Moonlight and ... 第17話🌙月夜のアンバーの研究室〜一人で飲むお茶が、寂しくない理由〜🌙🫖
ハーバリステンを出る頃には、
🌙月は、
もう高く昇っていました。
薬草の香りを背に、
アンバーは、
静かな夜道を歩きます。
振り返ると、
窓辺の灯り。🪔
きっと今頃、
ジェルメは、
棚の整理でもしているのでしょう。
アンバーは、
少しだけ笑いました。
「ジェルメ忙しそう...。」
🍃🌿🍃🌿🍃🌿🍃🌿🍃🌿🍃🌿🍃🌿🍃🌿🍃
古い石段を上り、
小さな扉を開く。
きぃ、と、
懐かしい音。
「ただいま。」
返事をする人はいません。
けれど、
アンバーはもう知っています。
この部屋は、
ちゃんと自分を待っていてくれることを。
机の上には、
積み重なった本。
開いたままのノート。
書きかけのメモ。
椅子の背には、
掛けっぱなしのストール。
窓辺には、
小さな薬草の瓶。🫙
「……ふふ。」
思わず、
笑ってしまいます。
「少し散らかしすぎたかしら。」
🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡🏡
アンバーは、
窓を少しだけ開けました。🪟
夜風が、
部屋をゆっくり通り抜けます。
積まれた本の頁が、
ぱらり、と揺れました。
その中には、
鉱石図鑑。📔
古い旅の記録。
そして、
スペイン語のノート。📖
いつの間にか、
この部屋には、
好きなものばかりが
集まっていました。
📔📖📔📖📕📔📖📙📔📖📗📔📖📔📖
アンバーは、
ノートを開きます。
今日の言葉を、
ひとつだけ。
✎hogar ―― 家。🏠
しばらく見つめて、
小さく呟きました。
「Hogar...」
そして、少し考えて。
「そうね。」
窓の外の月を見上げます。
「ここも、
私の家なのかもしれない。」
🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖🫖
やかんのお湯が、
静かに鳴りました。
今夜のお茶は、
カモミール。☕
一人で飲むお茶は、
静かだけれど、
不思議と、
寂しくはありません。
遠くには、
ハーバリステンの灯り。🪔
そして、
この屋根裏部屋の灯り。🕯️
どちらも、
大切な場所。
🌙月明かりの下で、
アンバーは、
そっとカップを持ち上げました。
「Buenas noches.」
―― おやすみなさい。
まだ、
旅は始まらない。
けれど。
帰る場所があるからこそ、
人は、
また歩き出せるのかもしれません。
Mi hogar a la luz de la luna
(ミ・オガール・ア・ラ・ルス・デ・ラ・ルナ)
「月明かりに照らされた私の家」
~つづく~
Artwork by Moonlit Drop Atelier
前回のアンバーのお話はこちらから~
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