芋出し画像

日本の難民政策の圚り方に぀いお考える

本日4月5日、岞田総理の特䜿ずしおポヌランドを蚪問しおいた林倖盞は、日本ぞの避難を垌望するりクラむナ避難民20人を政府専甚機 B777-300ERの予備機の方に乗せお日本に垰囜したした。
 
避難民のうち人は、日本に芪族・瞁者がいない人で、身寄りのない人の受け入れは今回が初めおずなりたす。
 
人数は少ないものの、これたで囜際瀟䌚でも難民政策に぀いおは極めお消極的ず蚀われ続けおきた日本ずしおは「異䟋の察応だ」ずしお評䟡する声が䞊がっおいたす。
 
 りクラむナ避難民の状況
囜連難民高等匁務官事務所UNHCRによれば、2月24日のロシアの䟵攻開始以来、4月2日たでに自宅を離れお避難を匷いられた人が1,000䞇人に䞊っおいたす参考りクラむナの総人口は4,413䞇人。
 
そのうち、囜倖に逃れたりクラむナ人は413䞇人に䞊り、半数以䞊の240䞇人が隣囜のポヌランドに逃れたした。
 
たた、囜際連合児童基金UNICEFは、250䞇人の子どもがりクラむナ囜内で、200䞇人以䞊の子どもがりクラむナ囜倖で避難生掻を匷いられおおり、いずれも人身売買の危機に晒されおいるず譊鐘を鳎らしおいたす。

画像1

 難民や避難民などの違い
囜際移䜏機関IOMによれば、「移民」Immigrantsずは、移動の自発性や理由、滞圚期間に関わらず「本来の居䜏地を離れお囜境を越えお移動したあらゆる人々」のこずを指したす。
 
この䞭で「迫害を逃れるため」などの理由で、囜境を越えお移動した人々を囜際瀟䌚では「難民」Refugees(泚1) ãšå‘Œã‚“でいたす぀たり、難民は移民の䞀郚。
 
(泚1) ç¬¬ïŒ’次䞖界倧戊埌、囜際瀟䌚は1948幎に「䞖界人暩宣蚀」を採択。その埌、1951幎に締結された「難民の地䜍に関する条玄」難民条玄で「人皮、宗教、囜籍もしくは特定の瀟䌚的集団の構成員であるこず、たたは政治的意芋を理由に、迫害を受ける恐れがあるずいう十分に理由のある恐怖を有する囜籍囜の倖にいる者で、その囜籍囜の保護を受けるこずができない、たたはそのような恐怖を有するためにその囜籍囜の保護を受けるこずを望たない者」を難民ず定矩。なお、玛争などによっお䜏み家を远われたが囜境を越えずに避難生掻を送っおいる人々を「囜内避難民」(IDPsInternally Displaced Persons)ずいう
 
政府はりクラむナから逃れた人々を「難民」ず呌ばずに「避難民」Evacueesずいう蚀葉で明確に䜿い分けおいたす。
 
この「避難民」に぀いおは明確な定矩はありたせんが、難民ずしおの認定基準を満たしおいるかどうか、珟時点では刀断が぀かないため、暫定的に「避難民」ずいう蚀葉を䜿っおいるのです。
 
ただ、UNHCRでは、難民条玄には明蚘されおいない「囜籍囜での歊力玛争や人暩䟵害などから逃れお他囜に庇護を求める人々」も難民ず定矩しおおり、難民条玄創蚭時の理念にも照らし合わせれば、りクラむナ避難民は、実態ずしおは難民ずいっおも過蚀ではないず思いたす。
 
 䞖界の難民政策
2020幎末の䞖界の難民数は玄8,240䞇人およそ100人に1人が難民で、うち85は開発途䞊囜で避難生掻を送っおいたす。
 
難民ぞの支揎の倚くはUNHCRを通しお行われ、その掻動資金は各囜の政府が拠出しおいたす。日本はアメリカ、、ドむツ、スりェヌデンに次ぐ第䜍の資金拠出囜ずなっおいたす。
 
䞋のグラフは、2021幎における囜別の難民受入数を衚したものです。トルコ、コロンビア、パキスタン、りガンダは、それぞれの隣囜から倚くの難民が流入した経緯からかなりの人数になっおいたすが、隣囜からの流入はないドむツは、囜策ずしおこれだけ倚くの難民を受け入れおいたす。

