なんでもない日3 四時間弱の寄り道
「ちょっと早過ぎじゃない」と自分につっこんで靴を履く。
つけていたテレビでは映画コーナーが始まった。予定は15時だけれど、映画ランキングの途中で家を出た。
約束の時間まで4時間弱。
その時間になったら、今日1日が既に満足しつつありますという顔で向かう。その顔で「よっ」と言うつもりだ。
行ってみたい本屋の方向に歩き出す。オープンするのは2時間ほど後だった。
まずはランチだ。昼飯と言いたくなるほどのおなかの空き具合だった。
そういえば行ってみたいイタリアンのお店が近くだったはずだ。
気分は定食にご飯大盛りだ。
行ってみたいと大盛りの闘い。
わずかの差で行ってみたいの勝ち。
パスタにかける2種類のチーズが出てきた。2つ目にかけたチーズで目を見開く。
「右側に置いてくださったチーズはなんというやつでしたか」
「ペコリーノですね。山羊のチーズですよ」
お店の外に出てすぐに、ペコリーノとメモする。

本屋はまだ開かないからいつものドーナツを買いに行く。ここのドーナツはこの世で1番美味しい。ダブルショコラクリームが特別に好きだ。でもそれは冬季限定のドーナツで今は買えない。
今日はお客さんが他にいない。店員さんも1人で、こんなのは初めてだ。
いつものカスタードの横に、ショコラクリームというのがあった。初めましてのドーナツだった。迷わず選ぶ。
ドーナツを渡してもらう時に、初めてゆっくり店員さんと話す。
「ショコラお好きですもんね」
「ショコラあるぞと嬉しくなっちゃって」
2号店や小豆の話も少しして、また来ますと言って店を出た。
本屋は今日の最後に行くことにして駅に向かう。
その道でいつも気になる看板を撮ってから駅に向かった。

用事を済ませた帰り道。締めくくりに本屋による。その店はアパートの中にある。階段をあがろうとしたら目に入った。
並べられたスノーダンプ。出番はまだまだ先だけど、ちゃんといる。雪で活躍する真っ赤を見て、まだまだ夏だなと思う。

その店にはまた来ようと決める。
帰り道に好きな形の木を見つける。てっぺんにピョコンと2本あるのがいい。

帰ったらドーナツを食べよう。ショコラクリームの方から先に。ドーナツの写真はない。
もうおなかの中にいる。
