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"COPY BOY" がくのクロヌンは小孊生③【これが僕!?】

ワケあっお、倧孊生の僕はクロヌンず暮らしおいる。ダツは小孊2幎生。歳の子どもだ。
顔は、幌い頃の僕ず党く同じ。ホクロもすべお同じ䜍眮にある。
生意気にも同じ盞手に恋をする。ゞャンケンするず決着が぀かない。
なんで、こんなこずになったのか。よかったら、そのワケを聞いおほしい。          ※第話ぞ


春、第話

氞田町にほど近い、倖堀通りを芋䞋ろすようにそびえる高局ビル。
長い゚レベヌタヌを降りるず、真っ癜い壁が立ちはだかっおいる。どこから入ればいいのだろう。

「わんわん保険」ずいう野暮ったい呌び名に䌌合わず、「ONE ONE INSURANCE」ずモダンなロゎが間接照明で浮かび䞊がっおいた。
真新しい建材のいい匂いず、かすかなお銙の銙り。䞀本足の小さなカりンタヌにちょこんず眮かれたタブレット。「お玄束の方」ずいう衚瀺を遞んでタップするず、「顔を写しおください」ず指瀺。シャッタヌ音ずずもに、画面がフリヌズされ、光が䞋から䞊ぞ スキャンだろうか。やがお音もなく壁が開いた。

ロビヌは思ったより広かった。倩井が高く、䞀面の窓を生かしお、無機質だが癜を基調にした開攟的で䞊品な空間が広がっおいた。別䞖界。こんなオフィスで働ける人間もいるんだな。
奥に誰かがぜ぀んず座る。あのメガネの女性だ。片手にコヌヒヌカップ、片手にスマホ姿で䞍意を突かれお固たっおいる。グミみたいな緑の゜ファヌの䞊、油断そのたたで䞞いメガネの瞳を䞞くしお。
「   。」
「あのう 。」
「はぁっっっ。」我に返り、グミから飛び起きた圌女は「あ、すみたせん、お早かったですね。」ずカップを眮くず、「こちらです。」ず案内しおくれた。

「この人、存圚しおたんだ」今日は柔らかな私服ずいうこずも手䌝ったのだろう、劙な安心感があった。
スタバでの䞀件は倢だったんじゃないか ず心配だった。就掻が蟛すぎお僕は頭がおかしくなったのかいもしない女性のたがろしを芋たのか確かめないず通垞の生掻に戻れない気がしお。しばらく気が気ではなかった。だから蚪れたのだった。

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真っ癜な廊䞋を進む圌女の背䞭に、
「あの 」
「はい」振り向いたのは、あたりに無垢な衚情だった。蚀いづらくなった。
「先日のお話 」
「はい。」
すれ違う癜衣の人々が、僕の顔を芋るたび振り返っおコ゜コ゜話しおいる。なんだよ。
「正盎、あたり芚えおいなくっお 。そもそもおっしゃった意味も理解できおいたせんでしたから」
「倧倉倱瀌したした。そうですよね。いきなり過ぎたしたから。気分を害されたのは圓然ですよね。」
「すみたせん。あの時は、なんだかよく分からなくお。゚むプリルフヌルだったし。怒っおいきなり垰っおしたっお、ほんずすみたせん。でも、なんおいうか わざわざあんな劙な冗談を蚀いに来られた理由が気になっお。こちらをググっおみお。ずにかく、お話を聞くだけでもず 。」気恥ずかしさでしゃべりすぎ。
「ありがずうございたす。よかったぁ。」メガネちゃんはあの人懐っこい笑顔になった。

埅たされた䌚議宀は、4面を芆ったガラスに化孊匏のような癜い蚘号が矎しく幟䜕孊的にプリントされおいた。掗緎されたデザむンに䌌぀かわしくない、ガダガダ声ずずもにおじさんおばさん3人組が入っおきた。

「いゃぁ、わざわざお越しいただいお。」
僕を芋るなり、なぜか互いにほくそ笑み合う。
なんだなんだ
「すみたせんね、先日は驚かせおしたっお。少々荒っぜかったですが、おかげでお目にかかるこずができたした。犬巻ず申したす。」駄菓子屋のおばちゃんみたいな顔に、厚化粧で高玚そうなスヌツがどうも䞍䌌合いだ。銎れ銎れしくも劙に慇懃無瀌な口調で名刺を差し出した。
そうだ、名刺の受け取り方ずかも緎習しずかなきゃな。シュヌカツ的には。そんなこずを考えおいた、ただその時は。

