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朝鮮半島史② ~古朝鮮~

朝鮮半島で実在が確認される最古の国家は紀元前2世紀に成立した衛氏朝鮮である。中国で秦から漢への政権移行に伴う動乱が起こると、多数の難民が朝鮮半島に流れ込んだ。流民の一人であった衛満は、前195年に権力を掌握して王朝を建て、半島北西部から南東部に至るまで勢力を広げた。

衛氏朝鮮以前の半島には、実在は確認されていないものの、神話・伝説上の王朝として、壇君朝鮮・箕子朝鮮があったといわれる。壇君朝鮮の王は神の血をひく神人であり、箕子朝鮮の王は中国から来た聖人だということだ。いずれも神話・伝説の域を出ないが、神と人間の混在は日本神話やギリシャ神話にもみられるものであり、民族のルーツを語る際に祖先の神格化が行われるという普遍的なパターンが表出している。

神話には荒唐無稽な物語がしばしば現れるが、だからといって全てを絵空事として片づけるわけにはいかない。長年にわたって語り継がれてきた物語には多少なりとも事実の反映があり、それに集団としての紐帯を求める意識が加わって、各々の民族固有の神話が形成されてきたと考えられるからだ。壇君朝鮮・箕子朝鮮から衛氏朝鮮までの時代をまとめて「古朝鮮」と呼ぶが、それは何度となく分裂を繰り返してきた朝鮮半島史の中で、民族の一体化に向けての求心力を喚起する拠り所のひとつとなってきたのではないかと思われるのだ。

前2世紀後半、内政を安定させた漢の武帝は、積極的な対外拡張政策に乗り出した。前128年には朝鮮半島東部に蒼海郡を置き、前108年には衛氏朝鮮を滅ぼし、楽浪郡以下の四郡を置いて半島全土を支配下に収めた。武帝は朝鮮半島にも漢帝国の郡県制を敷き、漢の政治体制や文化の浸透を図った。その影響は、多少の時差を経て、海を隔てた日本にも及んでいくのである。

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