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知らないと損する。大人の発達障害が知っておきたい「お金・仕事・生活」の支援制度


「仕事がしんどい。でも辞めたら生活できない」

「通院を続けたいけど、医療費も気になる」

「発達障害と診断されたけど、結局どんな制度が使えるの?」

大人になってから発達障害が分かった人の中には、こんな悩みを抱えている人もいると思います。

そして厄介なのが、

使える可能性のある制度を、誰かが全部まとめて教えてくれるとは限らない

ということです。


病院では医療の話。

会社では仕事の話。

ハローワークでは就職の話。

年金事務所では年金の話。

役所では福祉の話。

制度ごとに窓口がバラバラなので、自分から調べないと存在すら知らない制度があります。

そこでこの記事では、大人の発達障害当事者が知っておきたい制度を、

「医療費」「収入」「仕事」「税金」「福祉」

の5方向から整理します。

さらに後半では、

「自分の場合、結局どこから調べればいいの?」

が分かるように、状況別のロードマップも作りました。


最初に:発達障害と診断されたら自動的に支援を受けられるわけではない


ここは大切なので最初に書きます。

「ASDと診断された=障害年金がもらえる」

「発達障害=障害者手帳が必ず取れる」

という単純な仕組みではありません。

制度ごとに要件が違います。

診断名だけではなく、症状や日常生活・仕事への影響、通院状況、保険料の納付状況など、制度ごとの条件によって判断されます。

逆に言えば、

「働いているから何も使えない」と決めつけるのも早い

ということです。

働いている人でも対象になる可能性がある制度があります。

まずは制度を知って、自分が対象になる可能性があるか確認する。

この記事はそのための「入口」として使ってください。


1.精神障害者保健福祉手帳


発達障害のある人が最初に知っておきたい制度の一つが、

精神障害者保健福祉手帳

です。

一定程度の精神障害の状態にあることを認定する制度で、発達障害も対象になり得ます。

等級は、

・1級
・2級
・3級

があります。

重要なのは、

「発達障害という診断名が付いているか」だけで決まるものではない

という点です。

実際の生活能力や社会生活への影響などを踏まえて判断されます。

Q手帳を取得すると何が変わる?

A 代表的なのが税制上の優遇です

所得税や住民税では、要件を満たせば障害者控除を受けられる場合があります。

さらに自治体や事業者によって、

・公共交通機関
・公共施設
・携帯電話料金
・各種サービス

などで割引・減免等が用意されていることがあります。

ただし、これらは地域・事業者・手帳の等級などによって異なります。

「手帳を取れば全国どこでも全部無料になる」

というものではありません。

そして仕事面では、

障害者雇用枠で働く

という選択肢につながる場合があります。


2.自立支援医療(精神通院医療)


心療内科や精神科への通院を続けている人なら、ぜひ確認してほしい制度です。

自立支援医療の精神通院医療では、対象となる精神疾患について継続的な通院治療が必要な場合、指定された医療機関・薬局などでの対象医療について、原則として自己負担が3割から1割になります。

さらに所得等に応じて月額の自己負担上限が設定される場合があります。

ただし、

すべての医療費が1割になるわけではありません。

精神通院医療に関係しない治療などは対象外となることがあります。

指定自立支援医療機関であることなどの条件もあります。

なぜ重要なのか?

発達障害そのものに加え、不安や抑うつなどの問題を抱え、長期的に通院する人もいます。

1回の診察代だけを見ると小さくても、

診察+薬×12か月

となれば負担は積み重なります。

「通院費が高いから通院回数を減らそう」

と考える前に、一度確認しておきたい制度です。

相談先は、お住まいの自治体の障害福祉担当窓口などです。


3.障害年金


お金に関する制度として非常に重要なのが、

障害年金

です。

発達障害でも、要件を満たせば対象になる可能性があります。

障害年金には主に、

障害基礎年金

障害厚生年金

があります。

初診日にどの年金制度に加入していたかなどによって関係する制度が変わります。

ここで特に知っておいてほしいのは、

「障害者手帳」と「障害年金」は別制度


ということです。

「手帳3級だから障害年金も3級」

とは限りません。

そもそも障害基礎年金は1級・2級で、障害厚生年金には1級・2級・3級があります。

それぞれ別の基準で審査されます。

働いていたら障害年金は絶対にもらえない?

これも単純に、

「働いている=即対象外」

ではありません。

ただし、発達障害などの精神障害では、就労状況は日常生活能力や障害状態を判断するうえで重要な情報になり得ます。

どんな仕事をしているのか?

どの程度の配慮を受けているのか?

欠勤・遅刻・早退はどうか?

職場でどんな援助が必要なのか?

帰宅後や休日にどの程度生活できているのか?

