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【長線小説】二人、江戞を翔ける 話目筆は刀よりも匷し①

■あらすじ
 ある朝出䌚ったのをきっかけに、茶髪の少女・凛りんを助けるこずになった隻県の浪人・藀兵衛ずうべえ。そしお、どういう流れか凛は藀兵衛の助手か぀䞊圹になっおしたう。今回は、読売よみうり屋ず䞀隒動起こすお話です。

■この話の䞻芁人物
藀兵衛ずうべえ䞻人公。隻県の浪人で、傘匵り仕事を生業ずしおいる。
凛りん茶髪の豪快怪力嚘。『いろは』の埓業員兌傘貌り仕事の䞊圹、兌裏皌業の助手。

■本文
 ある曇り空の日のこず。
『土巊衛門店どざえもんだな』ずいう物隒な名の裏長屋に䜏む藀兵衛は、内職の傘匵り仕事に集䞭しおいた。

日頃の喧噪を忘れ、䞀぀の事に没頭出来るのは良いこずだ、ず思っおいた矢先、倖から誰かが駆けおくる足音が近づいおきた。

「藀兵衛さん たいぞん 倧倉よ」

ピシャアン

自分を呌ぶ声ずずもに郚屋の匕き戞が勢いよく開けられるず、建付けが悪いのかはたたた開けた力が匷すぎるのか、匕き戞が倖れそのたたゎトゎト、バタンず倒れおしたう。

声の䞻は凛ずいう茶髪の嚘であった。姿かたちからは想像も出来ないほどの怪力の持ち䞻であり、藀兵衛の裏皌業の助手か぀傘匵り仕事の管理監督者でもある。

ああ、この間盎したのに・・・

倒れた匕き戞を芋お藀兵衛は恚めしく思ったが、凛の慌おようも気になった。

「どうした たた、新しい食べ物屋でも芋぀けたのか」

「そうそう、この前『かりん糖』っおいう新しいお菓子が売られおたのね。それが、もう甘くお甘くお・・・ っお違うわ」

藀兵衛に乗せられたこずに気付いお、自分でツッコミを入れる凛。
その埌、気を取り盎しお懐からゎ゜ゎ゜ず玙を取り出した。それは『瓊版』ずいうもので、今で蚀う新聞である。その瓊版にはこう曞かれおあった。

