フルーツサンドは、「食事」か「おやつ」かという問題を、京都のレトロ喫茶「静香」で考える
フルーツサンドが好きです。
取材で、月に3度は訪れる京都でもフルーツサンドは花盛り。
「映える」ことからウリのメニューにしているカフェやホテルがたくさんあります。
さて、このフルーツサンドですが、実に悩ましいのであります。
それは、「食事(軽食)」か「おやつ(スイーツ)」かという問題です。
例えば、お昼時にランチしようとカフェに入る。
夜に、ちょっと高級な懐石料理を予約しているので、軽めの食事にしたい。
サンドイッチがいいかな、とメニューを見る。
すると、「軽食」と書かれたページに、
ズラリと種類が並んでいます。
ハムサンド、たまごサンド、ハムカツサンド、ビーフサンド、ミックスサンド、ツナサンド・・・。
そして、最後にフルーツスサンド。
写真を見ると、美味しそう。
心が動きます。
たしかに、軽い食事をしようとお店に入ったことには間違いありませんが、
フルーツサンドでは軽すぎるのではないか。
具材はフルーツとクリームです。
パンにはさんであるだけで、そのフルーツとクリームがシフォンケーキやパンケーキの上に乗っていたら、紛れもなくスイーツです。
フルーツサンドが食べたいけれど、「おやつ」に思えてしまい、迷ってしまいます。
いや、でも、そのボリュームからして、十分にお腹は満たされるはず。
どうしよう・・・。
「いやいや、俺は、スイーツを食べに来たんじゃない。軽くとはいうものの、ランチをしたいんだ」
と悩むのであります。
世間の人はどう思っているのでしょう。
ちょっと検索してみると、松任谷正隆さんが、「BRUTUS」でこんなふうに語られていました。
「僕、フルーツサンド大好き。でも、サンドイッチなのかケーキなのか、どう見るか悩みました」
おお、私と同じだ!
「どうでもいい、つまらないこと」で悩んでいる人が他にもいると思うとホッとしました。
他にも、「朝日マリオン.コム」の「オトコの別腹」というコーナーで、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんがこんなことを言っているのに目が留まりました。
「甘いものはよく食べますが、僕はフルーツサンド自体がすごく好きなんですよね。フルーツサンドって、サンドイッチみたいに主食というか、「メシ」だと思い込むこともできるんで」
これはたいへん微妙な発言です。
佐久間さんは、どうもフルーツサンドをスイーツとして認識しておられるようです。でも、ホリュームからして「主食(メシ)」だと思い込んで食べることもできると。
さて、千本今出川を西に入ったところに、創業1938年(昭和13年)創業のレトロ喫茶「静香」があります。元々、先斗町の芸妓「静香」さんが1937年に開いたのが始まりだそうです。
このお店の人気メニューがフルーツサンド。
旬の果物に自家製クリームと7種類の大ぶりなフルーツがぎっしり、というかゴロゴロと入っています。
写真をご覧ください。
パンの色が黄色がかっています。
口に含む前に、わかりました。
ブリオッシュです。
これは珍しい!
さらに、クリームの色に注目しました。
白と薄い赤色の二種類。
白いのはホイップ。薄い赤色は、どうやらイチゴクリームのようです。
一つ食べて、納得。
甘みが強い。
「静香」のフルーツサンドは、誰が食べても「スイーツ」として作られているのです。
これなら、松任谷正隆さんも佐久間宣行さんも、悩むことはないでしょう。
こんな話を友人にしていたら、
「お前は暇だなぁ。
「軽食」か「おやつ」かなんて、店が決めることじゃない。
食べる当人が決めればいいんだ。間食として食べたら「おやつ」、食後に誰かとシェアして分け合って食べたら「デザート」だろ。それに、サンドイッチが「軽食」だなんて、誰が決めたんだよ。BLTサンドなんて、けっこうお腹に来るだろ」
とバッサリ。
なるほど、その通り。
その通りなのではありますが、それでも、ランチ時はもちろんのこと、夕食時にフルーツサンドを食べるのにはやはり抵抗があるのでした
フルーツサンドが「軽食」か「おやつ」か。
私の中での議論はまだまだ続くのでありました。



