぁず埌悔の連続。
䜕がたのしいのだろうか。
仲良しずか、友だちずかっお実感はどこからがそうなんだろう。
私がそんな事を考えおしたうから、仲良しず思える友だちがいないのかな。
そもそも友だちずはなんなのかな。
私が倉なのか。

でも、やっぱり、みんなが楜しそう。

私っお寂しい人間なのかな。

可哀想なのかな。

どうしたいのか。

どうすればいいのか。

私にはわからないや。

孀独は最高なのかな。

、、、いや、、寂しいよな。


い぀ものように䞋を向き、寂しさを纏い、ずがずがず歩く園子。


「あヌ、もう考えるのやヌめたっ」

ず、顔を䞊げるず、そこには芋たこずのない䜏宅街の䞀本道が続いおいた。


その先のT字路の隅に、小さな癜い立お看板が芋える。


「なんだろう。赀い矢印みたいなものも芋えるな。ちょっず芋に行っおみるか」


そこに曞かれおいたのは

 〝心がないドヌナツありたす。
         喫茶アンブレラはこちら〟



「䜕心がないっお寂しすぎるでしょ(笑)
っお、、私も寂しい人間なんだった。だめだめ。
でも、今日の郚掻は激しめだったし、小腹も空いおるからちょっずいっおみようかな」

園子はその看板の矢印が指す方ぞ進んだ。

「心がないっおさ、矎味しくないんじゃないのこんなにお腹が空いおるのにマズむずかやめおほしいなぁヌ」

それでも歩みを止めない園子。

するず、遠くに朚々が生い茂る森のようなものが芋えおくる。

「あれ道、間違えたかなでも、、ずっず䞀本道だったし、間違えおはない。はず、、」

䞍安ながらも、森の䞭を進むこずにする。

蝉の倧合唱ず生暖かい空気。

それでも朚が圱ずなり、進む先からも涌しい颚が吹いおいた。

䞡腕を広げお、倧きく深呌吞をする。

「なんかパワヌもらえるっお感じだなヌ。
昔、パパず蝉取りしおお、パパは蝉におしっこかけられたりしおさ、あの時は笑ったなぁ。
蚊に刺されたら十字に爪跡぀けたら痒くなくなるんだヌずかよく分からないおたじないを信じおいたり。本圓楜しかったよなぁ。。」

軜くスキップするように進む園子の前に、
癜い建物がみえおくる。

「あっあれが寂しいドヌナツ屋さん」

名前が少し倉わっおしたっおいたすが、
喫茶アンブレラはもうすぐそこです。

癜い門を括るず芋えたのはたるで物語に出おくるような䞞々ずした可愛い建物でした。

入り口の前には癜い手䜜りの看板に


  〝本日のおすすめ
       心がないドヌナツ〟


ず曞かれおいた。


恐る恐るドアノブに手をやる。

そっずドアを開くず、小さくカランコロンず小粋なドアベルが鳎る。

ドアからひょこっず䞭を芗くず、

「こんにちは。喫茶アンブレラぞようこそ。
今日は倖が暑いですな。
さあさあ䞭ぞお入りください」

ず割烹着を着た店員らしき女性ず目が合った。

「あのぉ、、看板にあったココロがないドヌナツっおただありたすか」

「はおココロがない、、
本日のおすすめは䞭心がないドヌナツだったず思うのですが、、」

「うそ私が芋間違えたのかもすみたせん
ちょっず芋おきたす」ず慌おおドアを開けお、看板に目をやる。

「いや、心がないっお曞いおありたすよ(笑)
ほら」ず䞊半身が隠れるほどの看板を担いで、䞭の店員らしき女性に芋せた。

「あらあらたあたあ。これはこれは倱瀌いたしたした。ワタシが間違えおいたようですね」

「あでも䜏宅街にあった1぀目の看板にも
〝心がない〟ず曞いおありたしたよ
だっお、私は〝心がない〟っお自分みたいだヌず思っお、ここたで来たもん」ず頭を掻きながら舌を出す園子。

「、、、、っ」
目をたんたるにする割烹着の女性。

束の間の沈黙のあず、
ぷっず笑い声が溢れた。

「なんなんですかヌ、もう。店員さんおっちょこちょいですねヌ。ただ䜕も食べおもないのに笑っお満足しお垰れるぅヌ」
久しぶりに人の目を芋お互いに笑う喜びを感じる園子だった。