画像2
2021幎における囜別の難民受入数
NGO World Vision 

たた、次のグラフは、2020幎における囜別の幎間難民認定数を衚したものですが、ドむツの幎間難民認定数は63,456人認定率41.7ず、矀を抜いおいたす。

画像3
2020幎における囜別の幎間難民認定数
NPO é›£æ°‘支揎協䌚

ドむツは、日本ず同じ第次䞖界倧戊の敗戊囜ずしお再出発しお以降、2000 å¹Žã«è¡€çµ±äž»çŸ©ã®äž€éƒšå€‰æ›Žã—お条件付きで生地䞻矩を導入し、2015幎に䞭東地域で難民が倧量に発生したずきは90䞇人もの難民を受け入れる等、難民政策を柔軟に倉えおきたずいう点で日本ずは察照的ずいえたすドむツ瀟䌚には、第次䞖界倧戊でナチス・ドむツが行ったナダダ人迫害ぞの痛切な反省から、人道支揎は積極的に行おうずいう思いがあるずいう。
 
 難民受け入れぞの転換点
こうした䞭、日本も遅ればせながら難民政策における倧きなタヌニング・ポむントを迎えおいたす。日本は囜連に倚額の資金を拠出する䞀方、長らく難民の受け入れには極めお消極的でした。
 
䞊のグラフのずおり、2020幎の日本の幎間難民認定数は、3,936人の申請者のうち、わずか47人認定率0.5に留たっおいたす。
 
日本が難民認定や受け入れに慎重な理由は、恐らく、単䞀民族の血統䞻矩囜であるこずや、隣囜から難民が流入した歎史を持たない島囜であったこず、文化颚習が良くも悪くも囜際瀟䌚ず違いすぎるこず等が挙げられるず思いたす。
 
しかし、今回のりクラむナ情勢を受けお、政府や囜民は䞀気にりクラむナ避難民受け入れの方向に舵を切っおいるように芋受けられたす。
 
月䞋旬の日経新聞による䞖論調査では、囜民のおよそ割がりクラむナからの避難民の受け入れに賛成しおいたす。

画像4
難民受け入れに関する䞖論調査nikkei.com

政府は、3月2日に岞田総理がりクラむナからの避難民受け入れを衚明しお以降、4月2日たでに393人のりクラむナ人が日本に入囜しおいたす。
 
たた、倖務省は圚ポヌランド日本倧䜿通にお「りクラむナ避難民支揎チヌム」を創蚭しお、日本ぞの枡航支揎ずニヌズの調査に着手したほか、法務省管蜄䞋の出入囜圚留管理庁は、日本での受け入れを怜蚎しおいる自治䜓や䌁業・団䜓等に情報共有を呌び掛けるなど、りクラむナ避難民の受け入れに向けお動き出しおいたす。
 
たた、政府は今埌、身元保蚌人が居なくおも特䟋で入囜を認めるこずや、就劎や医療保険の適甚も可胜な圚留資栌「特定掻動」ぞの倉曎も円滑に行えるようにするずしおいたす。
 
 日本の難民政策ず課題
今般のりクラむナ避難民受け入れを䞀時的な特䟋措眮で終わらせるのではなく、日本の難民政策の転換に぀なげるこずが重芁なのですが、課題は山積しおいたす。
 
() æž¡èˆªè²»ã®äžè¶³
䞖界には「経枈力が䜎い人ほど避難が難しい」ずいう珟状がありたす。぀たり、安党な囜に枡航したくおも枡航費が足りないために、困難から抜け出すこずができないずいう問題です。
 
ですから、先ずもっおこういう人たちに焊点を圓おお枡航費を手圓する必芁がありたす。枡航費の拠出が難しいようであれば、日本に向かう公甚商甚䟿の䜙垭を利甚するなど、せめお手段だけでも提䟛するこずはできるのではないかず思いたす。
 
() é›£æ°‘認定ずいう狭き門
仮に、日本に枡航できたずしおも、出人囜圚留管理庁による難民認定ずいう狭き門が埅ち構えおいたす。申請結果が出るたで平均幎以䞊、人によっおは10幎以䞊かかる堎合もあるようです。

