90秒でわかるAI・半導体|NAND
30秒でわかる、この用語

NAND(ナンド)は、電源を切ってもデータを残しておける「フラッシュメモリ」の代表的な方式です。
スマートフォン、PCのSSD、USBメモリだけでなく、AIデータセンターの大容量ストレージにも使われます。代表的なメーカーはSamsung Electronics、KIOXIA、SK hynix・Solidigm、Micronなどです。
DRAMが「いま計算しているデータを素早く置く作業机」なら、NANDは大量のデータを残しておく倉庫。AIでは学習データ、画像・動画、ログ、推論用データなど、とにかく保存するデータ量が増えるため重要性が高まっています。
たとえるなら、NANDは「AI時代の巨大な本棚」です。
30秒でわかる、なぜ重要か
AI半導体というとGPUやHBMが目立ちますが、AIは計算した後も膨大なデータを保存し、何度も読み出します。そのためデータセンターでは、大容量のエンタープライズSSDが不可欠です。
2026年はAIインフラ投資を背景にサーバー向けストレージ需要が強く、TrendForceは2026年7~9月期のNAND契約価格について前四半期比10~15%上昇を予想しています。特にAI推論や大規模データセンター建設が需要を支えているとしています。
一方、PCやスマートフォンなど一般消費者向け需要は弱く、AI・サーバー向けと民生向けで温度差が大きいのが現在の特徴です。
NANDは単なる「安いメモリ」ではなく、AIデータセンターの記憶容量を支える基盤部品になりつつあります。
30秒でわかる、3年後

標準シナリオ: 3D NANDの高積層化・大容量化が続き、AIサーバーやクラウド向けSSD需要が成長する。
強気シナリオ: AIエージェントや動画生成などで保存データが想定以上に増え、大容量SSDへの投資がさらに拡大する。
弱気シナリオ: NAND各社の供給能力増強が需要を上回り、価格下落によってメーカーの収益性が再び悪化する。
実際、TrendForceは2027年後半にはNANDの供給増加が需要を上回り、需給が緩む可能性を指摘しています。つまり「AIで需要が増える=ずっと価格が上がる」とは限りません。
今後は、需要の伸びと同時に供給能力も見ることが大切です。
今後見る数字:①エンタープライズSSD需要 ②NAND各社のビット出荷量・設備投資
覚えておきたい一言
HBMがAIの「作業机」なら、NANDはAIの「巨大な倉庫」。
GPU・HBMだけでなくNANDまで見ると、AIデータセンターが「計算する場所」だけでなく「莫大なデータを保存する場所」でもあることが分かります。
主な出典
TrendForce「AI Server Demand Continues to Support Memory Prices in 3Q26」(2026年7月3日)
TrendForce「NAND Flash Supply Growth to Outpace Demand in 2027」(2026年7月21日)
TrendForce「Diverging Memory Market Outlook in 2027」(2026年7月30日)
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