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砂漠の論理、森の論理。私たちが「和」を選んだのは、道徳ではなく究極の生存戦略だった


私たちは、なぜ「和」を尊び、争いを避けるのか、の根本理由を考えてみた


SNSを開けば日々繰り返される不寛容な「叩き」や、白黒をハッキリつけようとする二極化の議論。 「なぜ、こんなに生きづらく、ギスギスした世の中になってしまったのだろう」 そう感じている方は少なくないはずです。

本来は、日本人は「和」を尊び、争いを避けるのが基本的な性格でした。
少なくとも、私が幼少のころはそうでした。
刺青のおじさんも優しかったし、子供の面倒をよく見てくれていました。

単に「学校でそう習ったから」なのか、あるいは「国民性」という曖昧な言葉で片付けられるものなのでしょうか。

実は、私たちが持つ「和」の精神の根源は、道徳ではなく「食の豊かさ」「列島の位置的袋小路」という、極めて物理的な環境から生まれた、世界でも稀に見る高度な生存戦略だったのではないでしょうか。

もっとも、これらのことが原因で日本人の道徳に昇華したのだとみれば、道徳に基づくともいえますが、まあ、そのアイデンティティが形成された原因を考えてみようと思ったのです。

この日本人のアイデンティティの根幹について、自分なりに資料を集め読み解いたうえで小冊子『日本人が「話し合い」を好むのは、土地が豊かすぎるからだ: 聖徳太子、縄文DNA、ユダヤ渡来説から読み解く「和」の正体』を出版しました。

一條清臣は、私のペンネームです。

2. 本書で主張したかった事:砂漠と森、そしてDNAが語る真実

本書では、これまでの「日本人論」を俯瞰しつつ自分なりの見解を、4つの章を通じて描き出してみました。

① 「水源」の差が文明を決めた

西欧近代思想や中東の一神教が生まれた風土は、水場が点在する過酷な「砂漠(極限)の地」です。そこでは隣人の出現は水源を奪われることを意味し、それは死を意味します。
ゆえに、相手を殲滅する「排除の論理」が生まれました。旧約聖書でも、多民族の土地を奪うことを神が認める箇所がたくさんあります。

一方、日本列島はほとんど「どこにでも食料がある」という異常なほどの豊饒の地。「あちらの谷を譲っても、こちらの山で食べていける」という余裕(逃げ場所)こそが、徹底抗戦ではなく「和合」を選ばせる決定的な要因となったのです。そして、ゆくゆくは手を携えて開拓を進めれば、さらに豊穣の地は広くなります。

② 最新科学「三段階モデル」と日ユ同祖論のリアリティ

2021年のゲノム解析により、日本人は「縄文・弥生」の二重構造ではなく、古墳時代に渡来した第三の集団を含む「三段階の混血」であることが判明しました。 さらに本書では、古代イスラエルの「失われた十支族」が日本に到達していたという仮説(日ユ同祖論)にも、比較宗教学や伝統行事の痕跡から検討を加えます。
砂漠の峻烈な思想を持った民が、日本の豊かな森に触れたとき、トゲを失い柔和な「和」へと変質していった……そんな壮大な歴史のロマンを描きました。

③ 民主主義以前の合意形成「言向け和す」

聖徳太子の「和を以て貴しとなす」は、単なる綺麗事ではなく、国家存亡をかけた泥臭い統治技術でした。 日本では武力による「征服」ではなく、言葉を尽くして「納得」させることを「言向け和す(ことむけやわす)」と呼びます。暴力を「恥」とし、夜通しでも全員の落とし所を探る「寄合(よりあい)」の文化は、豊かな自然がもたらした合理的な生存プログラムだったのです。

④ 「和」の暴走と、現代への提言

しかし、この「和」が近代化のプレッシャーの中で「同調圧力」へと変質したとき、日本は世界大戦へと突き進む自己矛盾を起こしました。現代の靖国合祀問題(伝統的な和の死生観と、近代的な個の責任の相克)にも真っ向から向き合い、私たちが今、どのようにして「DNAに眠る真の和」を再起動すべきかを提言します。

3. 著者の想い:なぜ今、この本を書いたのか

現代の日本において「和の精神」が薄まり、寛容さが消え失せているように見えるのは、私たちが「土着の豊かさ」を見失い、食料やエネルギーを外部に依存して「供給を断たれる恐怖」の中にいるからに他なりません。

しかし、私たちのDNAには、数千年にわたって蓄積された「争わずに生き残るための高度なプログラム」が書き込まれています。海を渡ってきた異邦人を温かく迎え入れ、混じり合い、議論を尽くしてきた先達たちの記憶です。

「この豊かな大地を、争いで汚すのはあまりに愚かである」という究極の知性に、もう一度立ち返る時が来ているのではないでしょうか。

読者の皆様が、ご自身のルーツを再発見し、未来の日本を考える上での一助となればこれほど嬉しいことはありません。

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安田喜憲氏(環境考古学)、梅原猛氏(哲学)、和辻哲郎氏(倫理学)、そして井沢元彦氏の『逆説の日本史』など、多くの先達の知恵に深く触発されながら書き上げた1冊です。

手軽に読める小冊子(AmazonKindle版含む)としてまとめていますので、ぜひ知的な歴史の旅へ出かけてみてください。

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