『かみちゃんがいればマル』がホントにマルだった
『かみちゃんがいればマル』が4月16日11時まで全話無料公開中です。
24話しかないので余裕で追いつけます。
隣の家に住む「かみちゃん」は、いつも紙袋をかぶっている謎めいた女の子。 幼稚園児と人外の子の、不思議で切実な友情物語。
※以下はネタバレを含む感想になります。
昨今の流行り、マガジン・ジャンプ系ならどこまでエグくできるのか勝負みたいな話になりがちなネグレクトものとしてはじまりますが、これは一人の女の子と人外の友情の物語です。
チートなのは人外友だち「かみちゃん」の存在だけ。その能力を「かみちゃん」は人を傷つけるために使いません。
親の言う事が全部正しくはない、と気が付いたのはいくつの時だったでしょうか。親の愛情が兄弟間で平等に注がれるものではない、と気がついたのは?
「もうだめ りょうこが全然かわいいと思えないの」
りょうちゃんの場合、それは幼稚園児の時でした。弟を出産して家に戻ってきた母親が、深夜にこぼした言葉を聞いてしまったのです。
外では優しいお母さん。ただ自分より弟がかわいいだけ。いつかまた私を好きになってくれたらいいと願いながら、りょうちゃんは辛い日々を耐えます。
かみちゃんがいてくれたから。
かみちゃんは人外です。イマジナリーフレンドではありません。他の人にも見える、怪異であり、存在する友だちです。
「こんな子産むんじゃなかった」
そう言ってしまったお母さんとりょうちゃんの生活は、当然破綻します。
お父さんとお母さんは離婚して、りょうちゃんはお父さんに連れられ、田舎に引っ越します。かみちゃんも一緒です。
ですが、人の心を学んだ人外かみちゃんは、「脱皮」して大人の姿になってしまいます。お別れの時です。
「りょうちゃんと対等な友だちになりたいから… だからまた帰ってくるから」
人の社会に溶けこみ「1人前に」なるためのかみちゃんの冒険がはじまります。りょうちゃんも約束を胸に少しずつ大人になっていきます。
りょうちゃんのお母さんのその後も、物語は丁寧に丁寧に描いてくれます。
つまりは人生のいろんな選択の場面で顔をだす、「お母さんに愛されなかった」りょうちゃんのトラウマが描かれるという意味であり、実の娘に「産まなきゃよかった」という母親がその後どのように生き続けているかを追ってくれるって事です。
お母さんがりょうちゃんにした事は決して許されません。許されないけど、許す許さないを決める権利はりょうちゃんにしかありません。そして、ずっとトラウマで苦しみながら、とても健やかに賢く育ったりょうちゃんがどうするかなんて、見守ってきた読者にはもうわかりきっています。わかりきっているけど、きっと泣くよ。
次の更新は5月。大学進学を控えるりょうちゃんと、お母さんの再会です。
きっと泣くよ。
りょうちゃんとかみちゃんが再会したらもっと泣くよ。
それは物語のラストなんだろうな。
もう映画化してくれし! んで、映画館見終わった後に、これじゃねえなって延々感想を語らせてくれ。2時間映画の原作の最適な長さってどれくらいなんすかね。
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