ムーさんと新メニュー。
祭りの後の祝日。
午前中は祭りの後片付け。
午後は夕方から仕事へ向かう妻。
妻は妻で、なかなかに忙しい。
そんな時は、特に注意が必要だ。
なぜなら、妻の頭に角が生えるからである。
迂闊な言動は、
即、命取りになる。
リビングに、
緊迫した空気が流れる。
眉間に皺を寄せたまま、
固く閉ざされていた口が、今、開く。
そして鬼軍曹から下るミッション。
冷蔵庫にある豚肉で、
時間を掛けずに、
適当な夕飯を作成せよ!
お風呂に入り、
速やかに夕飯を済ませ、
20時までに、
娘を寝かしつけるのだ!
……イエスマム!
ムー三等兵の返事が、
部屋中にこだました。
出撃する妻を見送ったあと、
炊事場へ向かう。
ここが私にとっての戦場である。
時計の針は16時30分。
お風呂や夕飯の時間を考えると、
それほど猶予は残されていない。
まずは、
手札の確認から始めよう。
豚肉は……ロースの切り落としか。
かなり量があるが、
半分は残せとのお達しだ。
使えるのは300gほど。
玉ねぎも、1玉ある。
……はい、勝ちました。
これはもう、
生姜焼きで勝ち確定だろう。
蓋を開けてみれば、
なんてことはなかったね。
人生なんて、
案外そんなものさ。
鼻歌交じりに、
玉ねぎをくし切りにしていく。
豚肉も食べやすいよう、
さらに細かく切り分ける。
あとは調味料だけだ。
生姜♪ 生姜♪
生姜やっき〜♪
……?
あれ。
どこにもいない。
愛しの生姜の姿が、
見当たらない。
じゃあ、
チューブの方は?
……ない。
耳元で、
速水奨が囁く。
「いつから生姜があると錯覚していた?」
噴き出る冷や汗。
一気に、
雲行きが怪しくなる。
……しょうがない。
じゃあ、にんにく!
にんにくで、
スタミナ焼きにしよう!
ガサゴソ。
ガサゴソ。
……おいおい。
何の冗談だ。
にんにくまで、
無いとか。
あれか?
これ、
確定負けイベントなのか?
ミッションを受託した時点で、
負け確だったのか?
目の前が、
真っ暗になる。
遠のく意識。
その時だった。
視界の片隅に、
赤い缶が映る。
……そうだ。
まだ、
希望の光は消えていない。
こいつがあるじゃないか。
でも、
こんな料理は作ったことがない。
ぶっつけ本番で、
やれるのか……?
いや。
やってみせる。
いつだって、
ピンチを乗り越えてきたじゃないか。
ムーさんの戦いは、これからだ!!!

脂肪フラグと打ち切りフラグ満載の本編を
最後までお読みくださり、
どうもありがとうございます。
ムーさんからの、ささやかなプレゼント。
今回のオリジナルレシピです。
よかったら作ってみてね。
ポークソテー 〜欧風カレー仕立て〜
材料(2〜3人分)
* 豚ロース切り落とし……300g(部位は何でもOK)
* 玉ねぎ……1玉
* カレー粉……大さじ1
* 顆粒コンソメ……小さじ2
* 中濃ソース……小さじ2
* 赤ワイン……100ml
* バター……5g
* オリーブオイル……適量
* 塩・こしょう……適量
作り方
① 玉ねぎ1玉をくし切りにする。
② フライパンにオリーブオイル適量とバター5gを入れ、中火で熱する。
③ 温まったら玉ねぎを入れ、しんなりするまで炒める。
※しょうがとにんにくがあるなら、このタイミングですりおろして1片ずつ加えると最高です。
④ 豚肉を食べやすい大きさに切り、ボウルに入れる。
塩・こしょうを振り、オリーブオイル大さじ2を加えて軽くマリネする。
これだけで、お肉がしっとり仕上がります。
⑤ 玉ねぎがしんなりしたら豚肉を加え、軽く焼き色を付ける。
⑥ カレー粉とコンソメを加え、全体になじませる。
⑦ 味を見ながらソースを加え、最後に赤ワイン100mlを投入。
⑧ 焦げ付かないように軽く混ぜながら、中火で約10分加熱する。
水分がほどよく飛べば完成!
冷めないうちに、
召し上がれ〜♪






焼いてもしっとりパサつかない。

ロック機構付きトングめちゃ便利〜。



もうちょい焼き目つけたかったな。



絶対入れてね。たぶん、さらに美味しい。

