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南足柄市と「金太郎」伝説

先日、「金太郎のふる里」と呼ばれる南足柄市を訪れました。

金太郎塔
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)

誰もが知る、むかし話の金太郎ですが、平安時代に実在した武将・坂田金時(さかたのきんとき)の幼少期がモデルとなっています。

南足柄市について
神奈川県西部の静岡県境にある南足柄市は、古くから東国と西国を結ぶ交通の要衝でした。

特に、その境界点となった足柄峠は、周辺の遺跡の採掘状況から、既に縄文時代には開通していたとみられています。

足柄峠の標柱
《静岡県駿東郡小山町》
(Photo by ISSA)

更に、古墳時代には、東征を終えた日本武尊が、浦賀沖で命を絶った弟橘媛を想って「あづまはや」と叫んだ場所であり、

奈良・平安時代には官道(国道)に指定され、東国に赴く役人や防人たちが、西の故郷や家族を想って詠んだ歌が「万葉集」の中に多く残されています。

万葉公園
《神奈川県足柄下郡湯河原町宮上》
(Photo by ISSA)

坂田金時(金太郎)が、足柄山で生まれ育ったという伝説が定着したのは、平安末期のことです。

はこね金太郎ライン
(Photo by ISSA)

室町時代になると、この辺りで曹洞宗の禅師の弟子が、天狗となって寺を守護したという伝説が生まれ、関東屈指の霊場として信仰を集めるようになります。

地蔵堂ウォーキングマップ
《神奈川県南足柄市矢倉沢》
(Photo by ISSA)

金太郎のむかし話
むかしむかし(10世紀頃)、足柄山中の地蔵堂地区に、足柄兵太夫という名の四万長者が暮らしていました。

その長者の娘、八重桐が産んだ子どもが金太郎です。

金太郎生家跡地
《神奈川県南足柄市矢倉沢》
(Photo by ISSA)

近くには、落差23mの夕日の滝があり、

この水を産湯として使ったと伝えられています。

金太郎の力水
《神奈川県南足柄市矢倉沢》
(Photo by ISSA)

金太郎は、赤くて丸々とした、大変に元気な男の子として育ちました。

じっとしているのが嫌いな質で、「金」と書かれた赤い腹掛けをつけ、毎日、大きなまさかりを担いで野山を駆け巡り、野生動物を相手に遊んでいました。

ある日、森の奥から出てきた熊に組みつかれます。しかし、金太郎は熊を投げて返り討ちにしました。

これにはすっかり熊も地面に手をつき謝って、「自分を家来にしてほしい」と言います。

金太郎像
《神奈川県足柄上郡大井町・足柄大橋東側》
(Photo by ISSA)

それを見た森の動物たちも同様に、金太郎の家来となりました。

金太郎像
《神奈川県足柄上郡大井町・足柄大橋東側》
(Photo by ISSA)

生家跡の近くにある田んぼには、金太郎が持ち上げて遊んだと伝わる巨大な「たいこ石」「かぶと石」が今も残っています。

手前が「たいこ石」、左奥が「かぶと石」
《神奈川県南足柄市矢倉沢》
(Photo by ISSA)

やがて金太郎は、誰もが認める優しく力強い若者へと成長しました。

平安時代の高名な武将・源頼光が足柄峠を通りかかった際、金太郎の並外れた力と才能に目を留め、

「頼光雲気を察して足柄山に公時を得る」
歌川芳艶 作
文化遺産オンライン

頼光の家来となった金太郎は、名を坂田金時と改め、京の都へと上ります。

都では、頼光に仕える四天王の筆頭として活躍し、丹波国に住む凶悪な鬼、酒呑童子(注) を退治するなど、その武勇を天下に轟かせました。

(注) 酒呑童子(しゅてんどうじ)は、日本の三大妖怪の一つで、京都の山を根城にした鬼の頭領。普段は美しい少年の姿をしているが、大酒呑みで、怒ると巨大な鬼に変貌し、姫君たちをさらって手下にするなど、恐れられた

金太郎の歌
《神奈川県南足柄市矢倉沢》
(Photo by ISSA)

熊の手懐け名人
この時期、山の方に出かけると、リアルに熊との遭遇が気になります😅(九州に熊は居なかったので、安心して出かけられたのですが…)

熊出没マップ

当地では、至る所で金太郎が熊にまたがり、上手に手懐けているような銅像を見かけるのですが、

足柄山聖天堂
《神奈川県南足柄市矢倉沢》
(Photo by ISSA)

熊が人里に降りてくる原因は、人間側にもある訳ですから、駆除、捕獲、威嚇のみならず、金太郎のように「手懐ける」というアプローチも考えてみてもいいかもしれません(笑)

(Created by Gemini)

そんなことを考えながら、当地で有名な茶そばを頂きました。

道の駅 足柄・金太郎のふるさと
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)

道の駅は、金太郎のゆるキャラ一色でした。

道の駅 足柄・金太郎のふるさと
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)
道の駅 足柄・金太郎のふるさと
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)
道の駅 足柄・金太郎のふるさと
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)
道の駅 足柄・金太郎のふるさと
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)
道の駅 足柄・金太郎のふるさと
《神奈川県南足柄市竹松》
(Photo by ISSA)

その2日後。同郷出身の同期で神奈川県庁に勤めている旧友と食事をしたのですが、彼の名刺には、何と金太郎が描かれているではありませんか😄

神奈川県庁で働く友人の名刺にも金太郎が…
(Photo by ISSA)

聞けば、神奈川県はキンタロウ(金太郎)を県のキャラクターに採用し、PR活動を推進していくんだそうです。

神奈川県の公式ホームページ

ところで、こっちの「キンタロー。」は、めっちゃ面白いですね🤣

彼女の芸名には、「男ばかりの芸人界で負けないように」、「金太郎のように、強くたくましくなるように」という願いが込められているそうです。

「銀魂」の主人公、坂田銀時も、坂田金時の名をモチーフにしています。

おわりに
日本の「むかし話」は、まだ学校教育が普及していなかった時代から家庭や地域社会で語り継がれ、

命の大切さや、自然の恵みへの感謝道徳観など、日本人の心の教育に大きく貢献してきました。

お説教ではなく、物語として自然に子どもの心へ届くところがむかし話の良いところで、

子供の頃は、週末の夜に観たテレビ番組で、多くのことを学んだ気がします。

最近の子供たちは、こうした昔話に触れる機会が激減しており、5年前の調査では、「ももたろう」の絵本所有率は、1990年の83%から、2020年には36%まで減少しているそうです。

「心の教育」という観点から、昔ながらの絵本のみならず、デジタル・コンテンツ、或いは、映画やドラマとコラボするなど、そろそろ、にほん昔話の価値を見直す時期に差し掛かっているのかもしれません。

神奈川県や南足柄市が、その先駆となることに期待したいと思います。

いつも、ありがとうございます🍀