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【中国サステナニュース⑧】中国企業のサステナビリティ取り組み - SAB・JACK・YOTRIO

中国市場関連のニュースやコラムをご紹介しております。

本日は水曜日ということで、水曜日(星期三シンチーサン限定の投稿として、中国のサステナビリティ関連の話題をご紹介いたします。

今回も先週に続き、中国企業のサステナビリティ戦略と達成状況をご紹介したいと思います。

先週まで、CATLやBYDなど、日本での知名度も高く、売上規模にして1兆円以上クラスの大企業のご紹介が続いたので、本日は日本での知名度がそれほど高くない企業に注目してみましょう。

案内役のシンチーサン


① SAB / 浙江偉星Wěixīng

■主な事業:ファスナー、ボタン、金属・プラスチック製品、織テープなどのアパレル・バッグ副資材。

■企業概要:浙江省台州市臨海市に本社を置く、中国を代表する服飾副資材メーカー。1988年設立、2004年に深圳証券取引所へ上場。主力ブランド「SAB」の世界シェアは、ボタンでは世界最大級、ファスナーでは世界2位とされる。国内外に生産拠点を展開し、年間生産能力はボタン126億個、ファスナー10億m。2025年の売上高は48.00億元(約960億円)、2025年末の従業員数は約1万人。

■サステナビリティ戦略及び動向:
「長期持続可能な発展」を経営の重要な価値観として掲げ、環境配慮型素材・グリーン製造・循環利用を推進。
* 2025年には、再生ファスナーを約9,825万本、R-PETボタンを約5.5億個を生産。これにより、ペットボトル約3,920万本相当を再利用し、約1,369トンのCO₂排出削減につなげた。
* 原液着色による「原紗黒ファスナー」を約2,510万m生産し、約15,400トンの節水、約150トンのCO₂削減を実現。
* 大洋工業園の5.6MWp分散型太陽光発電設備を稼働させ、年間で約536万kWhを発電、約4,467トンのCO₂排出を削減した。
* ZDHC(有害化学物質排出ゼロ)への対応や、低VOC樹脂ボタンの開発など、製品そのものの環境負荷低減にも取り組む。

SAB公式アカウントでも環境対策の実績を発信
(カーボンインテンシティを5年間で26.6%減少、再生ファスナー本数9,825万本、など)

(サステナビリティ関連、環境報告書の参照リンク)
『2025年度社会责任报告』
証券時報『伟星股份:把握时尚抢占技术高地 打造服装辅料王国』


② JACK / 杰克Jiékè科技

■主な事業:工業用ミシン、裁断機、延反機、検反機、吊り下げ物流システムなど、アパレル生産向けのスマート設備・ソフトウェア。

■企業概要:浙江省台州市に本社を置く、世界的な縫製設備メーカー。1995年創業、上海証券取引所上場。工業用ミシンのほか、AI・IoTを活用したスマート縫製工場向けの総合ソリューションにも事業を拡大している。同社の対外的な説明では、2011年以降、工業用ミシンの世界販売量1位、2020年以降は世界販売額1位を維持している。製品は170以上の国・地域に展開し、世界8,000社以上の販売ネットワークを持つ。2025年の売上高は約65.6億元(約1,310億円)、従業員数は約7,600人。

吊り下げ物流システムで縫製工場のスマート化を支援

■サステナビリティ戦略及び動向:
「カーボン排出強度ピークアウト(2030年迄をターゲット)」「カーボンニュートラル達成(2060年迄をターゲット)」を長期的な気候目標として設定している。
* 自動化・リーン生産方式による製造工程の省エネを推進。空気圧縮機の余熱回収など、エネルギーの有効利用にも取り組む。
* 2025年には約1,766トンのCO₂排出量をグリーン電力証書で相殺。
* サプライヤーに対しても「減炭・循環・コンプライアンス・効率」を軸としたグリーンサプライチェーンへの転換を進め、環境面で優れたサプライヤーへの調達上の優遇なども実施。
* デジタル化・AIによる生産効率向上を、エネルギー使用量や資源利用の削減にもつなげる「グリーン製造」を推進している。

(サステナビリティ関連、環境報告書の参照リンク)
『2025年度环境、社会和公司治理(ESG)报告』 


③ YOTRIO / 浙江永强Yǒngqiáng

■主な事業:屋外用家具、パラソル、テントなどのアウトドア・レジャー用品の研究開発、製造、販売。

■企業概要:浙江省台州市臨海市に本社を置く、中国を代表するアウトドア家具メーカー。主力ブランド「YOTRIO」を展開し、米国・欧州など世界市場に製品を供給。Costco、Home Depot、Lowe'sなど大手小売企業のサプライチェーンにも参入している。2025年の売上高は56.58億元(約1,130億円)、年末の従業員数は約1万5000人。2025年の海外売上は約55.2億元で、売上の大部分を海外市場が占める。海外売上比率は約97%にも達する。

同社が展開するアウトドア家具(ホームページより)

■サステナビリティ戦略及び動向:
* 2024年、SBTi(企業の温室効果ガス削減目標がパリ協定の「1.5度目標」と科学的に整合しているかを検証・認定する国際的イニシアチブ)の目標認証を取得。中国のアウトドア・レジャー業界では初めてSBTiの目標認証を取得した企業とされる。
* 2025年にはSGSから、アウトドア家具業界で初となるISO 14068-1カーボンニュートラル宣言検証証書を取得。
* 再生プラスチックの使用比率を高めるなど、製品・生産工程のグリーン化を推進。再生素材を使用した家具についてはGRS認証も取得している。
* 環境負荷低減だけでなく、製品の耐候性・耐久性向上やスマート製造への投資を進め、「長く使える製品」「資源効率の高い製造」につなげている。
* 2025年にはEcoVadisのCSR国際評価でも認証を取得し、サプライチェーンにおける環境・社会面の取り組みを強化している。

(サステナビリティ関連、環境報告書の参照リンク)
『2025年年度报告』(深圳証券交易所)


🔹まとめ🔹

今回は、1,000億円前後の売上規模の3社をご紹介しました。

SAB(アパレル副資材)やJACK(ミシン)は、業界内では知る人ぞ知る企業ではありますが、一般の日本人にとってはほとんど馴染みがないでしょう。

ただし、2社とも堅調な成長を続けており、SABは日本が誇るファスナーのリーディングカンパニーであるYKKの背を力強く追いかける存在であり、JACKについてはすでに工業用ミシンの分野で世界トップシェアを誇っています。

また、3社目のYOTRIOについては、実は本記事を作成しながら、SAB、JACKが「浙江省台州市」に経営拠点を置く企業であることに気づき、もう1社も同じ台州市の企業を、ということでリサーチし選定いたしました。

YOTRIOについては、単独のESG報告書こそないようですが、対外的に環境負荷低減のために様々な取り組みを行っていることは上記でご紹介した通りです。

浙江省は企業数、工場数とも中国屈指の省。
今後も、引き続きご紹介できればと思います。


水曜日(星期三シンチーサン)限定の中国サステナニュース、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本記事の作成にあたっては、企業の選定を日中チームで行い、レポートの検索と草案作成はChatGPTに依頼し、内容チェックと最終的な校正をスタッフで行いました。

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