単に、

「週5日働いています」

だけでは分からない部分があります。

障害年金を検討するなら、まず年金事務所や街角の年金相談センターなどの公的窓口で、自分の初診日・加入状況・保険料納付要件などを確認することをおすすめします。


4.傷病手当金


会社員など健康保険の被保険者として働いている人に、ぜひ知ってほしい制度です。

病気やケガによって仕事ができず、一定の条件を満たした場合、

傷病手当金

を受け取れる可能性があります。

発達障害そのものだけではなく、うつ病や適応障害などによって働けない状態になった場合にも、要件を満たせば対象となり得ます。

ポイントは、

「辞めてから初めて調べる」のではなく、在職中に確認すること。

退職後の継続給付には条件があります。

「もう限界だから明日辞める」

と動く前に、

健康保険
・会社の休職制度
・有給休暇
・傷病手当金

などを確認してください。

勢いで退職してから制度を調べるより、

使える制度を調べてから今後を決める

ほうが選択肢を残しやすくなります。


5.障害者雇用


「一般雇用で働き続けることが限界」

という人には、

障害者雇用

という選択肢もあります。

障害者雇用だから楽、という意味ではありません。

仕事内容も職場環境も会社によって大きく違います。

ただ、

「障害特性を完全に隠しながら一般雇用で働き続ける」

以外にもルートがあることは知っておいて損はありません。

障害者雇用での就職を検討する場合は、ハローワークの専門窓口などに相談できます。


6.合理的配慮


これは「お金がもらえる制度」ではありません。

しかし、働き続けるうえで非常に重要です。

障害のある人から、社会的障壁を取り除くために必要な対応について意思が示された場合、事業者には過重な負担にならない範囲で合理的配慮を提供することが求められています。

発達障害の場合、困り事は人によって違います。

たとえば、

口頭指示だけでは混乱しやすい
・急な予定変更への対応が難しい
・強い音や光が大きな負担になる
・複数業務を同時進行すると混乱する
・曖昧な指示の理解が難しい

など。

そこで、

「発達障害だから配慮してください」

ではなく、

「○○が難しいため、△△という方法にしてもらえると仕事を遂行しやすい」

という形で相談することが重要です。

希望した配慮が必ずそのまま実現するわけではありません。

本人と事業者で話し合いながら、実施可能な方法を探していくことになります。


7.就労移行支援


「今すぐ一般企業で働くのは難しい。でも将来的には働きたい」

という場合に知っておきたいのが、

就労移行支援

です。

一般企業等への就労を希望する障害のある人などを対象に、

就労に必要な訓練
・求職活動の支援
・職場探し
・就職後に向けた支援

などが行われます。

利用できる期間には原則上限があります。

また、利用料は所得等によって異なります。

「就労移行支援=無料」

と一律に考えず、自分の場合の自己負担を自治体や事業所に確認してください。


8.就労継続支援A型・B型


一般企業等で働くことが難しい人のための福祉サービスとして、

就労継続支援A型・B型

があります。

ざっくり最大の違いを言うと、

A型は雇用契約を結ぶ

のに対し、

B型は原則として雇用契約を結ばない

という違いがあります。

ただし、

「発達障害ならA型」

「重ければB型」

という単純な分類ではありません。

本人の状態や希望などを踏まえて利用を検討します。


9.就労定着支援


意外と見落とされやすいのが、

「就職した後」の支援

です。

発達障害では、

「就職できない」

だけではなく、

「就職はできる。でも長続きしない」

という問題を抱える人もいます。

そこで知っておきたいのが就労定着支援です。

就労移行支援など一定の障害福祉サービスを利用して一般就労した人などを対象に、就職後に生じる生活面・職場面の課題について、本人や企業、医療機関などとの連絡調整や相談支援を行うサービスです。

「就職=ゴール」

ではありません。

働き続けるところまで支援を利用する。

この発想を持っておくと選択肢が増えます。


10.障害者控除


障害者手帳など一定の要件を満たす場合、

所得税・住民税の障害者控除

を利用できる可能性があります。

税金は、

「会社が全部やってくれているから自分には関係ない」

と思いがちです。

しかし、自分がどの控除の対象なのかを知っておくことは重要です。

手帳を取得したら、

「税金関係で使える制度はないか?」

までセットで確認することをおすすめします。


11.自治体独自の支援


ここがかなり重要です。

国の制度とは別に、

都道府県・市区町村独自の支援

が用意されている場合があります。

たとえば地域によって、

交通関係の助成
・公共施設の利用料減免
・各種手当
・医療費助成
・公共料金等に関連する制度

などがあります。

ただし、

地域差が非常に大きいです。

そのためGoogleなどで、

「○○市 精神障害者保健福祉手帳 助成」

「○○市 発達障害 福祉」

「○○市 障害者 交通費」

「○○県 精神障害者 支援」

などと検索してみてください。

自治体公式サイトを優先して確認します。


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ここまで、代表的な制度を紹介しました。

でも、制度名を知っただけでは、

「結局、自分は何から動けばいいの?」

となると思います。

そこでここからは、

状況別に「まず確認する制度」を整理します。

全部の制度を一気に調べる必要はありません。

今の自分に一番近いところから見てください。

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