画像5

ただ、「圚倖勀務で孊んだこず第回」でもお話したしたが、査蚌や圚留資栌に携わる者は、日本の安党のために「悪意ある枡航者をふるいにかける」ずいう職務を遂行しおくれおいたす。
 
難民に぀いおも、日本囜内でテロや犯眪に手を染める「停装難民」を芋抜く必芁があるからこそ、厳しい審査を行っおいるのです。
 ã€€
査蚌官を経隓した者ずしおは、申請人に「疑いの目を持ち」぀぀、他方で「人道䞊の枩かい目を向ける」のは、なかなか至難の業だずいえたす。
 
しかし、同庁は門戞を開いお、制床改革ず職員の意識改革に取り組たなければならないず思いたす。
 
平玠は日本の安党を最優先に厳しく審査し぀぀、人道䞊の危機に際しおはそれたでの審査基準を脇に远いやっおでも、出来るだけ倚くの受難者を日本に迎え入れられるような柔軟性が、これからの官庁や職員に求められる資質になっおいくのではないかず思いたす。
 
() ç€åœ°ç‚¹ã‚’どこに芋据えるか
難民は、いずれかのタむミングで母囜に垰囜するか、日本に定䜏氞䜏又は垰化するか、第囜に移䜏するかのいずれかになるず思われたす。
 
しかし、避難民の受け入れに本腰を入れ始めたばかりであり、政府ずしおどこを着地点ずしお難民政策を進めおいくのかが、珟段階では芋えおいたせん。
 
() æ—¥æœ¬ã®å—け入れ環境
そしお、最も倧事なこずですが、囜民の理解や支揎が必芁䞍可欠です。
 
日本での受け入れ環境圚留資栌、居䜏堎所、生掻費、就劎、就孊、医療、保険、蚀葉の壁(泚2) ãªã©ïŒ‰ã‚’劂䜕に敎えられるかが成吊の鍵ずなりたす。
 
(泚2) è­Šå¯Ÿåºã®èª¿æŸ»ã«ã‚ˆã‚Œã°ã€å…šå›œã§400人を超えるロシア語通蚳のうち、りクラむナ語を話せる通蚳は玄20人だった
 
難民が増え過ぎるず治安が悪くなる、働き口が奪われる、皎金が遣われ過ぎる、日本叀来の文化・颚習が脅かされる、身近な生掻で面倒が増える等の懞念もあるず思いたすが、難民を䞀か所に集めるのではなく囜内で分散させ、自治䜓や䌁業、団䜓等が積極的に関わる枠組みを䜜るこずで、このような懞念はある皋床は解消できるず思いたす。
 
曎に、より倧きな芳点でみれば、難民を日本で育み芪日家を増やし、囜際瀟䌚での日本の評䟡が䞊がれば、日本の商品、日本ぞの芳光、日本䌁業の海倖誘臎などに远い颚ずなり、それが囜民生掻に還元されるず思いたす。
 
難民が日本で働きやすい環境を敎えるこずで、日本の囜内総生産GDPが増加するずいう詊算もあるようです。
 
たた、危機管理の芳点からも、䞇䞀、近い将来に日本呚蟺で同様な事態が生起した際に、どのように難民を受け入れたらよいのか、そのノりハりを積んでおくこずも決しお無駄にはならないず思いたす。

画像6
東京新聞

林倖盞は「日本も可胜な限りりクラむナ避難民を受け入れおいく」ず蚀っおいたす。第、第のりクラむナ避難民が入囜し増えおいくこずは間違いない情勢です。
 
着地点を「日本ぞの定䜏氞䜏又は垰化」に定めるのも囜家戊略ずしおは有りだず思いたす。こうした難民たちが日本に定着しおいけば、日本の少子化からくる働き手䞍足の緩和にも぀ながるかもしれたせん。
 
() äž€äººäž€äººã®æ„è­˜æ”¹é©
私たちは、気づいおいるか、気づいおいないか分かりたせんが、「䜕故、りクラむナだけは特別扱いしたくなるのか」ずいう点にも目を向けなければなりたせん。
 
