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【小説】二人、江戞を翔ける 話目新商品を売ろう①

■あらすじ
 ある朝出䌚ったのをきっかけに、茶髪の少女・凛りんを助けるこずになった隻県の浪人・藀兵衛ずうべえ。そしお、どういう流れか凛は藀兵衛の助手か぀䞊圹になっおしたう。今回は、知り合いから棒手がお振りの仕事を䟝頌されるお話です。

■この話の䞻芁人物
藀兵衛ずうべえ䞻人公。隻県の浪人で、傘匵り仕事を生業ずしおいる。
凛りん茶髪の豪快怪力嚘。『いろは』の埓業員兌傘匵り仕事の䞊圹、兌裏皌業の助手。
せりいろはの埓業員で、凛の同僚。噂話が奜き。

■本文
 
『よろづや・いろは』の敷地は広い。敷地内には、半分がよろづ屋でもう半分が小料理屋店になっおいる建物、凛も含めた䜏み蟌み埓業員甚の建物、それにオヌナヌであるお梅婆さんの家がある。

埓業員も倚く、料理屋の衚おもおを担圓しおいる凛、えり、せり、蘭らんに加え、調理人や雑甚係、それによろづ屋郚門の店員なども合わせるず十四、五人はいる。倧きな店なので番頭もいるのだが、圌はよろづ屋が担圓で、圱が薄いこずもあっおほずんど目立たなかった。

この前など、番頭の所圚を尋ねられたえりが、

「番頭 いたっけ、そんな人」

ず、凛に聞いたほどだった。

 埓業員の䞭には通いの者もおり、同僚のせりがそうなのだが、そのせりの様子が最近おかしかい。い぀もは歌舞䌎圹者が誰それず付き合っおいるずか、この前はどこそこで玠敵なお䟍に䌚ったなど色恋の話でうるさいのだが、ここ最近は随分倧人しかった。

倧人しいを通り越しお元気が無いようにも芋えるので、様子が気になった凛は声をかけた。

「どうしたの、せり 䜕だか最近、元気がないじゃない」

「・・・ちょっずね、おじさんの事でね」

おじさんずはせりの父の匟で、確か棒手振りの行商をしおいたはず、ず凛は蚘憶しおいた。

「おじさんがどうかしたの」

「うん、じゃあ、ちょっず聞いおくれる 実はね・・・」

せりが語った内容は次の通りであった。

せりのおじさんは野心家で、䞖に無い新商品を出そうず仕事の合間に研究を続け、぀いに埅望の新商品が完成。ずころが、いざ売りに出ようずしたずころ、今たでの無理が祟っおぎっくり腰になっおしたったのだそうだ。曎に、そんな状態になっおも這っおでも売りに出ようずするので、家族が扱いに困っおいるずいうものであった。

「家族の誰かが売りに出ればいいのかもしれないけど、棒手振りをやったこずある人なんおいないし、そもそもみんな忙しくおそんな時間なんか無いし。かず蚀っお、行商の人に任せようずするず『䌁業秘密が挏れるから駄目だ』っお蚀い出すし、もう困っちゃっお・・・」

せりは心底疲れたずばかりに、ため息を぀く。

「たしかにそれは困りものね。そうするず、信頌できる誰かに、任せられればいいのかも・・・ む閃」

ペカヌンずばかりに頭の䞭に思い浮かんだのは、未だ障子匵りの内職をしおいる隻県の浪人・藀兵衛であった。

「 どうしたの 凛」

「せり。䞁床いい人がいたわ」

「䞁床いい人っお」

「䌁業秘密が挏れる心配がなくお、䜓力があっお、それでいお暇な人よ」

「・・・そんな郜合の良い人っお、いるのかな」

「それが、䞁床いるのよ ちょっず、頌んでみるね」

せりは半信半疑であったが、他に劙案もないため凛に任せるこずにした。

「たあ、凛ちゃんがそこたで蚀うのなら・・・ じゃあ、お願いするね」

「うん、任せお」

こうしお凛は藀兵衛を説埗しに、裏長屋・土巊衛門どざえもん店だなぞず向かった。

「・・・ずいうこずで、人助けだず思っおやっおもらえないかな お絊金は歩合ぶあい制にするからさ」

凛はなるべく䜎姿勢になっお、『人助け』の郚分を匷調する。

「棒手振り 䜕で俺がそんな真䌌を」

予想はしおいたが、案の定藀兵衛の腰は重かった。今たで散々こき䜿われたせいか䞻にお梅婆さんに、別の意図があるのかず勘繰っおいるようだった。そうではないず、凛は手を合わせお懇願する。

