モグラが可愛すぎるから、アンデルセンの親指姫を改変したい
どうも。
タイトルからお察しですが、常に訳のわからない妄想をしているINFPです。ようこそ。
先週の大雨で、家の近くの川が氾濫しました。
氾濫というと大げさですね。
大河なので広い河川敷が用意されていて、大雨が降ると近くの川の水をそこに集めるシステムになっているのです。
なので河川敷一体が水没したのも想定の範囲内。
先月の大型台風の時もそうだったのですが、
普段は野球やサッカー、ラグビーのグラウンドとして活用されている広大な広場が、一夜にして水深1mほどの即席の大プールとなりました。
景色は一変し、サッカーゴールの辺りを大きなフナが悠々と泳いでいて、カモやサギがたくさんいます。
タモを持って遊びに来ている人もいて、それはそれで楽しそう。
ちらりと、この辺りに住んでいたキジ達は上手く避難できたかな、と考えました。
グラウンドに巣を作っていたヒバリのことも。
翼ある生き物でも、ヒナがいては逃げられないでしょうから。
2日もすると、水は嫌な臭いのする泥を残してあっさりと引きました。
普段は車の通らない道路の真ん中に、小さな生き物を残して。
「やだー!ネズミ!」
前を走る自転車の女の子たちが、大げさに道の真ん中を避けます。
転がっていたのは、モグラでした。
地中にいる時に溺れて、そのまま流されてきたのでしょうか。
黒色の柔らかそうな毛皮に包まれた、小さな亡骸。
あまりにもふわふわで、いけないと分かってはいましたが、思わず人差し指で撫でてしまいました。
なめらかな、まるでビロードのような毛並み。
このままでは日に当たってしまいます。
どこか木陰に移してあげたい。
どこか、日の光にさらされない場所へ。
小さな手を見ました。
全長10cmほどのその生き物の身体に対して、不釣り合いなくらいに大きいその手は、私の人差し指と親指の先でようやくつまめるほどの小ささで…
武骨な職人のような手でした。
私はその手を慎重に摘んで、木の下の草むらに隠しました。
その生き物が、ゆっくりと眠れるように。
ネズミと間違われることがないように。
モグラというものを初めて見たのですが、あんなにふわふわで可愛い生き物とは知りませんでした。
むしろ、どちらかというと童話『親指姫』の影響で「幼女を監禁して結婚を迫る変態」なイメージ。
モグラ、ごめん。
こんなに可愛い生き物を、悪役のままでおいておきたくありません。
ディズニーが『人魚姫』をハッピーエンドにしたように、もしも改変していいのなら。
私は、親指姫が大人になった後の世界を想像します。
花の国で王子と結婚した後の親指姫が、いつかまたモグラのもとを訪ねるシーンを。
「あの時は幼すぎてあなたの孤独を思いやることが出来なかった」
「私も、あなたが光の中でないと生きられないことを分かってなかった」
お互いに謝って。
そうして、友達になる道があるなら…
どんなにか救われることでしょう。
それから。
たびたび親指姫はツバメに乗ってやって来て、モグラの扉を叩きます。
「ねぇ聞いてよ!あのマザコン王子…!」
扉を蹴破る勢いで始まる親指姫の愚痴。
やれやれとうんざり顔で天を仰ぐツバメ。
「夫婦仲悪いの?」と本気で心配するモグラ。
お茶を入れて、親指姫が持ってきた手土産をみんなで食べて。
「そろそろ帰る時間だよ」とツバメが促しても、親指姫の愚痴は止まりません。
「なんだかんだで王子のこと大好きじゃん」
「全然っ!あんなやつ、全然好きなんかじゃないんだからねっ!」
そんな幸せなツンデレエンドがあっても、いいのではないでしょうか。
ねぇ、アンデルセン。
あなたの恋はいつも報われなくて…
そのせいか、深い孤独を抱えていたと聞いた。
だけど、恋じゃなくてもいいじゃない。
親はあなたを愛してくれたし、若くして才能も認められた。
なら、ちょっとくらいモグラに幸せをあげても…
だめかな?
気を悪くする?
だって、すごく可愛い生き物だったんだもの。
こんなの嫌いになれないよ。
私の妄想が現代の価値観の上に成り立っていることは百も承知で、だからこそ「王子との結婚」という童話の正解は動かさずに、なんとかモグラも幸せにしてあげたい。
そんなことを、小さな亡骸を見て思いました。
おしまい。
どうでもいい妄想にお付き合いいただき、ありがとうございました!
