旅に連れていきたい文庫本│エッセイ編
私が旅のお供にしているおすすめの文庫本を紹介します。
電子書籍も便利ですが、旅にはあえて紙の文庫本を一冊忍ばせたくなります。少し重いしかさばるけれど、紙の文庫本を持って電車の中、旅先のカフェや公園、滞在する宿などで本を開くだけで、旅情を掻き立てながらほっとひと息つけるのでおすすめです。
旅先で読まなくとも、家でこの本たちを読むだけで旅に出たい気持ちが掻き立てられるのです。
阿古真理『47都道府県おいしいもの巡り』(幻冬舎)
生活史研究家である著者の視点で語られる体験記や、土地の歴史や文化に紐付づいたご当地グルメが紹介されています。
観光客向けの「ご当地グルメ」だけでなく、地元の人々が日常的に食べてきた料理にも価値を見いだしています。自分にルーツがある土地の頁を読むだけでも発見があってとても楽しいです。
なんとも「勉強になる」エッセイ。読み終わる頃には、少し博識になったような気がする一冊です。
益田ミリ『美しいものを見に行くツアーひとり参加』(幻冬舎)
益田ミリさんのエッセイは何冊か読んでいますが、こちらは「海外ひとり旅」がメインの一冊。
一人参加だからこその気楽さや自由がある一方で、ツアーならではの他の参加者との距離感や、少しの孤独、戸惑いも率直に描かれています。
差し込まれている写真やイラストもほっこりしていて可愛いので、目を通すだけでもわくわくします。ひとり旅に行きたいと思っている方や、ひとり旅をしている最中のお供に是非。
国内旅行のエッセイが読みたい場合は、同著者の『47都道府県女ひとりで行ってみよう』もおすすめ。
江國香織『旅ドロップ』(小学館)
観光名所を紹介する旅行記というよりも、旅先でふと感じた空気や時間の流れ、心の動きを丁寧に言葉にしているエッセイ集。海外や日本各地を訪れ、その土地ならではの街並みや自然、文化、人との出会いが描かれています。
各項の文が短めに書かれているためさらっと読みやすく、行間やフォントの柔らかさにも江國香織さんの世界観を感じます。旅先でひと息つきたいタイミングで読みたくなる一冊。読み終わってもまた読み返したくなるので、旅のお供に是非。
村瀬秀信『地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』(講談社)
同シリーズが何冊か発売されていますが今回は旅にぴったりのテーマ。「旅先では地元の名店に行くべき」という固定観念に疑問を投げかけ、全国各地を訪れながら、あえてチェーン店で食事をする体験をユーモアたっぷりに描いたエッセイ。
今まで知らなかった日本各地のご当地チェーン店も紹介されており、旅行に行った際にふらっと寄ってみたくなります。旅先で気軽に行けることも、チェーン店の良さだということに気付かされます。
大平一枝『ある日、逗子へアジフライを食べに』(幻冬舎)
旅の主役は観光名所ではなく、食堂や喫茶店、商店街など、地域の日常に根ざした場所です。「旅は壮大な計画や特別な目的がなくても、一つの食べたいものや会いたい風景があれば始められる」というテーマが流れています。
その土地の空気や店主との会話、街の雰囲気を通して、その地域らしさを味わう様子が描かれるため、旅の途中、少し休憩したい時間に開きたくなります。
非日常を楽しめる大掛かりな旅も良いですが、このエッセイを読むと日帰りや1泊の「こたび」に出たくなります。
今回はエッセイ編をお届けしましたが、いずれ小説編や紀行文編なども書いてみたいと思います。
みなさんが旅に連れていきたいお気に入りの一冊はありますか?次の旅の計画を立てるとき、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