犬巻枕子の名刺にはCEOずあり、その隣には、「ないかくふ」
「内閣府の者です。保険䌚瀟なんですけどね、私は出向みたいなもので。」
おじさん二人は、ただ黙っおニコニコしおいる。東京倧孊医孊研究科の遺䌝子工孊やらなんやらの暩嚁ずいう教授ず顧問匁護士。䞀床に玹介されおも芚えきれない。

「すっかり暖かくなりたしたね。朝晩は冷えたすけど。さっきも四谷の桜がすっかり満開でしたよ。これ、赀坂青野の栗倧犏です。日本茶でよろしいですかね。」
犬巻がよっこいしょず座った。
「たずは、わが瀟に぀いおね。こちらを芳おくださる」
倧きなモニタヌでビデオを芋させられた。可愛い犬ず飌い䞻の楜しそうに遊ぶスロヌ映像がゆっくりフラッシュする。小田知正颚の泣けるBGM。テロップが入る。
”愛するペット、もしも早すぎる別れが蚪れたら、あなたはどうしたすか”
どうやらペット保険を扱っおいるらしい。

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わかったずころだけ、かい぀たんでいうず 、

䟋えば、ペットの犬が死んだずする。保険で支払われるのはお金ではなく、犬そのもの。しかも、愛犬ず党く同じクロヌン犬。
”愛するペットの死を受け入れられない飌い䞻が、もう䞀床䞀緒に暮らしたい ”
そんな想いに応えるため、愛犬をDNAから培逊しお、党く同じクロヌン犬を飌い䞻の元に垰す保険だった。
そういえば、そんなニュヌスを芋た気もする。

「わが瀟のクロヌン技術は、あなたの亡きお父様、汐劻教授のご尜力によっお、䞖界に類を芋ないほどの高いクオリティヌを実珟したした」
「はあ」
「ず、いうわけで、あらためおご玹介したす 」犬巻が誇らしそうにドアを指し、
「あなたのクロヌンです。」

郚屋に入っおきた汚れた運動靎。
メガネちゃんの手にぶら䞋がりながら埌ろに芋え隠れする圱。圌女の腰に隠れお、恐る恐る芗く目。堎に䞍䌌合いな小さな男の子。
小孊生も䞋の方だろうか。目深に被った野球垜の䞋に愛想のない衚情。爪を噛みながら䞀重たぶたで僕ををチラリず芋た。知らない倧人に緊匵しおいるのか、そっぜを向きワザず気にせぬフリをしおいる。
今日あらためお芋おみたが、やっぱり可愛くない。

「こちらのお子さん、歳のあなた自身です。」
「歳 。」

アニメの巚匠、宮厎腹男に䌌た山矊教授。癜髪亀じりのヒゲに埋たった口を開いた。
「汐劻さん。いやぁ、すっかり倧人になられお。お父様ずは旧生物工孊研究所の悪友でしおね。」僕を嬉しそうに芋぀め恍惚の衚情で「クロヌンっお聞いたこずありたすよね ã€‚」
「はあ。映画ずかで。」
「あなたず党く同じ遺䌝子配列を持っおいる同䞀個䜓ずでも申したしょうか。この子、あなたより幎遅れお生たれたクロヌン人間なんです。」
「あのう 」
「幎前。圓時12歳のあなたから现胞を摘出し、栞から培逊を始めたした。10ヶ月経過するずヘ゜の緒のチュヌブを倖しお、溶液プヌルから出たずころを分嚩ず芋なしたす。そこから幎。だから歳的な。」
「的な ちょっず埅っ 」
「我々は幎霢を、そう数えおいたす。」
䜕を蚀っおるのだ、このヒゲのおじさんは。

 あの、よくわかんない話すぎお 。理解できないんで、もう少し分かるように説明しおもらえたせんか。珟実ばなれ。だいたい、どう芋たっお、こんなク゜可愛いげのない子どもが、僕のはずが。

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犬巻がタブレットの写真を芋せた。「これ、あなたですよね。お父さんがお持ちでした。」
圓時の父ず僕が写っおいる。 
「ああ、父ず䜏んでいるころに埌楜園ゆうえんちに行きたした。僕も持っおたす。この写真。」
「子どものころのあなたの顔、よくご芧になっお。」
「はい芋おたす  」
犬巻が指で倧きく匕き延ばした。芗き蟌むず、画像が少し荒いが、やや眩しそうにしかめっ面をした、おせじにも可愛いず蚀えない僕の䞀重の目ず䜎い錻。ぞの字に結んだ薄めの唇。
「くらべおくださいな。」
目を移すず、今、目の前に、そっくりそのたた寞分たがわぬ姿で遊んでいる子ども。なぜかTシャツも写真ず同じだ。
「ほらね。」

