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【エッセイ】かき が分からない

私はどうやら柿と牡蠣 のイントネーションの区別が下手らしい。
あと、鼻濁音が出来ていないらしい。

何故「らしい」と書くかと言うと、全て母から指摘されてきたことだからだ。
でも正直「鼻濁音ってどの音?」と思っていた。
柿と牡蠣も前後のニュアンスで分かってほしい。

ところが母曰く、我が息子は「鼻濁音ができている」らしい。
鼻が詰まっているだけではないのか。
「"んが"の発音だよ」と何度教えられても私は自然にできない。

私が吹奏楽部で培った表現力や音感は、
「かき」にも「んが」にも対応できない。

私ができないのに、何故息子が出来るのかが疑問である。

息子はまだ牡蠣を知らない。
でも、きっといつか正しいイントネーションで発音できるようになるのだろう。
悔しいが、子は親を超えていくものだ。今後、柿と牡蠣の違いを母に説明することがあれば、ぜひ息子にお願いしよう。

そもそも私は舌が鈍いのだろう。
タンギングも下手くそだったし、リップスラーの習得も人より時間がかかった。
自覚は無いが、滑舌も良いわけではないと思う。
なんせ私は「んだず」、「けぇ」みたいな訛りの東北地方出身の両親を持つ生粋の東北民だ。
会話は「だからね」で済む。

寒い場所に住む東北民は、きっと口をあまり動かさない喋り方を習得しているのだ。
私の遺伝子はきっとそれを色濃く受け継いでいるに違いない。

ここまで言い訳してみても、「でも息子はできてるじゃん」の一言で全て理論は崩れ去ってしまうのだが。

恐るべき息子。

私が「牡蠣」と「柿」を正しく言える日は来るのだろうか。

ちなみに母曰く、私は「栗」のイントネーションもおかしいらしい。

誰か私を笑わずに、真面目に指導してくれる人はいないだろうか。

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