詩以上散文未満 | 平熱サイダー
ぬるくたって冷たくたって価値は変わらない。
……はずなのに、もういらない。
平熱サイダーもういらない。
斜陽に溶けた、炭酸上昇。
飲み込めない二酸化炭素、批評みたい。
お勉強するほど笑えないことひとつ増えてく。
解像度1024、微熱モニター目を閉じる。
ねえちゃんと教えてよ、がらんどうの足元じゃ歩けないよ。
振り向けばほら、不細工な夏が立ってるから。
夏なんてなんの役にも立たない。
濡らす頬乾かさない夏なんて、もういらない。
温い風も、もういらない。
斜陽が化けた、宵の口。
上がりきらない炭酸ストロンチウム。
爆ぜた花に残す記憶。
散ったものを証明する術なんてないんだよ。
平熱サイダー。
花束落として歩き出す。
斜陽が溶けた。
花が覚えていないから。
夏が消えた。
がらんどうの夏が、消えた。
君といた幻を恋と呼ぼうか。