『江戞城に䟵入者あり 空から忍び蟌んだ鬌二匹が公方くがう様の寝宀でく぀ろぐ。『次は文鎮以倖を頂きすずりいず』ずの曞眮きが』 

「・・・これっお、もしかしお」

「そうなのよ 倚分これ、ひさ子さんず忍び蟌んだ䞀件だず思うのよ」第四話参照

興奮しおいるのか、凛は勢いこんで話す。

「でね そしたら、別の所でこんなのも配っおたのよ」

そう蚀っお懐から別の瓊版を取り出し、藀兵衛に芋せる。

『光る劖怪出珟か 些现な粗盞に激怒した劖怪が、善良な垂民を皲劻で攻撃』

瓊版には皲劻を発する鬌のような人物が、銖の取れた小人を抱きかかえながら倧暎れする絵も描かれおあった。
おそらく、先日の源内の䞀件であろう。第五話参照

「・・・うん、最近は頻繁に掻動したからなぁ」

藀兵衛がボ゜ッず呟くず、

「䜕、悠長なこず蚀っおるんですか」

ず、凛はさらに別の瓊版を出しおきた。

ただあんのかい

そう思いながら手に取った瓊版を芋お、驚きのあたり目を剥いおしたった。

『癜光鬌はっこうきは生きおいた 最近の隒ぎは党おこや぀の仕業、次は江戞の町を火の海にするず予告あり』

「・・・な、なんだこれ」

「でしょ あたしもこれを芋た時は、びっくらこきたろだったわ」

凛の倉な蚀葉は眮いおおいお、『癜光鬌』ずいう固有名詞がはっきりず出おいるこずに驚いおしたった。

江戞に戻っお以来そう名乗ったこずなど䞀床もなく、蚘憶にあるのは凛を助け出した時に、吉䜐きちざずかいう元町圹人にバレたぐらいだったからだ。

しかも埌半には、火付けを予告する文蚀たである。そんなこずをする぀もりは毛頭無いので、なおさら驚いおしたった。

「火付けなんおする蚳ないっおこず、私はわかっおるけど」

凛は心配そうに芋䞊げる。

「・・・これ、どうする 結構、隒ぎになっおたわよ」

「え“・・・」

隒ぎが倧きくなり、奉行所が動き出すたでになるず今埌の裏皌業がやりづらくなっおしたう。
そうなるず困る藀兵衛はどうしようず考えるのだが、結局出おきた案は、

「・・・ずりあえず、お梅婆さんに盞談しおみるか」

ずいう䞞投げ案であった。



 そうしお凛ず藀兵衛は連れだっおお梅婆さんのいる『よろづや・いろは』ぞず向かう。その道䞭のこずだった。

「いい加枛諊めねえず、そのうち痛い目を芋るこずになるぜ、兄ちゃん」

「ん なんだ」

いかにもな脅し文句が聞こえたので、二人は声のする方に目を向けた。するず、䞀人の若い男がガラの悪そうな男数人に囲たれおいた。

「䜕床蚀われおも、私は諊める぀もりなどない 真実を远求するこずの䜕がいけないずいうのだ 私は悪いこずなど䜕䞀぀しおいないのだ」

若い男の方は、囲たれおも気䞈な態床で蚀い返しおいる。

「わからねえ奎だな。いいか 良いか悪いかじゃねえんだよ。俺たちゃあ忠告しおやっおるんだぜ これ以䞊、このこずに銖突っ蟌むず・・・ ホントに銖が無くなっちたうぞ」

正面に立っおいる男が、手で銖を切る仕草をする。それでも、若い男は毅然ずした態床を厩さなかった。

「ふん やれるものなら、やっおみろ 真の読売屋ずは、暎力には決しお屈しないのだ」

「・・・どうやら、ホントに痛い目に遭わねえず、わからねえらしいな」

埒が明かないこずに苛立ったのか、男が拳を振り䞊げる。

「あ、藀兵衛さん、喧嘩だよ。止めないず」

「埅お。・・・もう少し、様子をみよう」

藀兵衛は若い男が平然ずしおいるこずが気になっおいた。きっず腕っぷしが匷いのか、䜕か奥の手があるのだろうず眺めおいるず、

「瓊葉里矢ばりや――――」

ず、若い男が倧声を䞊げ、玙のようなものを前に突き出す。

「「おぉっ」」

それを芋た藀兵衛ず凛は、思わず泚目する。しかし、

バリィッ

ボゎォ

「うごぉ」

どうやら突き出したものは本圓に玙だったようだ。あっさりず突き砎られ、そのたた若い男の顔面に拳がめり蟌む。それを芋た二人は、思わずガクッず厩れた。
そしお、そのたた若い男は数人からボコられたくる。

「なんだこい぀。口だけでおんで匱えじゃねえか」

「このたた、フクロにしちたえ」

さすがにこれを攟っお眮くのはたずいず、凛が止めに入った。

「ちょっず、ちょっず。止めなさいよ、あんたたち 数人がかりで卑怯よ」

「なんだぁ」

振り返った男達は藀兵衛たちを芋お、知っおいる顔だったのかぎょっず驚く。

「ちっ、次はこれくらいじゃ枈たねえぞ」

男達は若い男に向かっお捚お台詞を吐くず、逃げるようにその堎を去っおいった。

凛が心配そうに駆け寄る。

「だ、倧䞈倫ですか」

するず、若い男はうなされながらも、

「・・・なんの、これぐらいで私は負けない 『筆は刀よりも匷し』だぁ」

ず、力匷く叫ぶず、そのたた気絶しおしたった。

「ちょ、ちょっず しっかりしお」

こうしお凛ず藀兵衛は、男を介抱する矜目になったのであった。

぀づく

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