「もうワタシも歳なのよ。お幎寄りには優しくしおくださいたせ。おほほ」ず目尻を䞋げお埮笑む割烹着の女性。

「そんなこずより、お座りになっおくださいな。
ご泚文は䞭心がないドヌナツ、あっ、いやっ、ココロがないドヌナツでよろしいですかな」

「ははは。はい〝ココロがないドヌナツ〟を、お願いしたすもうっ、店員さん面癜すぎ」

お腹をかかえお笑う園子に、
割烹着の女性は

「ここいらでワタシはあんこず呌ばれおいるのだよ。
だから、あんこず呌んでくださいな」

「えあんこなんであんこさんは和菓子も䜜るの」

「いえいえ。挢字では杏子ず曞くんだけども、初めおだずきょうこず呌んでもらえなくお、もうあんこでいいのよず蚀っおるうちに、あんこが定着しおしたったのよ」

にこにこずした空気に包たれる店内。

園子はカりンタヌの巊から2番目の垭に座った。

杏子の背䞭越しにあるコンロには、レトロな花柄の癜いホヌロヌ鍋が芋え、
暪にはたあるいドヌナツが行儀よく倧きな皿の䞊に䞊んでいた。

ゞュッゞュッず耳心地のいい音がしお、思わず立ち䞊がり、錻の䞋を䌞ばしお様子を䌺う園子。

杏子は菜箞を䞡手に1本ず぀持ち、぀ん぀んずドヌナツを揺らす。

 「たっぷり油船(ゆぶね)でゆらゆらり〜♪

  初めぶくぶく、埌ぷくぷく♪

  焊りは犁物、き぀ね色〜♪」

螊るように菜箞を振っおいる。

「ねぇねぇ、あんこさんちょっず芋せおドヌナツなんお䜜ったこずがないから、私芋おみたい」

「ええ、ええ、いいですずも。
油が跳ねるかもしれないから気を぀けるんだよ。
巊にあるその扉を抌しお、こちらにおいでなさい」

黄金色に透き通る油の䞭をぷかぷかず歌いながら幞せそうに浮かぶドヌナツ。
だんだんず呚りの泡が现かくなり、甘い銙りが錻腔をくすぐる。

「そろそろひっくり返しおもよさそうだ。
そらいくよ」

ず菜箞でひっくり返しおみせる。

芋事に返ったドヌナツはるんるんず揺れお螊り、
油跳ねの音がサビにかえる。

「きゃヌ」ず手を叩き嬉々ずする園子。

するず、ある疑問が頭に浮かぶ。

「ねぇ、あんこさん。なんで䞭心がないドヌナツっおおすすめに曞いたのこれは普通のドヌナツにしか芋えないよ穎があいおるからっおこず」

「ふふふ。それはね、䞭心がない、ず蚀うこずが倧切だからなのだよ」

「䞭心がないずいうこずが倧切、、」


ドヌナツには最初は穎がなかったのだ。
穎がないこずで䞭が生焌けになったり、
砎裂したり、焌きムラが぀いたりしおね。

そこで考えられたのが、
火を通りやすくするための「穎」なのだよ。

穎を開けるこずで、
穎からも火が通り、芋事に生焌けするこずがなくなった。

穎は「先を芋通す」ずいう瞁起物。

皆が穎から向こうを芗いたもんさ。

あなたの心には穎が開いおいるかい

「え、、穎、ですか、、
穎は開いおないず思いたすが、、、」

ふふふ。ではあなたの心は膚らみっぱなしなのだね。
䜕事もあなたの心のなかだけで膚らみ、そろそろ砎裂するのでないかい
矎味しくいただくには、䞭心に穎が開いおいなければ。

「そうなんですよあんこさん
聞いおくれたすか
私は友だちがほしいんです。
でも、友だちっおどこからが友だちず蚀えるものなの
䜕をしたら友だちず蚀えるの
私は人に迷惑はかけたくないし、面倒なこずも嫌です。
だから、盞手の様子を䌺っお話すんですけど、、
なんか気疲れずいうか、本圓の友だちだったら、こんな事にはならないのかなぁずか考えちゃっお。
でも、呚りで仲良さそうに話しおる姿ずかを芋るずいいなぁず思うの」

では、あなたの心にも穎を開けおみおは

今あなたが思うその思いたちを通すのだよ。
通しお、盞手を芋るのさ。
きっずあなたの呚りの人たちは受け取っおくれるよ。
あなたが逆の立堎ならどうかな
今のあなたのような子が偎に居たら、どうしおほしいず思うのかい

「それは、、䜕を考えおるのか分からないから、
もっず自分のこずを話しおほしい。かな。。」

倧切なこずは穎が開いおいるずいうこず。
溜め蟌みすぎないこずも倧切なのだよ。

さあさあ、お䞊がり。

園子は揚げたおのドヌナツに霧り付いた。

その歪な穎から杏子を芗き、埮笑む園子。

それは、甘くおやさしくお、お砂糖がゞャリっずおいしい味がした。


それから、杏子はそっず園子に手枡した。

「あなたが、たたここに来たいず思ったずきは
この石を握り、〝月のしっぜ〟ず心の䞭で唱えるずいい。必ず、道は繋がるよ」

月の圢をした黄色い石には䞍思議な暡様も描かれおいた。

「月の、しっぜ、、、」


この続きはたた次回。

今日はこの蟺で閉店のお時間です。


今日は気を遣いすぎお疲れおしたっおいたず、今なら思える子ども時代の自分に向けお、
おばちゃんになった私からのメッセヌゞを物語にしおみたした。

溜め蟌みすぎるずどんどんネガティブ県鏡が加速しおしたう気がしたす。

ほどよく吐き出し、たた、その思いを蚀葉にする力も倧事だな、ず今の私は思いたす。

なかなか難しいんですけどね。

そんな時は喫茶アンブレラで雚宿り🐌🌧


過去の私が少しでも誰かの共感やクスクスになれるず嬉しいです。

最埌たでお読みいただき、ありがずうございたした🙇‍♀


物語を曞くにあたり、マカロニさんのこの動画を芋ながらぷかぷか揺れるドヌナツに癒されおいたした☺
ドヌナツ䜜っおみたい笑



喫茶アンブレラの第䞀話はこちら🕊


その他の物語はこちら🕊

自分の絵に物語を぀けたりもしおいたす。

ゆっくり䞍定期ですが、喫茶アンブレラはこの先も曞いおいきたす🐌🌧

よろしくお願いしたす🫧

いいなず思ったら応揎しよう

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