䞖界に目を向ければ、゜マリア、南スヌダン、シリア、アフガニスタン、ミャンマヌ等、ほかにも倚くの難民を抱えおいる囜が幟぀もありたす。人道支揎においお囜籍・民族などで「線匕き」するのは、厳密にいえば「停善」ずいうこずになりたす。
 
知らず知らずのうちに「線匕き」をしおしたっおいる自分自身に先ず気づく。その䞊で、行き堎を倱い絶望の淵に立たされおいる人々に囜籍も人皮も関係ない、ずいう境地に至るこずが倧切です。
 
難民に関する本質的な問題は、私たち䞀人䞀人の「意識」にあるのかもしれたせん。
 
【私たちにできるこず】
 ● 難民に関心を持ち、理解する
 ● SNSで発信する
 ● SNS等で盎接的間接的に励たす
 ● 支揎団䜓等に募金する
 ● ボランティア掻動に携わる
 ã€€
() è‡ªè¡›éšŠæ©Ÿã®æŽŸé£
今回、林倧臣はポヌランドぞの倖遊先からの垰路においお、政府専甚機ずいう名の自衛隊機の䜙垭にりクラむナ避難民を乗せたした。
 
しかし、回目以降は、たびたび倧臣等が倖遊する蚳にはいきたせん。かずいっお、商甚䟿をチャヌタヌするず倚額の経費が必芁になりたす。
 
そこで、自衛隊機を茞送に䜿っおはどうかずいう遞択肢が浮かび䞊がるのですが、自囜民保護ず盎結した「邊人茞送」ずいう名目が立おば自衛隊機を海倖に掟遣するこずは可胜ですが、茞送察象が倖囜人のみの堎合は法的根拠がありたせん。
 
ですので、自衛隊機で避難民を茞送するずいう道筋を確保するこずも囜䌚などで怜蚎する䜙地があるず思いたす。

画像7
Sankei News

䜙談ですが、アフガニスタンのずきは政府の決断は遅きに倱したず蚀わざるを埗たせん。この時、珟地人の扱いに぀いおもクロヌズアップされ、冷遇に凊したこずを批刀されおいたす。
 
特に、䜕十幎にもわたり日本倧䜿通やJICA、その他の日系組織・団䜓等で働いおきたアフガニスタン人の倚くは、各皮芁件が障壁ずなっお日本ぞの枡航が実珟せず、今もなお、タリバンの支配䞋で䞍遇の生掻を䜙儀なくされおいたす。
 
おわりに
日本人のDNAには、本来、驚くべきほどの「ホスピタリティ」が備わっおいたす。   
 
1890幎、和歌山の朮岬沖で嵐に芋舞われ座瀁したトルコ海軍の軍艊「゚ルトゥヌルル号」の乗組員を献身的に救助した地域の日本人たち。
 
圌らは、トルコの蚀葉や文化・颚習が党く分からなくおも、村䞭の者が私財を投げ売っお献身的に救護したした。
 
その埌、人道支揎は、思わぬずころで開花し、1985幎のむラン・むラク戊争で行き堎を倱った日本人にトルコが救揎機を差し向けたずいう逞話はあたりにも有名です。
 
たた、行き堎を倱ったナダダ難民に、本省の呜に背いおでも人道䞊の芋地から査蚌を発絊し続けた杉原千畝。むスラ゚ルでは、今もなお、偉倧な日本人の名は語り継がれおいたす。
 
こうした人道支揎こそが「真の囜益」に぀ながるのではないでしょうか。
 
今埌、倚くの難民を受け入れたずしおも心配は無甚です。「日本の心髄に぀いお語る」の郚䜜でも述べたしたが、日本人は決しお閉鎖的な民族ではなく、元々、倚様な神々を受け入れられる懐の深さが備わっおいたす。
 
私達は遥か神代の囜からの末裔であるずいう「正しい歎史芳」ず、倚様で寛容な瀟䌚を支えおきた「和の粟神」、そしお幟倚の危機を乗り越えおきた「倩皇ずの関係性」さえ厩壊しなければ、日本は日本であり続けるこずができるのです。
 ã€€
ですから、私たち日本人は躊躇するこずなく、行き堎を倱い絶望の淵に立たされおいる人々に救いの手を差し䌞べお、「人ずしお正しい道を迷わず突き進めばいい」のだず思いたす。