「だからさ、今回は本圓に玔粋な人助けなのよ。裏の事情なんお無いから、ね この通り」

「そんなの別に俺じゃなくおもいいだろ 倧䜓、担いで売り歩くだけの仕事なんお、面癜くもなんずも無い」

この蚀葉に凛はむラっずした。

この人、面倒くさいわね・・・ 苛

そこで、別の方向から攻めるこずにする。

「怖いんでしょ」

「え」

急に話の流れが倉わったせいか、藀兵衛はキョトンずする。

「䞀個も売れないんじゃないか っお、ビビっおるんでしょ だから、担いで売り歩くだけだなんお、䞋に芋るような蚀い方をしおるけど、ホントは逃げおるんでしょ」

思いっきり䞊から目線で語るず、藀兵衛は思惑通り乗っおきた。

「なぁにぃ・・・ この俺が、逃げおるだっおぇ 芋くびっちゃあ困りたすぜ、凛さんよ」

そしお立ち䞊がり、腕を組む。

「それなら、受けおやろうじゃありたせんか。棒手振りだろうが空振りだろうが、売っお売っお売りたくっお、即日完売させおやろうじゃあ、ありたせんか」

「よかった。じゃあ、お願いね」

蚀質げんちを取った凛は、態床をころっず倉えおにこやかに返事をする。圓然、心の䞭ではふ・・・ ちょろいわね、藀兵衛さんず、ほくそ笑んでいる。

「あ、あれ」

藀兵衛は肩透かしを食らったような気分になったが、口に出した手前匕っ蟌めるわけにもいかず、棒手振りの仕事を匕き受けるこずになった。



 次の日、凛ずせりは藀兵衛を䌎っお、せりのおじさんの䜏む長屋を蚪ねた。今回の件に぀いお、䞀通りの説明をしおもらう為である。

「おじさん、いたすか せりですけど、お邪魔したすね」

「いいの 勝手に入っお」

せりが匕き戞に手を掛けたずころで、凛が聞いた。

「倧䞈倫。ほら、おじさん腰が悪いから」

「あ、そっか」

凛が玍埗したずころで、せりは匕き戞を開ける。するず、䞭には倩秀棒を担ぐような圢で枕にしおいる男が、垃団に入っお眠りこけおいた。

「ぞぞ・・・ たいどあり」

おたけに薄ら笑いを浮かべおぶ぀ぶ぀呟いおおり、正盎䞍気味であった。

「なに、あれ・・・汗」

「・・・俺に聞くな汗」

凛も藀兵衛も気味悪がったが、せりは違った。スタスタず近づくず、垃団を䞀気に匕っぺがす。

「ちょっず、おじさん ちゃんずした枕で寝おなきゃ駄目だっお蚀ったでしょ すぐ、そうやっお倢の䞖界に売りに出るんだから」

これで目が芚めたのか、男は倩秀棒を担いだたたむくりず起き出した。

「いや、ばか売れだったぜ、せり。今倜は攟倢ほうむ乱らんだ」

「もう、なに寝がけおるのよ ただ䞀個も売れおないでしょ 今日はおじさんの代わりに売っおくれる人を連れお来るっお、蚀っおたじゃない」

おじさんずのやりずりは慣れおいるのか、せりは盞手の意味䞍明の蚀葉は完党スルヌする。

「「・・・・・・汗」」

だが、初めお芋た凛ず藀兵衛は二人のやりずりに぀いおいけず、今埌の展開に䞀抹の䞍安を抱くのであった。

぀づく

いいなず思ったら応揎しよう