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普通だけど たぶん特別なカレー


「オラに食べ物を分けてくれぇ!」

在宅勤務の残業後、PCの前で両腕を上げ、伸びをしながら言ってみた。
夕飯の支度が億劫で出た、心の叫びだ。
(大袈裟)

献立を迷っていると、長男から「じゃあ、カレー」と言われた。

息子たちから提案されるのは大体カレーか生姜焼。
私が自分からあまり作らないせいもあるのだろう。

「えー、レトルトカレーあるよ?」

私の不在時にいつもの新聞屋さんが来て、長男が勝手に更新契約をしていた。契約時に貰える粗品の中で、長男が選んだのがそのレトルトカレーだ。


長男「家のカレーが食いたい」


じゃ、なんでレトルトカレーを貰ったんだ。
それはいつ食べるんだ。今じゃないのか。
しかも次男は、元々レトルトカレーは食べないんだぞ。

そう思いながらも、今日は「ハイハイ」とカレーを作ることにした。

家のカレーがいい理由は何なのかね。
いつもの市販のルゥに、定番野菜と鶏か豚肉が入ったよくあるカレーなのに。

「夏らしく茄子も入れちゃおう」と余っていた茄子をポイポイ鍋に放り込み、最近自分がハマっているオクラも入れた。


古い記事にも書いたことがあるが、私は家のカレーにあまり惹かれない。

そんな私でも、子どもの頃に帰宅して家のドアを開け、カレーの匂いがしたときは嬉しかった。母が作るカレーも、市販のルゥ使用でなんら特別なカレーではなかったのに。

多分、あれは無意識でも"母が用意してくれている"という安心感と愛情込みでの喜びだった気がする。
今は自分が作る側だから、あの時のような喜びがないのではという持論。


出来上がったカレーを、家族で一緒に食べる。

やっぱりあの頃のような嬉しさはない。
茄子とオクラが足された、いつもの普通に美味しいカレーでしかない。


横を見ると、長男は「やっぱ、ウッマイなぁ」としみじみ食べ、次男は黙々とハイスピードで食べ進めている。
彼らが家のカレーを食べたい理由は、あの頃の私と同じなんだろうか。

翌日の昼時。
残り少ない2日目のカレーを食べる息子たちのそばで、私がレトルトカレーを食べる。

レトルトだって美味しいけどな。




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