【米政府閉鎖】FDAは動き続けるが、新規申請はストップ?
はじめに
2025年10月1日、ほぼ7年ぶりに米国政府は閉鎖に追い込まれました。公務員75万人が一時帰休となりました。政府閉鎖が2日目に入り、ホワイトハウスは「米連邦政府職員の大量解雇が差し迫っている」と発表しました。
議会では責任の所在をめぐる対立が続いていて、トランプ大統領は、この状況を「機会」として恒久的な人員削減を進めるべきだと呼びかけています。
さて、医薬品産業に直結する FDA(米食品医薬品局) の動向は、どうなるのでしょうか?
※毎日書いています。ぜひ明日の雑談のネタのために、フォロー・ブックマークしていってください。
政府閉鎖の背景:与野党の対立
今回の閉鎖は、新年度予算をめぐる共和党と民主党の激しい対立が原因です。共和党(トランプ政権・議会多数派)は、「交渉の余地なし」と強硬姿勢を貫き、民主党は「年末に期限切れとなる医療補助金の延長」を要求し、両者が平行線をたどっています。
上院では2日連続で採決が行われましたが、結果は55対45で否決されました。3人の民主党議員が共和党案に賛成しましたが、可決に必要な60票には届きませんでした。
FDAは「部分的に機能継続」
一方、FDAは他の連邦機関と比べて影響が限定的であることを専門メディアでは報じています。例えばFiercepharmaでは、職員の80%以上(約1.4万人)が勤務を継続しており、その財源は、すでに製薬企業から受け取った手数料(User fee)となっていることを伝えています。
したがって、既存の申請案件の審査は継続し、リコール対応や薬剤供給不足への対策も継続されるとみられています。
HHS(米国保健福祉省)の非常時対応計画によると、政府閉鎖中は、FDAはユーザーフィーの支払いを必要とする新薬、ジェネリック、バイオ医薬品、バイオシミラー、医療機器の申請を受け付けることができず、企業がまだ製品の審査申請を行っていない場合、議会が予算合意に達するまで待たなければなりません。
“In its contingency plan, HHS noted that the FDA will not be able to accept applications for new drugs, generics, biologics, biosimilars or medical devices that require payment of a user fee while the shutdown is in effect.”
“If companies have not already filed for a review of their products, they will now have to wait until Congress reaches a funding accord.”
市場の反応
金融市場は意外にも冷静でした。米10年国債利回りは0.05ポイント低下、一部投資家からは「閉鎖は以前ほど大きなリスクではない」との声もあがっていることが報道されており、市場は「政治的な混乱は一時的で、実体経済への影響は限定的」と織り込んでいるようです。
一方、ある元上院議員によれば、「閉鎖は1か月以上続く可能性」と指摘しており、すでにFDAと企業間のコミュニケーションは滞りがちで、閉鎖によるノイズが審査遅延をさらに悪化させる恐れがあるとしています。
さらに、NIH(米国立衛生研究所)の助成金に依存する大学や研究機関は資金繰りに直撃。基礎研究や共同開発案件にブレーキがかかるリスクが懸念されています。
おわりに
米国政府の閉鎖により、医療業界にとっては、米国承認を目指す開発品のスケジュールを再調整せざるを得ない状況が訪れており、米国依存度の高いCROや治験支援事業も遅延リスクを織り込む必要があります。バイオシミラーや再生医療の市場参入も後ろ倒しになる可能性があります。
市場全体は比較的冷静に推移していますが、承認待ち銘柄の進捗遅れをどう評価するかが注目されます。結局のところ、政府閉鎖はFDAの全機能を止めるものではありませんが、長期化すれば製薬産業や研究開発に影響が広がることは否定できません。
フォローや応援をよろしくお願いします!
よければ「スキ」やシェアで応援していただけると、励みになります。
テーマは、そのとき書きたい!と思ったものです…
特に#医薬品 #製薬 カテゴリーの書き物が多く、人気note上位に食い込んでます。応援ありがとうございます。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは取材費用や資料購入に使わせていただきます! 