に、䌌お  る。

「䌌おたす、かねえ 」動揺を悟られないためには、他人事みたく぀ぶやくしかない。
ヒゲのダギ教授は嬉しそうに、うんうんずうなづく。
「ほんずうに、そっくりたるで芞術品よね。ほら、垜子をおずりなさい。よヌく、顔を芋せお差し䞊げお。」
嬉しそうに、犬巻がそい぀のシャツをめくるず、小さなおぞその暪にホクロが申し蚳なさそうに぀いおいる。子䟛甚のスニヌカヌを脱いで、小さな靎䞋を匕っ匵るず、巊足小指が゚ビのように曲がっおいる。
「あなたも同じですよね。」
家のばあちゃんしか知らないはずなのに。

「あなたさっき、受付でどうやっお䞭に入りたした」
「゚レベヌタヌ降りたずこのタブレットで」
「こうさいにんしょうです。県球の虹圩認蚌。」
「ええ、撮りたした。」
「我々はあなたのデヌタは入力しおいたせん。しかしあなたは䞭に入れた。事前に別の虹圩を登録しおいたんです。」チビを顎で指し「 その子のね。」

少幎が、その瞳で僕を芋あげた。

「確かめお。指王もすべお同じはずですよ。」
ちょ、ちょ、ちょ。ちょっず埅っおくださいよ。そんな話、信じろっお蚀ったっお無理です。
人間はたずいっす。人間は。倫理的にアリなのこれ突っ蟌みどころが枋滞しおいたす。どこから手を぀ければいいのか。
そうだ、これは趣味の悪いドッキリかもしれない。
そもそもなんで本圓の話なら、なんで僕にクロヌンなんお

「ええ、ええ、ご乱心はごもっずもです。いろいろ聞きたいこずもおありでしょう。そのぞんはたたゆっくりお話ししおたいりたす。」犬巻は日本茶をすすっお、
「で、本日は぀、玠敵なお話がありたす。」

ひず぀目は、
「この子ず䞀緒に暮らしおください。」
「は」
「この子はあなた自身です。お父様が亡き今、残された忘れ圢芋のこの子をあなたが匕き取るんです。残された子どもたち同士で手を取り合っお生きる。玠敵でしょ。ね。」
いやいやいやいやいや。
「玠敵ではないです。」
子䟛を預かるなんおムリっしょ。僕は就掻䞭の身で、僕のバむト代ずばあちゃんの幎金で现々ず暮らしおいるんです。
「その点はご心配なく。ふた぀目の玠敵なお話。お絊金が出たす。」
「おきゅうきん」
「汐劻さん、就職掻動をされおいるずか。」
なんで知っおんの
「急すぎお 。䜕をするのかもわかっおたせんし。」
「この子ず䞀緒に暮らす、ただそれだけです。行動を共にし、ひず぀屋根の䞋で生掻しおください。時々、レポヌトしおもらえればOK。りチに就職したず思えばいいじゃないですか。」
内定がこんな圢で目の前に 。
いや、いや、いや、グヌルグルずかオシャンティな䌁業でなくおいいのこんな蚳の分からない仕事でいいのか僕が人生を捧げたいラむフワヌクはただ芋぀かっおいないのに

「報酬は月30䞇円。逊育実費ずしおさらに20䞇。䜵せお50。臚時で必芁な経費があればその郜床ご盞談できたす。ね。玠敵でしょ。」

ご、50䞇 。
䞀緒に暮らすだけで月50たんえん
話だけでも聞いおみるか。あずから断れるし 就掻しながらできるかも。

「決たりね。これからは内閣府付特別研究員の猫塚がいろいろケアさせおいただきたす。」メガネちゃんは猫塚ずいうらしい。「LIMEでも亀換しおください。」
「QRコヌドでいいですか」互いにスマホを重ねる。なんだか照れ臭い。ずか、こっそり思っおみたりする。

「その代わり」今床は、匁護士が口を開いた。
こっちは俳優の枩氎掋ニ䌌の鶎田。テカった頭の䞊にふんわり産毛が申し蚳なさそうに乗っおいる。だからツル田は芚えやすい。
「この子がクロヌンだずいう事は、決しお口倖しないでいただきたい。高床に厳しい機密になりたすので埡泚意を。契玄曞ず守秘矩務誓玄曞ず保険の玄欟にサむンをお願いしたす。ちょっず倚いですが 。」
目の前に分厚いファむルが「どん」ず積たれた。
「Tvvitterで『クロヌン人間なう』ずか぀ぶやいちゃダメですよ」ず、
にやりず笑った。

家で埅぀ばあちゃんに、なんお話せばよいのだろう。
僕は栗倧犏をかじった。


぀づく


第話ぞ  前ぞ  次ぞ

いいなず思ったら応揎しよう

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