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「お金の不安」という幻想から抜け出すために

年を追うごとに「お金の不安」が広がっています。
講演でさまざまな世代の声を聞くたびに、その実感は強まります。

「老後が不安です」。
大学生からそんな言葉を耳にするのは一度や二度ではありません。
早くお金を増やしたいと、アルバイトや投資の勉強に励む学生も少なくありません。

高校生からは老後の不安は聞こえてきませんが、「愛よりもお金が大切」と答える生徒が圧倒的に多いのが現実です。実際に先生から相談を受けて授業をしたこともあります。
そして大人たちからは、「どこまで物価は上がるのか」「老後にいくらあれば安心できるのか」という質問をよく受けます。

こうした「お金の不安」に拍車をかけるのが、周囲から聞こえてくる声です。
「投資で〇〇円儲けた」というSNS。
「物価高に備えて投資を」という広告。
その影響で、子どもたちまでお金を気にしすぎる社会になってしまいました。
「年収が高い方が偉いの?」とお子さんに聞かれて困った、というお母さんの声もありました。

もちろん、長引く物価高も一因ですが、それだけではありません。
資本主義そのものが「お金の不安を植え付ける仕組み」だからです。

「問題はお金を払って解決しましょう」という情報に日々さらされ、投資への焦りも「金融商品を買ってほしい」という思惑に支えられています。
投資を否定するわけではありません。
ただ、この仕組みの中で暮らしている限り、不安は自然に膨らみ、努力しても消えることはないのです。

だから僕ははっきり言いたいのです。
不安は、努力不足のせいじゃない。

未来ある大学生が「老後の不安」を口にする社会は、やはりおかしい。
時間を買うために奨学金を借りたのに、お金を増やすために時間を費やしているのでは本末転倒です。

異常に膨らんでいる「お金の不安」をどうにかしたい。そう思って昨年の暮れから本を書き続けてきました。
8つの問いを出発点にして、今の日本で何が起きているのか、これからどうすればいいのかを考えるための本です。

① 焦りを生む空気からどう抜け出すのか?
② 稼いでいる人を真似ても、なぜうまくいかないのか?
③ 労働と投資、本当に報われるのはどちらか?
④ お金以外に頼れるものは何か?
⑤ 「お金を稼ぐ人が偉い」と思われるのはなぜか?
⑥ いつまでお金に支配されなければならないのか?
⑦ どうすれば仕事を減らせるのか?
⑧ “大人”の常識は、これからも通用するのか?

前作『きみのお金は誰のため』が「基礎編」だとすれば、今回の『お金の不安という幻想』は「実践編」です。
今の日本社会で実際に何が起きているのか。そして、これからをどう生きるのか。
前作を手に取ってくださった皆さんには、きっとさらに深く響く内容になっているはずです。

Amazonのページには、こだわり抜いた目次を掲載しています。
目次を眺めるだけでも、この本の全体像とメッセージが伝わると思います。


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お金や経済の話はとっつきにくく難しいですよね。ここでは、身近な話から広げて、お金や経済、社会の仕組みなどについて書いていこうと思います。 …

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