新農場建設計画について協議 -ナカショク繁殖農場公害対策協議会-

8月19日、三種町役場で「三種町ナカショク繁殖農場公害対策協議会」が開催されました。
今回の協議会では、臭気・水質検査の結果が報告されたほか、ナカショクから現在の2農場を統合した新たな繁殖農場の建設計画が示されました。
臭気・水質検査はすべて基準内
はじめに臭気及び水質検査の結果が報告され、今回の検査ではすべて基準値内だったことが確認されました。
一方、周辺住民にとって農場からの臭気は長年の課題でもあります。測定値だけではなく、実際に生活する中で感じる臭気をいかに減らしていくかが重要です。
現在の2農場を統合し、新農場を計画
ナカショクからは、現在の農場では施設面から臭気改善に限界があるとして、2つの農場を統合し、新しい農場を建設する計画が説明されました。
候補地は2か所あり、このうち1か所について計画が具体化しています。
計画では2農場の合計と同規模、約1,500頭規模の繁殖農場とし、豚舎は外気を自然に取り込む従来型ではなく、換気扇によって換気を管理する「ウインドレス豚舎」を採用する予定です。
これにより暑熱対策とともに、臭気の管理もしやすくなると説明されました。
糞尿は速やかに排出し、密閉式コンポストで処理
臭気対策で大きなポイントとなるのが、豚の排泄物の処理です。
新農場では、糞と尿を分離し、豚舎内に長時間滞留させず、こまめに排出するシステムを採用する予定です。
堆肥化についても、130立方メートルの大型密閉式コンポスト3基を導入する計画が示されました。コンポスト自体を建屋内に設置することで、臭気の外部への拡散を抑える考えです。
私は、
「新農場では排気側で臭気を除去する対策を行うのか」
質問しました。
事業者からは、
「ミスト装置を設置して消臭剤を散布することを考えている。ウインドレス豚舎は初めてなので効果を具体的に想定することは難しいが、効果はあると考えている」
との説明がありました。
既存の浜田農場より臭気を少なくできるのかとの質問に対しても、事業者は「それを目指している」と答えています。
「住民の理解」を得たうえで進めたい
臭気の問題と合わせて、施設の老朽化も進んでいる現在の豚舎。
事業者からは、住民説明会を開催し、意見を聞いた上で新豚舎の建設を進めたいとの考えが示されました。
説明会については、浜口地区全域を対象とする方向で議論されました。
土地についてはすでに購入済みですが、農地転用などの手続きはこれからです。完成時期についても、住民の理解を得ながら進める必要があるため、現時点では未定とのことです。
既存農場でも管理体制を強化
私はもう一点、
「この間、既存農場ではどのような改善を行ってきたのか」
質問しました。
事業者からは、施設そのものについて大きな変更はないものの、昨年10月以降、スタッフの体制を強化し、豚舎内の清潔維持や従業員のトレーニング、意識改善、第三者の目線を取り入れた環境改善などに取り組んでいるとの説明がありました。
また、既存農場についても、新農場で導入する臭気対策のうち、取り入れられるものについては取り入れていきたいとの考えが示されました。
新農場建設は「臭気改善」につながるのか
今回示された新農場は、単なる施設の建て替えではなく、現在の2農場を統合し、ウインドレス豚舎や密閉式コンポストなど新しい設備を導入する大きな計画です。
老朽化した既存農場と比較すれば、臭気対策を進める機会になることは期待できます。
一方で、事業者自身もウインドレス豚舎については初めての導入であり、臭気低減効果について現時点で明確な数値を示せる段階ではありません。
また、施設建設を進める上では、周辺住民に計画や臭気対策を十分に説明し、理解を得るプロセスが非常に重要です。
養豚業は地域の産業・雇用を支える一方、臭気は周辺住民の生活環境に直接関わる問題でもあります。
新農場建設が地域の生活環境改善につながるものとなるよう、具体的な臭気対策とその効果、住民への説明と合意形成の進め方について、今後もしっかり確認していきたいと思います。
